食堂かたつむり
久しぶりに近所の本屋へ行ってきました。久しぶりといっても、おそらく1週間か10日ぶりくらい。けれど、「あ~、本屋へ行ってないなぁ…」と思うのです。多いときは週に3回は本屋へ行く我ら夫婦。ダンナは主に雑誌を立ち読み。私は立ち読みが好きではないので、気になった本があるとごそっと買ってきます。ここの本屋はけっこうコアな本を置いているのでお気に入りなんです。お目当ての本はこれだったんですが、今日は買わずじまい。著者のカール・ジンマーが書いたこの本が面白かったので、また読みたいなと思っていました。子供の頃からこういう本が大好きで、図鑑や百科事典なんかを飽きずに眺めている子供でしたから、大人になってもそういう本が好きなわけです(笑)が、今日は別の本を買ってきました。「食堂かたつむり」以前どなたかのブログで話題になっていたような…曖昧な記憶しかありませんが、気になっていたのは事実です。そして話題になった本は、文庫になるまで待つのが私の主義。というか、安いので文庫本になるまで待ってるんですけどね。読んでみて、久しぶりに考えさせられる内容でした。楽天ブックスでレビューなんかを読むと、「ほんわかしていて良かった」と「こういうのはどうも…」に分かれるみたいです。もう文庫にもなってるからネタばれしてもいいでしょうね。豚を屠殺・解体する文章をグロテスクという方はまだまだ多いみたいです。私には、淡々とした文章の中に主人公の決意と愛情のありったけがこめられているなと感じたのですが、これも読者次第でしょう。ワイルダーの「農場の少年」や大草原の小さな家シリーズを読んでいると時々でてくる表現なので、私にはなじみのある表現でしたし、実際生き物を屠ってその肉を食べるということはきれいごとではないのですから。学生の頃に鶏や牛の解剖もやり、屠場へ研究材料を取りに行った身としてはよくわかります。この本を読んで、「私はこんなふうには食べること、作ることに向き合っていない」と感じました。そのことを恥ずかしく思う気持もあるし、このタイミングでこの本を読んだことに不思議さも感じます。「あなたはどうするの?」と問いかけられているようで。何度も読み返しては自分に問いかけるきっかけを見出す本になりそうです。