ヌード
ひょんなきっかけである女性のヌードを見た。かなりの太った女性で、服の上からだとあまり魅力を感じない。でもそのヌードは凄い迫力だった。彼女の美意識の中ではルノアールの豊満な女性がイメージされていたようだけど自分が見たものは、目の感覚や美意識を越えたもの、触感とか、重量感とかそんなものだ。もしかしたら絵では表現できないかもしれない。そう思ったときに江戸川乱歩の小説「盲獣」を思い出した。盲人が多くの女性を襲い、囲い、そのうち殺してしまう。小説の最後に盲人は芸術展に1つの作品を出品する。その作品は女性の体がでたらめにくっついたようなわけのわからないものであり見ていてもちっとも美しくない。ところが目を閉じてその作品に触れてみると、誰もがその素晴らしさを実感できる、、、というものだ。そういう芸術が本当にあったらぜひこの人をモデルにしてみたい。そんな感覚に襲われた不思議な体験だった。