次のページ
切ない人事異動が発表された夜
私は違うメンバーと杯交わす席に出掛けた。
払拭したい思いから逃れるように
それはどうしようもないことで
私はただ見送るしかない術を
もどかしく思いながらも
まんじりともせず、
煽られたグラスにただ応えて
時を笑って過ごすだけだった。
置かれた場所で精一杯咲くしかないのだ。
きっと。
二ヶ月後にやってくる
不甲斐ない状況を
何でもない振りをして
それでも最大限のメリットを引き出すべく
また新しき努力を始める
これが何度目の繰り返しだろうと
生き延びる術はそれしかなくて
子供たちを守るために
最善の選択肢であるなら
歓迎して迎え入れよう。
通りすぎた大きな総合病院の
一階にあるコンビニの灯りの下
その辛い空気を思えば
自分で歩ける人生は
まだ大丈夫。