港の線路 休止線 (秋田臨海鉄道北線)
奥羽本線の土崎駅から、港に延びている線路があります。港の線路 09 posted by (C)Traveler Kazu ここは現役の線路で、平日は1日3往復の貨物列車が通っています。2010年3月 DD51牽引貨物列車(現在はDE10が牽引)JRの線路であるため、総合検測車「イーストアイ-D」も年に1度走ります。2013年4月 イーストアイ-D入線今日は、その先の線路のお話です。奥に大型の船が見えますが、次回はそちらを紹介します。港の線路 08 posted by (C)Traveler Kazu 奥羽本線から分かれてわずか1km少々で、秋田港駅に至ります。戦前からある、秋田貨物駅よりもはるかに古いヤードで、港に向かって扇形に広がっています。しかし、現在はここから発送ないし到着する貨物はなく、JRと秋田臨海鉄道との受渡駅に留まっています。写真は着発線・機回線です。イーストアイ-Dはここまで入線して、折り返しました。昨秋実施された、海外譲渡用24系客車の陸送作業は、この駅の南側(奥に見える事務所の向こう側)で行われました。2015年11月 元あけぼの24系客車 秋田港駅に出現このとき線路から降ろされトレーラーで埠頭に移された客車群は、1年近くたった今でも、未だに埠頭に留め置かれたまま。行き先を失ってしまったのでしょうか。港の線路 07 posted by (C)Traveler Kazu コンテナホーム。本来用途に使われているのかどうかは分かりませんが、いい雰囲気です。港の線路 06 posted by (C)Traveler Kazu 敷地の北半分はほとんど使われておらず、雑草が生い茂っています。秋田港駅の配線図は『貨物時刻表』に掲載されており、コンテナホームを含め「北1番線~9番線」まであるようです。奥に見えるコンテナは、やはり行き先が定まらない海外譲渡用のコキ50000とコンテナです。港の線路 05 posted by (C)Traveler Kazu 北4~6番線だと思いますが、使われている気配は全くないです。何より、「秋田臨海鉄道北線」は荷を失い休止中です。末期は小坂精練~秋田製錬間の濃硫酸を運んでいましたが、濃硫酸の生成自体がなくなってしまったので輸送もなくなり、しばらくは線路維持のために単行の機関車が走っていたそうですが、数年前から「休止線」になりました。なお、「秋田臨海鉄道南線」は貨物列車が運行されています。ここで順番を変えて、北線の中島埠頭駅近くから秋田港駅へ向かって近づいてみましょう。港の線路 01 posted by (C)Traveler Kazu JX日鉱日石エネルギー秋田油槽所(旧日石秋田製油所)の脇をへロッと這う赤錆びた線路。かつてはタンク車での出荷が行われ、比較的近年まで鉄道用の積み出し設備が残っていました。引込線への入口は踏切の近くで、名残がよく見えます。港の線路 02 posted by (C)Traveler Kazu 終点の秋田北港駅方向を見る。この先カーブになっていて、カーブの先に中島埠頭駅があります。駅といっても、本線に側線が1本あるだけです。港の線路 03 posted by (C)Traveler Kazu ここのところ車両が全く走っていないため、廃線同様です。港の線路 04 posted by (C)Traveler Kazu かなりの急カーブ。右カーブのところに日石への引込線分岐がありました。シーアンドレール構想といって、秋田港のコンテナターミナルに貨車を直接乗り付けて、外航コンテナを輸送しようという構想があって、何度か実験も行われました。その構想のために「休止」で残されているような感じです(JR貨物が北上線の免許を保持したままなのも、この構想用かな?)構想実現までは、しずかに眠る港のレールをご紹介しました。※今日の写真は、すべて公道から撮影しました