カテゴリ:タイを知る!
ジョディ・フォスター&チュウ・ユンファ主演の「アンナと王様」という1999年アメリカ映画があります。
実在したアンナ・レオノーウェンズという英国人の手記「英国婦人家庭教師とシャム宮廷」を映画化したもので、1956年には同じ作品から「王様と私」というミュージカル映画にもなってます。 これら二つの映画は、タイでは「上映禁止」となっているのです。原作そのものが事実や史実を歪曲しており、現在でもタイ国民からの絶大な人気を誇るラーマ5世(映画では「皇太子」)の偉業が実はアンナの影響によるものだったという詐話まがいのことが語られていたり、著しくタイの王室に対する「不敬罪」に抵触するというのが理由でしょう。 ワタシが日本でこの映画のDVDを買ったのはかなり前ですが、タイに持ち込んでタイ製のDVDプレイヤーにかけたところ、リージョンフリー機種だったのに「再生できなかった」ことに驚きました。日本製のプレイヤーやパソコンでは問題なく再生できたので、盤の不良ではないと思われます。 もうすぐまたまた引越し(今年何度目やねん!?)が控えているので荷物を整理していてこのDVDを見つけたので、さてどんな作品だったかね?と見直してみることに。 ワタシはご存知の通り「タイ贔屓」でありますし、前述の「不敬罪」がらみもあって評価が厳しくならざるを得ないのではありますが、そういうのを差し引いても「ひっでえ作品やなあ・・・」というのが率直な感想であります。 まずタイ王室やタイ仏教に関する考証がインチキだらけで目に余りますが、それも百万歩譲って(苦笑)、まあこういう映画って欧米のご都合主義をベースとする「ファンタジー」と解釈すべきか・・・。ある女性が未開の国の異文化に戸惑いながら、ナント王様に見染められちゃいました~!という「おはなし」ってことやね。 そこまで「大目に見てあげた」としても、チュウ・ユンファ扮するラーマ4世(モンクット王)がアンナに魅かれていくって展開が無理やり過ぎて、そもそも、ジョディ・フォスターの「アンナ」に全く魅力が感じられないんですよ。 タイに着いた途端に家をよこせとゴネはじめるし、神聖な職場(教育の場)に自分の子供を連れてきて好き放題させる異常な公私混同・・・。異国に来たらその国の文化・習慣を多少なりとも尊重するのがエチケットでしょうに、王様に対して最後までこれ見よがしの英国式儀礼で通すKYぶり・・・。タイ王室の封建的な家族制度に批判的な態度を示しながら、自らは英国の植民地であるインドから召使を数名連れてきて自分は家事をしないという超絶ダブルスタンダード・・・。 これで主役のアンナに共感しろというのは、カナーリ無理があるってもんです。ワタシには単に非常識で傲慢な勘違い女としか思えません。まあアメリカ映画ではよくあることですが・・・ こんなカンジで、特にアンナの人格的な魅力を感じさせる伏線もないままストーリーが進み、ラストには多くの夫人を擁する王様に「そなたひとりを愛する方がよかった」的な有り得ない発言までさせてしまってるし、最後まで「失笑」の連続でありました・・・。 公開当時はまだ「炎上商法」なんてコトバはなかったと思いますが、コレってもしかしてワザとタイ国を怒らせて「上映禁止」にして「話題作り」を目論んだのでは?と勘ぐりたくもなります。 極力タイ贔屓という前提は抑えて評価したつもりではありますが、不敬云々を忘れてエンタメ作品と割り切ったとしても、全くダメダメ。語るに足りない「トンデモ映画」というのが率直なワタシの感想であります。 にほんブログ村 人気ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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