ことこと＠チェンマイ！ タイ移住ドキュメント＆北タイ通信♪

久しぶりにタイに関するウンチクをテーマにしてみました。（この文章は、随分前に下書きして放ったらかしになってたものであります。汗。）
この手の記事はゲストのタイ・マスターの面々からの補足や反論がわんさか集まるので楽しみであります。みなさんからのコメントをお待ちしてまっす！



先日、うちに近所のタイ人おばばマダムのひとりが娘さん（小学生）を連れて遊びに来たのですが、その娘さんが


「アルン・サワット・カー」（おはようございます）


と挨拶したので、わたしは「おおっ！」と思ってしまいました。


言うまでもなく、タイにおける挨拶語は「こんにちは」も「さよなら」も共通で、


「サワディー（クラップまたはカー）」


です。


この挨拶も実はタイでは形式的であると言われることもありますが、ワーイ（合掌）とともによく使われる挨拶です。


タイ語のお勉強をはじめて教本を見ますと、欧米や日本と同じような「時間帯別挨拶」が書いてあることと思います。


「アルン・サワット」＝おはよう

「ラートリー・サワット」＝おやすみなさい（※みなさんのコメントにより訂正）


ですね。


ところが、わたしもかれこれ通算３年ほどタイにおりますが、タイ人が「アルン・サワット」という挨拶を使ったのを恐らく「３回」しか聞いたことがないと思います。「ラートリー・サワット」に至っては、タイ人が口にしたのを一度も聞いたことがありません。冒頭で「おおっ！」と驚いた背景はこのことです。


在タイのみなさんどうでしょう？「時間帯別挨拶」を耳にされる機会はありますか？


興味深い事実としては、「アルン・サワット」という言葉を使ったタイ人はいずれも「学生（生徒）」でした。学校ではしっかり習慣づけているのでしょうか？そういえば前述の娘っこのお兄ちゃん（１２歳ぐらいか）が、先日ソイですれ違ったのですが、彼はワイをして挨拶してたらしいんですがわたしは気付かずに通り過ぎてしまいました。すると彼はわざわざわたしの前まで駆けてきて、「Tui兄さん、サワディーカップ！」と丁重にワイをしてくれました。相手が子供ながら、わたしもエラい恐縮してしまいました。


よく使う「サワディー」という挨拶すら、実は非常に歴史の浅いコトバのようですね。


１９３１年にタイでラジオ放送が始まったときに、放送終了のときに使う挨拶がタイに存在しないことから、チュラロンコーン大学の先生がサンスクリット語を引用して作った「造語」が「サワディー」とのこと。それを学生がマネしはじめ、段々一般に広がって挨拶語として定着していったのだそうです。


つまり、１９３１年以前は「タイには挨拶語が存在しなかった」ということになりますね。


挨拶の代わりに「パイナイマー」（どこ行ってきた？）「キンカオルーヤン？」（飯食ったか？）という質問をよく投げられると思いますが、有名な日本人の書いたエッセイに「意味のない挨拶みたいなもんだから適当に答えておけばよい」という意味のことを書かれていました。ですが、タイ人のやり取りを見ていると、ちゃんと「プラトゥーナムで買い物。すごく暑かったー！」とか「そこの露店でムーピン買ってきた。おいしくないけど遠くまで買いに行くのメンドーでね」とか意味のあることを答えてますので、面倒でない限りちゃん返した方がいいとわたしは思います。質問の内容も「今日は奥さんと一緒じゃないの？」とか「しばらくご無沙汰だねー。忙しいの？」など、いろいろバリエーションがあります。


こう考えると、タイではキマリ文句による「形式的な挨拶」よりも、顔を合わせたら「意味のある会話をする」ということで親しさを表現すると言えるのでしょうか？