[書評]の記事一覧 | 冬至楼の思考・錯誤

忍法魔界転生・換装

だいぶ遅れたけど、第七巻読了。転生衆との戦いが始まってからは展開が速いですね。忍法魔界転生・換装

2015.08.26

コメント(0)

時代小説人物評伝

たまたま似たような時代の小説を三本立てつづけに読んだので。時代小説人物評伝「妖説五三ノ桐」戸部新十郎大坂の陣を描くのに、あえて戦後の秀頼薩摩落ちを取り上げた作品。渋い。「美女いくさ」諸田玲子女性作家による女性視点の戦国。新聞連載時に流し読みしていましたが、まとめて読むとなかなかいい。少なくともあの大河よりは。「講談　大久保長安」半村良半村調全開。ただ時事ネタが風化しているのが残念。

2015.07.14

コメント(0)

時代小説人物評伝

久しぶりの更新。今回は慶安事件ネタが被りました。時代小説人物評伝[文庫]【中古】【メール便可】旺文社文庫　慶安太平記 / 南條範夫　【中古】文庫徳川三国志 / 柴田錬三郎【05P19Jun15】【中古】afb

2015.06.19

コメント(0)

時代小説人物評伝

色々読んだのでまとめて記載。時代小説人物評伝今回の目玉は「わが恋せし淀君」でしょうか。再読なんですけど、改めて読むといい作品ですね。

2015.05.05

コメント(0)

「化物語」シリーズ

久しぶりに主人公に感情移入して読みました。この年になると、高校生に感情移入しにくいのだけど、主人公の立ち位置が昔の自分に近くて。と言っても私自身は主人公みたいなエロゲ展開はありませんでしたけど。（当たり前か）自分が主人公なら（今の自分なら見捨てるけど）、高校生当時の自分なら多分同じように助けたでしょう。三人の吸血鬼ハンターとの戦いは、主人公よりも上手くやる自信が有ります。（多分委員長の助け、あるいは介入を受けずに）但し、最後には人間に戻らずに吸血鬼とともに姿を消していた可能性が高く、これだと「化物語」の本編に入る前に終わってしまいますね。ツンデレさんは多分助ける。けど、迷子の小学生は多分スルー。その時点でツンドラさんに惚れられる可能性は無い。よってエロ少女に襲われることもないでしょう。自分にはエロゲ主人公特性は無いなあと再認識しました。

2015.05.02

コメント(0)

天皇家の忍者

南原幹雄著「天皇家の忍者」読了。タイトルから来る印象とは少し違った内容でした。で、久しぶりに時代小説とＲＰＧを書いてみたのですが、今回はＣ評価（＝駄作）です。作品がではなくて、私の稿がですよ。念のため。【中古】天皇家の忍者新潮文庫／南原幹雄(著者) 【中古】afb

2015.04.07

コメント(0)

傾国伝

伴野朗著を再読し時代小説人物評伝に記載しました。初読時には単純に凄い話だ、としか思いませんでしたが、改めて読み直すと、いくつか疑問がわいてきました。一つ。初めに登場する古文書を書いたのは誰か。一つ。この古文書が何故日本にあるのか。内容的には明土での展開を知りうる人間が書いたはずで、どう言う経過を辿って日本にもたらされたのか。一つの応えとしてはまどか本人が帰国して書き残した。と考えるのが妥当なのですが。作者の出身があの新聞社である事がなんとなく引っかかってしまいますね。（ご本人には何の責任も有りませんけど）「【新品】【日時指定不可】【2500円以上購入で送料無料】【新品】【本】傾国伝　島原の乱が明国滅亡を呼んだ　伴野朗/著」

2015.03.16

コメント(0)

金田一耕助の冒険

春陽文庫版の「金田一耕助の冒険」を入手読了したので、久々に年表をチェック。金田一耕助行動記録・私案ミスを発見したので一部修正しました。「瞳の中の女」事件を芦辺拓氏（「瞳の中の女・異聞」＠金田一耕助ＶＳ明智小五郎ふたたび」）は３３年としていますが、年表を見る限りこれは無理。（氏としては自分の誕生年と言うこだわりも有ったのでしょうけど）確認の為「火の十字架」と「薔薇の別荘」も再読しました。【楽天ブックスならいつでも送料無料】金田一耕助VS明智小五郎ふたたび [ 芦辺拓 ]

2015.02.15

コメント(0)

黄金の血脈

半村良の時代小説「黄金の血脈」を文庫にて再読。タイトルが新書版から変更になっているので、時代小説とＲＰＧの表記も変更。内容に付いても一部修正・追補しています。史実と言う縛りがあるので、ラストの急転直下はある程度想定内。ですが、陸奥大地震が先の震災を思い起こさせてちょっと切ない。

2014.11.19

コメント(0)

懲役３６年

韓国での旅客船沈没事故で、船長に懲役３６年が言い渡された。検察が主張していた未必の故意による殺人罪に関しては無罪でした。遺族は不満を吐露していたけど、流石にあれで殺人罪は無理。年齢的に生きているうちに出てこられないでしょうから実質的には終身刑。韓国の司法はぎりぎりで正気を保っているようである。

2014.11.11

コメント(0)

比較的漫画考察３　『ＮＡＲＵＴＯ』と『フェアリーテイル』

第三弾。とりあえずの完結編。（また思いついたら書くかもしれないけど）今まででも最もメジャーな二作品なので説明は省略。前者は忍者、後者は魔道師と、一見違うようだけどなんでも有りと言う点は共通。「忍び里」と「ギルド」と名称は異なれども、集団に帰属しての群像劇。基本の行動単位が四人と言うのも、おそらくは偶然だけど一致している。キャラクター同士の関係性とか戦闘単位としての役割分担とかで人数は自ずと決まってくるのですけどね。完結した『ＮＡＲＵＴＯ』と違って、まだ連載中の『フェアリーテイル』に付いては断言は出来ないが、主人公の能力が作品世界の行く末を決める要素になっている。（だからこそ主人公を張っているともいえるが）違いは、その設定から来る世界観。忍者たちが活躍する和風な『ＮＡＲＵＴＯ』と魔道師たち織り成すの洋風な『フェアリーテイル』。『ＮＡＲＵＴＯ』はジャンプ漫画にしてはテーマが重い。”尾獣”による大国の勢力均衡政策は冷戦構造を思わせる（五大国と言うのが核を保有する安保理常任理事国と同数）し、しのび里と大国の方針の食い違いなども軍需産業の孕む矛盾を反映している。逆に『フェアリーテイル』の魔法は、必ずしも戦闘に特化しておらず、また国家との結びつきも見られない。「忍び里」が軍隊なのに対して、「ギルド」は民間企業に近い。軍隊である「忍び里」はそれ故に互いを縛る上位組織が存在しないのに、民間企業に相当する「ギルド」に関しては上位の管理組織が存在する。これが両作品の最大の違いだろう。

2014.11.10

コメント(0)

比較的漫画考察２　『べるぜバブ』と『マギ』

第二弾。これを思いついたからこのシリーズを書くことにしたと言ってもいいでしょう。（第一弾は内部検索してください）どちらもアニメ化した作品なので細かい説明は省きます。さて両作品のどこが類似しているかと言えば、主人公が悪魔と契約して力を得ると言う点にあります。『マギ』の方はジンと言う呼称になっていますが、これはソロモンの７２柱の魔神が元ネタに成っています。『べるぜバブ』の方でもソロモン商会と言うソロモン王に仮託した一味が登場します。これだけなら単なるネタ被りですが、主人公の仲間が主人公の力を分けられると言うシステムが登場します。これは『べるぜバブ』では王臣紋、『マギ』では眷属器と呼ばれます。さて類似しているのはここまで。『べるぜバブ』が現代学園モノなのに対して『マギ』は異世界ファンタジーと言う点が決定的に違います。『マギ』は主要キャラがアラビアンナイトからの流用ですし。更に『べるぜバブ』は基本的にはギャグ（タイトルからして大魔王の名前の語尾をネタにしたもので、主人公と契約するのは大魔王の息子である赤ん坊）でバトル展開もどこかコミカルな部分が見られますが、『マギ』はストーリーからしてシリアス一辺倒。これは掲載誌の対象年齢の違いなのか、あるいは編集方針の違いなのか、ジャンプ漫画である『べるぜバブ』現実の社会への風刺性を感じませんが、サンデー漫画の『マギ』はかなり重いテーマを内包しています。

2014.10.28

コメント(0)

比較的漫画考察　アクメツとデスノート

以前から暖めていたネタ。二つの漫画を取り上げて類似点と相違点をだらだらと語ります。片方は『週刊少年チャンピオン』に連載されていた『アクメツ』（2002年43号から2006年17号）、もう片方は『週刊少年ジャンプ』に連載されていた『DEATH NOTE』（2004年1号から2006年24号）。知名度では、雑誌の力関係もあって圧倒的に後者。映画やアニメで知ったと言う方も多いでしょう。共通点は、主人公が超常的な設定によって悪党を裁いていくと言うもの。この両者がほぼ同時期に週刊連載されて居たと言うのは、当時の社会情勢の閉塞感が影響しているのだと思います。そしてその社会情勢が小泉純一郎と言う一人の変人を長期政権をもたらしたわけですが。念のため両者の能力設定に付いて説明しておくと、『アクメツ』の設定はクローン人間で、その記憶はオリジナルにフィードバックされます。対して『デスノート』は、名前を書き込むと対象を殺せる（但し顔を知っている必要がある）と言う死神のノートを用います。さて、ここからが両作品の相違点になります。第一の点は、両主人公の能力の違いから来るものですが、アクメツは対象と刺し違えての暗殺と言うリスクを抱えており、殺しが悪であることを自覚しています。しかし『デスノート』の主人公は、殺人にリスクを伴わない為か、独善的な使命感に取り付かれていきます。そしてそこから派生するのが第二の相違点。デスノートは主人公を打ち破る”正義”の敵役が必要になったと言うこと。そして第三の、最大の相違点は、『アクメツ』が殺される悪人が実在の人間をモデルにして現実の社会とリンクした形で展開していったのに対して、『デスノート』は、現実と全くリンクしない形で主人公とライバルの知略戦が展開されたことでしょう。まあそれだからこそ『デスノート』は時代に縛られない形での名作となりえたわけですが。

2014.10.07

コメント(0)

人形佐七の時代

かなり強引ですが、全作品を一応年表に押し込みました。金田一ものと違って、時代設定にあまり動きが無く、更に作品同士の前後関係もごく一部にしか見られないのでよく言えば自由度が高い作業でした。残る問題は水谷氏が自作に佐七を登場させた「語られざる事件」をどう扱うかですが、これはそちらを入手したときに考えることにします。人形佐七の時代

2014.08.09

コメント(0)

古典ＳＦの太陽系

吉岡平著「火星の土方歳三」「金星のＺ旗」を再読。これはＳＦなので時代小説人物評伝の本義からは外れるのですが、ここに登場する土方歳三の性格分析（解釈）が非常に鮮烈。秋山参謀を自分で招いておいて、反りがあわないとわかるとあわや粛清（済んでのところで金星に逃れますが）と言う性格破綻ぶり。大先輩のジョン・カーターも会うのを巧妙に避けているとか。（元ネタに影響を与えない為の配慮ともいえますが）金星に逃れた秋山はパンジャとアリコ（それぞれどこの国を模しているかお分かりですね）の戦いに巻き込まれてその艦隊参謀としての手腕を振るいます。

2014.05.24

コメント(0)

明治古典ＳＦ

いまや古典ＳＦの研究家ともいえるヨコジュンの描く明治を舞台にした長編ＳＦシリーズ。明治と言う過去を舞台にしたＳＦと言う矛盾。【中古】水晶の涙 / 横田順弥［文庫］【あす楽対応】【中古】惜別の宴 / 横田順弥［文庫］【あす楽対応】これを時代小説として含めるかどうかは迷ったのですが。時代小説人物評伝http://to4roh.nobody.jp/jidai_p00.htm

2014.04.14

コメント(0)

宇宙戦争

古典ＳＦとして派生作品も多い「宇宙戦争」ですが、作中には具体的な年代が書かれていません。基本的に未来の事象を題材とするＳＦ（当時はまだこの名称は有りませんが）では発表年代を基準にするわけにも行かず。「シャーロック・ホームズの宇宙戦争」では天文学的な見地から１９０２年と推定しています。一方で「火星人類の逆襲」は単純に発表年をそのまま事件発生年代としています。それにしても過去を舞台としたＳＦと言うのがなんとも矛盾したお話です。【送料無料】宇宙戦争［ハ-バ-ト・ジョ-ジ・ウェルズ］

2014.04.11

コメント(0)

柴錬立川文庫

文春文庫版の柴錬立川文庫の四巻「柳生但馬守」を読了。柴錬作品をいくつか再読して柴錬野史を立ち上げました。本当は年表も作ったのですが、柴錬作品には大きく二つの流れがあるようでまだそれを整合させる方針が決まりません。（具体的には秀頼・幸村が史実どおりに死んだ場合と生き延びた場合）【中古】柳生但馬守文春文庫柴錬立川文庫4／柴田錬三郎【著】【中古】afb

2014.03.30

コメント(0)

否忠臣蔵

五味康祐著「薄桜記」を読了。久しぶりに時代小説とＲＰＧの新稿を挙げました。忠臣蔵に付いては別のアプローチも考えていたのですがそれはまた日を改めて。【中古】薄桜記／五味康祐(著者) 【中古】afb

2014.03.17

コメント(0)

十（四巻）

せがわ版魔界転生も第四巻。遂に十兵衛と転生衆が接触。戦いはこれからだ。忍法魔界転生・換装【送料無料】十　～忍法魔界転生～（4）［せがわまさき］

2014.03.06

コメント(0)

室町もの

朝松健氏の一休物を再読して年表化する予定だったのだけど、未読の一作が予定通り手に入らなくて。（そちらの方は手に入ったら改めて）その流れで山風の室町ものを再読し、室町の人物をまとめて時代小説人物評伝に追加しました。

2014.01.27

コメント(0)

幕末と侠客

幕末期を扱った山風作品を再読。時代小説人物評伝に新たに侠客（と幕末期の剣豪）を多数追加しました。「武蔵野水滸伝」忍法帖の名作「魔界転生」の幕末版。但し、死んだ剣豪を復活させた「魔界転生」と、他人の体に乗り移る「知行散乱」では大きな違いがある。最大の問題は、生き返った剣豪はどんな殺し方でも可能なのに対し、乗り移った剣豪は仮の体の持ち主の人生に影響されると言うこと。「魔界転生」は主人公柳生十兵衛と生き返った剣豪との剣戟がメインなのに対し、「武蔵野水滸伝」は「天保水滸伝」を下敷きとした、言うなれば山風版「天保水滸伝」なのだから、そもそもの切り口が違うのだ。「旅人国定龍次」国定忠治の（架空の）遺児の侠客修行が幕末の倒幕活動に飲み込まれていく悲劇を描く。実際に維新の影で使い捨てにされた侠客が多数いたであろうと想像されるのだが、龍次の無邪気さに哀れさにはどこか共感できない。亡父忠治に対する過剰な思い込みも含めて、正しい情報を得て行動しないと時代に飲み込まれてしまう。

2014.01.12

コメント(0)

砕かれざるもの

荒山作品にしてはややおとなしめ。いやいやその発端は例によってとんでもない歴史的秘話が展開されます。作者の越中人としての”恨”が（隣りの越後人として）ひしひしと感じられました。知り合いの越中人も、「戦国には越後の上杉に攻められて、江戸時代には加賀の前田家の支配化に」とのたまっていましたから。とりあえずｈｐでやっていた荒山時空解析室は一部改訂を余儀なくされました。でもこれで無理が無くなってすっきりしたかも。時代小説人物評伝の方もかなり修正が加わっていますので楽しんでいってください。【送料無料】砕かれざるもの［荒山徹］

2013.12.22

コメント(0)

柳生大作戦

「石田三成」の題で単行本化された作品。文庫化に際して連載時の「柳生大作戦」にタイトルを戻したようです。相変わらずの荒山ワールドですが、妖術を見につけた三成が術に頼りすぎて自滅すると言う朝鮮妖術師の黄金パターンに陥っています。荒山時空解析室文庫あとがきがおまけと言うには長すぎる。【送料無料】柳生大作戦（上）［荒山徹］【送料無料】柳生大作戦（下）［荒山徹］

2013.11.16

コメント(0)

探偵小僧の事件簿

横溝正史の少年ものを再読。残念ながら今は絶版ですが、kindle版なら入手可能です。緑304版少年モノ今まで作っていた金田一・由利モノの年表に連動させました。探偵小僧の事件簿

2013.10.07

コメント(0)

荊木歓喜の事件帖

一般には忍法帖シリーズで知られる山田風太郎だが、そのデビューは探偵小説であった。そんな山風の推理ものがまとめて読めるのが光文社「山田風太郎ミステリー傑作選」その中でも唯一のシリーズ探偵が荊木歓喜。その風貌は詳述すると伏字にならざるを得ないのだが、その作品群も一筋縄ではいきません。点数が少ないので、時系列化を試みてみました。荊木歓喜の事件帖【中古】十三角関係　名探偵篇(2) 山田風太郎ミステリー傑作選光文社文庫山田風太郎ミステリ-傑作選2（名探偵篇）／山田風太郎(著者) 【中古】afb歓喜先生ものには、盟友高木彬光氏との合作「悪霊の群」も有ります。悪霊の群こちらでは神津恭介との競演もあります。神津恭介の方も時系列化をやってみたい気がしますが。きりが無いですね。

2013.09.22

コメント(0)

扉の影の女

角川文庫版では何度か読んでいるのですが、春陽文庫版を入手。新版（と言ってももはや前世紀末になるのですが）の表紙は角川版とはまた別の魅力がありますが、それ以上に巻末の解説「金田一耕助の徹底解剖」が目当て。ただ、この巻の分析にはいささか疑問。まず、事件の年代を３４年と書いている点。作中では３０年と明記されている（こう言う例は意外に無いのですが）にも関わらず。３０年は有名な「悪魔の手毬唄」のほか「三つ首塔」という大事件があって、特に後者と時期が被るのですが、実のところ「三つ首等」における金田一はあまり目立たないので充分に共存可能なんですけどね。金田一耕助行動記録・私案《春陽文庫》横溝正史横溝正史長編全集6　扉の影の女　【中古】afb

2013.09.16

コメント(0)

悪魔が来たりて笛を吹く

自選集にて再読。一部に連載から落ちた部分があるとの事だったが、ストーリーに影響なし。むしろ単行本化の際に削ったのだと思われます。「犬神家」と同様のシチュエーション先行型。であるが、初めから犯人が決まっていた。と言うだけ有ってその動機に無理が無い。本格モノは得てしてトリックに懲りすぎて、動機が弱くなってしまいがちである。しかし上手いトリックが思いつかなかったとかで、予告から連載まで三年空いてしまったという曰くが付録で紹介されています。この遅れについて、作品の冒頭で「陰惨な事件」なので「気がすすまない」と言う設定を付しているのがまた効果的。三年の空白により、予定していた本格探偵小説からスリラーものへと替わってしまったが、ベスト７に入る傑作となったのだから結果オーライか。【送料無料】横溝正史自選集（vol．6）［横溝正史］ホームページの方も一部更新しているので、良かったら見ていってください。金田一耕助の行動記録・私案

2013.09.03

コメント(0)

犬神家の一族

初読からもうかれこれ１０回以上読んだと思うが、自選集の付録を読んで驚愕。シチュエーション重視で、犯人すら決めずに書き始めたというのだ。言われてみれば、誰が犯人でもおかしくない始まり方ではあったし、重箱の隅を突付けば細かい矛盾が見つからなくも無い。だからこそ作者の中でもあまり高い評価ではなかったのだが、映画化を経て注目され、評価が変わった作品であろう。（こうして自選集の一つに選ばれているのだから）防御率（殺人の阻止率）の悪さを言われる金田一耕助だが、この作品については作者すら犯人を知らないのだから、途中で犯人を指摘しようが無い。殺人が続いたのも、連載を長く続けて欲しいと言う雑誌側の都合。金田一がいなければ、更に一人の命が失われ、一人の女性に深い傷を残すことになったであろう。【送料無料】横溝正史自選集 4 犬神家の一族 / 横溝正史【単行本】

2013.08.24

コメント(0)