戦国武将の話
婆沙羅バサラとは鎌倉幕府滅亡後に流行した言葉で、きらびやかな衣装をまとい、身分をわきまえずに勝手な振る舞いをする者を指す言葉でした。その奔放な考え方と行動を危険とみなした足利尊氏は、婆沙羅禁止令を出しました。つまり婆沙羅とは、戦が頻発する不安定な戦国時代、下剋上を達成したり、自分の思い通りの人生を全うするなどという生き様に憧れや、畏怖の念を抱かせる人物を指していたのです。婆沙羅武将の代表といえば、なんといっても織田信長といえるでしょう。痛快ともいえる信長に対して、勝るとも劣らない婆沙羅武将は、斎藤道山や北条早雲などがいました。また、毛利本就などは、戦国時代も初期の初期に下剋上を達成し、一代で巨大な勢力を築き上げました。天下御免のかぶき者として有名な前田慶次や、裏切り者としての人生を送った松永久秀は、常識という枠では捉えきれないほどの凄まじい人生を全うしました。次からは、時代の最先端を突き進み、民衆をけん引した婆沙羅武将の活躍を毎週一回連載してみようと思います。