フィドル・マイクのマジック
以前、日本でも超有名なフィドラーのワークショップを受けたことがありました。先日、そのフィドラーの動画がFBで回って来たので改めて観たのですが、フィドラーのすく近くにマイクがついているのですね。それも2本、彼のほうに向かっています。会場はお部屋のような仕様のスタジオ、伴奏者にはマイクがついていないです。マイクを立てるときはバランスですから、例えば、フィドルとギターだったら、音の小さいギターのほうだけマイクを付けたりします。録音用に全体に一本という場合もあります。それで、ワークショップを受けたとき、彼のフィドルが蚊の鳴くような小さな音だったことを思い出しました。学校の教室くらいの大きさの部屋でほとんど聞こえないくらいだったのです。他の参加者たちも、あらっ、聞こえないわ~、という感じで、顔を見合わせたりしていました。彼は、どうやって有名になったのでしょう?確かに、FBの動画に観るように、彼の演奏はとても上手です。そうです、マイクを通すと、とても上手に聴こえるのです。そういうフィドラーは他にもいるんじゃないかと思いました。フィドル、ヴァイオリンはとても大きな音が出る楽器です。他に生音を聞いたことがあるフィドラーでは、ブルース・マクレガーさん、エイダン・オローケさん、カトリーヌ・マクレガーさん、マーレイード・ニ・ムイニーさん、そしてピートクーパー先生も、圧倒されるような音量で演奏します。50人くらいのお部屋ではマイクは通常必要ないです。私もピート先生ほどではないですが大きな音を出せます。この前、300人くらいのホールを生音で演奏しましたが、大丈夫だったみたいです。クラシック音楽のヴァイオリニストでも、鼓膜がかゆくなるくらい小さな音で弾くプレイヤーがいますが、要するに、楽器をちゃんと鳴らすのも技量のうちだと思います。フィドルは、近年では、いつもマイクを使っても誰も変だとは思いません。でも、昔はマイクなんてありません。せいぜい50人くらいのスペースで、人に聴かせるボリュームの音で演奏するのも、求められる技量のうちだったに違いないと私は思うのです。