蘇州郊外の水の郷「同里」へ
先週から日本の出張者が来ています。同じ担当業務で日本サイドのフォローをしてくれる人。転属してきたので、新たな業務・蘇州工場のことなどに徐々に慣れてもらいつつ、他部署の経験を自分含めローカルにも広めていってもらうための出張。その方と親睦を兼ねて、昨日観光に行ってきました。36歳と自分よりも年上のなのですが、とても魅力的な方で是非是非もっと仲良くなりたいと思える方。有意義な1日を過ごせました。昨日向かった先は…蘇州・上海近隣に住んでいる方は聞いたことがあるでしょうか。『同里』という江南地域の古き水郷を今に残している場所です。蘇州からなら車で1時間もかからず、同じく水郷の『周庄』のように観光客だらけでもないおススメの場所です。中国ならではの観光料80元(1200円)は正直高いと思いますが…決して「何」があるわけではないのですが、のんびりにしたい時にはぴったりの場所かと。気ままに川沿いを歩き、気ままに路地裏に足を踏み入れ…「退思園」「珍珠塔」「性文化博物館」などの観覧施設もありますが、一番の魅力は…「小川を中心に道と家屋と橋が生み出す『空気』であり『雰囲気』か」と。そして、欠かせないのが…「その空気」に『今』の息吹を吹き込み続けている「そこに住む人たち」かと。出張者Mさんはどちらかというと寡黙な方。それでも、お互いのこと・会社のことなどいろいろ話をすることができました。もっともっと知りたいと思える人に出会えるというのは嬉しい限り。気がつけば、観覧施設にも寄らず、川沿いのお茶屋さんで休むことも無く、ひたすらに2時間歩き続けていました。その2時間が苦に感じられないのは、「Mさん」との語らいが疲れを忘れさせ、「同里」の風が気ままに足を留めさせたり前へと進ませたりしたのかなと。観光客の足がほとんど及ばないところにひっそりと佇む石橋。どこまでが観光スポットで、どこからが一般庶民の生活の場なのか曖昧なところも魅力の一つ。知らぬ間に路地に迷い込み、気がついたら行き止まりになり、突き当たりの家から「この先に道は無いわよ。」とおばちゃんの声が笑顔と一緒に投げかけられ…「国家AAAA級景区」に認定され、自分らのような観光客が訪れるようになり、確実に生活の場が騒がしくなってきているにも関わらず…観光客の落とすお金で随分豊かになってきているにも関わらず…それでも、「同里」の人の心を表しているかのように、「同里」の「風」はゆっくりと気ままに吹き抜けていました。横山秀夫の『半落ち』を堪能しました。「きっと誰かのために生きている」というキャッチコピーと共に、110万部のベストセラーだそうで。良い意味で大衆受けする軽さということなのでしょうか。もう一つ深みに陥っても良いのではと思いつつも、その軽さが故にページが軽快に進んでいきました。人気blogランキング