「宮中賢所物語」
知らない世界を知ることができるのが読書の醍醐味で読んでいるときに、もし自分がこの世界にいたらなんて想像するのも楽しいのですがこの世界は絶対にムリ! 宮中賢所物語実話、というか皇居の奥にある賢所ってとこに57年仕えた方の自叙伝なんですけどこれ、日本の話???と思うくらい異世界の話です下手なファンタジーより、ずっとずっとファンタジー独特の言葉を使い、清と次(穢れ)を厳密に区別して、着替えの順番、食事の作法にも気を使い穢れに触れたら、塩で手を清め神に仕える際にも手を清め、一日に何度も手を清め、戦争も関係なく、日々神に仕え、一年が天皇家と神事で巡る生活こんなことを今も変わらず続けてるってすごい伝統だなぁ......誰でもなれるものじゃないしどうやったらなれるかもわからないけど、選ばれた人は確実に存在して誰にも知られることなく、脈々と、粛々と伝統を守り続ける本当に凄いことです今も日本の生活の中に神道が根付いていて正月には初詣に行くし子供が生まれたら、お宮参りをするし、家を建てるときには地鎮祭をして厄年には厄払いに行くわけで私たちがつまみ食いしている神道に真摯に仕えている人がいるからこういう行事も行うことができるんですよねそして、その頂点が天皇家と皇太子妃が心の病気だとか、週刊誌を賑わせて何もしてないとか、公務をサボってるとか書かれるけれどこの本に書かれているような神道の行事が次々とあったら普通の生活をしてきた人にとっては、心労になりますわ隔絶された世界に生きる人っていうのはきっと生まれた瞬間から、そういう運命にあるんでしょうね宮中賢所の次はこちら 伊勢神宮の衣食住が明日に届く予定同じ神に仕える生活でも、女性と男性、宮中と伊勢、違いを味わいながら、異世界に浸ろうと思います