麻痺
「苦しい」という言葉が
これ程重く、つらい言葉だと
この歳になって知る
今まで
随分幸せだったんだということ
改めて知らされる。
どうしていいのか迷い
良かれと信じたことが
そうではなかったのかと落胆し
きちんとやってきたことが
嘘みたいに報われず
それを不条理と言ってしまえない
誰かのせいにも出来ず
何のための試練か
これだけ越えてきたのに。
幸いなことは
越えてきた経験値が
心を強くして
鎧に守られた
傷まない心になった。
どこか絵空事で
深く傷を負わぬよう
バリヤをはる癖が
必死で働く
意識の外で。
ポジティブなんかではなく
彼女が云うように
それは麻痺て
私は覆われている。
毒薬は使われよう次第。