「レインツリーの国」 有川浩
「図書館内乱」に登場する、あの作品が出版社の垣根を越えた夢のコラボとして登場ですよ!?うーん、凄すぎ!?小牧教官!?あんたって人は、なんちゅう本を毬江ちゃんに読ませたんですか!?素晴らしすぎですぜ!?難聴者を主人公にした恋愛物を描くとの事だったが、難聴者が元自衛隊員なのか、自衛隊員と難聴者のラブストーリーなのか非常に気になっていた訳ですが。「それはあれですか、自衛官が地雷処理とかで失敗して難聴になったりするんですか?」と聞かれるという、取材中のエピソードがあるだけに、思ってた人はいっぱいいたんですね。(w有川浩さんの一般的な位置づけはやっぱりここですね。しかし残念な事に、自衛官らしき人物は誰一人として登場せず・・・。orz架空小説『フェアリーゲーム』!?でまあ、出会いというのが、「忘れられない本」に送ったメールから始まったメール交換という、一昔前のラブストーリーにありがちな切り口。しかしその「忘れられない本」と言うのが、架空のライトノベル『フェアリーゲーム』と言う点で、思わず購入してしまいました。(w『フェアリーゲーム』のモデルとなっている作品は、『妖精作戦』という、笹本祐一さんのデビュー作らしいですね、この辺は参考文献に書いてあります。私には、『イリヤの空、UFOの夏』のイメージがかなり強かったのですが・・・。実際、イリヤの空って、妖精作戦のオマージュらしいですからね、そう思ってもしょうがないのでしょう。ただ、『妖精作戦』シリーズってさ、既に入手困難なシリーズなので、この話のように新装版が棚に並んでたりしていないと言うのが残念な所。もちろん、待ち合わせ場所には使えません・・・。ちょっと気になるこのシリーズ、ソノラマさんは完全版を出してくれないかしら?しょうがないから、『フェアリーゲーム』に関してのイメージが沸かない人は、『イリヤの空、UFOの夏』を読んでみるのが一番でしょうか。でも確かに、『イリヤの空、UFOの夏』の4巻なんて読み返したいなんて思わないんですよ。正直、あの主人公のとった行動が許せなかったり・・・。確かに中学生程度では仕方ないのかなと言う面はあったのだけど、何かしっくり来なかったのです・・・。でも、この作品を読んでそれがスッキリした気がしました。と言うのも、この話、4章から5章の間がポッカリと抜けているのです。終わりそうな嫌な状態で終わった4章から、いきなりラブラブハッピーエンドへと突入する5章の間が全くと言っていいほど欠落しているのです。めっちゃ期間長いねんで!?おいおいこいつら、この間にどんくらい悩んだり不安になったりしたんやろうな、という点がポッカリ抜けてるんですよ。何でそんな肝心な物が、抜けてるのかと言う事をちょっと考えていた訳ですよ。ネタ的におもしろいエピソードを書けば、もう1章位は完成しそうなのにあえてそれをしなかったのは、なぜか?たぶん、あの衝撃のラストから、なぜ笑顔のエピローグに到達してしまうのか?『妖精作戦』は分からんけど、『イリヤの空、UFOの夏』のそこにあたるんじゃないか・・・?とにかく、そこが気に入らなかった訳ですが、要するに読者にも語らない思いと葛藤を胸に秘めていたという事なんやろう。力不足を認めて、クヨクヨするのは誰にでも出来る事であって、あえてそれを胸に秘め、前に向っていこうと言う主人公の思いを、何で私は理解してあげられへんでんやろうと。今更ながらに、『イリヤの空、UFOの夏』シリーズを引っ張り出して4巻のラストをきちんと受け止めてみました。関西弁そんなにええか?正直、関西人は東京に行っても関西弁だけど、多の地方の人は標準語を話したがると言うのはよく分からないのですよ。確かにこの小説の主人公は関西弁だけど、関西弁はいいという訳じゃないと思うのですよね。そんなんで関西弁にときめいたら、二塁打ナナコと同じ理由なんや。ほんまは、関西弁がええんやなくて、伸が生まれ育った言葉やと言う事。特に本音や気持ちが高まってきた時に方言になってしまう所が重要。地方の人にとっての標準語は、矯正された言葉、建前を言ってるのと同じやねん。だからこそ、方言ってのは本音で語ってるというイメージになります。たぶんそんな本音で語る伸の良さが、関西弁がいいと思わせているのでしょう。だから、その人にとって本音を出せる言葉なら、関西弁でも標準語でもすばらしんとちゃいますか?特に関西人にとっては、本音が重要やから標準語=建前みたいなイメージがあって、あまり使いたくないってのがあると思うね。まあ、新しい言葉を覚えるってのは、英語を習ったり、手話を習得したりするのと同じだけの労力が必要になってくるから、めんどくさいというのもあるみたいだけどね。(wと言うのが、私の仮説。とまあ、これ何の感想?みたいな事書いてみましたが、難聴というテーマに対して、道徳的な押しつけがある訳でもなく、それに対する結論は登場人物と読者任せにしている所が、道徳嫌いな私にはグッと来ました。正直、私は、道徳という押しつけが嫌いです。だからと言って、しないというのも嫌なのですが、やれと言われるのが一番嫌いですね。だから、当たり前の事を当たり前のように書かれたら、もう二度とこの手の本は読まないと決めていたのですが、よく調べて様々な問題を両方の視点からしっかりと描かれている点は、本当にグッと来ました。レインツリーの国著者:有川浩出版社:新潮社発行年月: 2006年09月サイズ:単行本/203p本体価格:1,200円 (税込 1,260 円)感想リンクのべるのぶろぐノベコミ!早く昨日になればいいbooklines.netひなたでゆるり架空の線上良作時々地雷