テーマ:美術館・博物館(1558)
カテゴリ:展覧会
昨日から、松屋銀座で開催中の「ターシャ・テューダー展」に行って参りました。
冷たい雨の降る一日だったけれど、会場大盛況!
入り口と出口にターシャの庭の一部が、ガーデナー杉井明美さんによって再現されてました。 場内は写真撮影一切禁止。(ま、当たり前ですが、ちょっと残念。。。) ヒメ林檎の木が立ち並ぶ足元は、忘れな草や花に・、芝桜・ライオンロック・パンダスミレ どれも一斉に花開いていて、春爛漫のイメージ。(ここは入り口付近) 出口の方は、愛用の庭仕事用品と共に、カンパニュラ・ラムズイヤー・デルフィニウム・ ジャーマンアイリス・スイトピー・フロックス・ベロニカ・パーゴラにはクレマチス・・・etc むせかえるような、花の香り。。。♪ 会場ではターシャの愛用品が沢山展示されていて、日常のひとコマを覗き見るよう・・ お気に入りのティーセット・ロッキングチェア・鍋釜類・糸車・こんなに持って来て大丈夫? 本の世界そのままの、ワンピースやキルト(目が凄く細かい!)クロスなどを目の前で見られて、 ともかく感激♪
一歩会場に踏み入ると、もうそこは別世界! ターシャの世界。。
ターシャの暮らしの細やかさ。 土を耕し、種を蒔き、花の手入れをして、料理をし、お茶を入れ、絵を描く毎日。 糸を紡ぎ、バターや石鹸・蜜蝋を作り、セーターを編み・・・生活の殆どを手作りするターシャ。
ターシャを初めて知った数年前、その暮らしぶりに圧倒されました。 57歳で30万坪の庭を耕す生活を始めて、92歳の今も自立した生活を送り・・・ 冬は雪に覆われた世界で、赤いマントを羽織ったターシャの凛とした佇まい。
それだけ広大な庭を管理することが、どんなに大変な事か。。。 庭仕事、ほんのちょっとかじっただけの私でも、想像を絶する思い。 今まで30年以上も手塩にかけてきた庭を、高齢になり手入れが出来なくなる日を考えて、 これから徐々に自然に戻そうと思う、と書いてあったのが、とても印象的だった。 春一斉に花が咲き始めるのも、冬が来てあっという間に枯れるのも好きと云う言葉にも、 彼女の深い愛情を感じる。 手作りの石鹸も、蜜蝋も、生活の為、使う為の物としての存在がはっきりと感じられた。 (日本の雑貨屋さんで売られているような、おしゃれな装飾性は皆無。)
ターシャ手作りの縫いぐるみやマリオネット(お嫁さんの作品も)どれもものすごく興味深い♪ ティーセットも、テーブルカバーも、本当にセンス良く素敵。 暮らしへの愛情が感じられるものばかり。
絵本の原画も展示されていて、これは凄く嬉しかった。 ターシャの絵、大好きです♪♪ 犬も猫も、少女も少年も、誰も皆愛らしく、息遣いが聞こえるよう。 1枚1枚、ジーッと見ちゃいました。 本当に細かい。ため息。 彼女の絵から、動物や子供や暮らしへの、暖かい眼差しと愛情が伝わって来るんです。 絵筆を握ったり、コーギーと戯れたりする小さな少女が、私にはターシャに見えました。 92歳になっても、少女の心を持ち続けているターシャ。 いくら見ていても、見飽きない。
ただね、ちょっと変な気もしました。 ターシャのライフスタイルが日本に紹介されて、大変な反響を呼んで、 こうして展覧会を開けば、大勢の人が押し寄せているのだけれど。。。
実際の今の私達の暮らし。。。 ターシャから程遠い生活。(ま、だからこそ、反響を呼ぶのでしょうが) 一歩外に出れば、世界の最新のブランドショップが立ち並ぶ銀座の街で・・・ なんだかな~。。。という、もやもやした感じ。
出た所では、本やらポスターやら色々なグッズが売られていてそこも大混雑。 (これでも、雨で少し人の足も減ったようなのですよ。前日は、もっとすごかったらしい) 絵本が欲しいな、と思ったのだけれど、ま、今回は心に焼き付けたので、パス。 ちょっと、人に疲れました。(2時間もジッ~と見つめ続けていたんですよね・・・)
せめて自分に出来ること。 「楽しみは創り出せるもの」というターシャの言葉。 毎日の小さな時間を、楽しめる心を持っていたいものです。 物を作る楽しみ、お茶を楽しむ時間、花を愛でる気持ち。 ターシャの暮らしが問いかけてくるものを、忘れないでいようと思う。
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