テーマ:ワイン大好き!(30789)
カテゴリ:ワイナリーへ行って来ました
前回からの続きです。
醸造設備見学の前に、ワイナリーの歴史について少しお話しいただきました。この辺は、日本ワインを愛する会の日本ワイン検定を受験する際に勉強した内容でしたね^^ ただ、鉄道参議官だった小山新助氏がここでワイン作りを目指したのは、鉄道の研究などで行ったドイツのブドウ畑の景色に似ていたからというお話は初耳でした。なるほど、急な斜面や広がる丘陵地帯はモーゼルやラインガウの趣かもしれませんね。技師として招かれたのも、ドイツ人のハインリッヒ・ハム氏だったというのはその辺から来ているのかなと。 醸造設備は残念ながら撮影禁止。重力を利用したジュースの運搬など、流石の設備ではありました。醸造に関するお話の中で印象的だったのは醗酵タンクの小ささについて。敢えて小さいものを数用意し、ブドウの品種や、同じ品種でも出来などブドウそれぞれの個性に合わせた細やかな仕込みをするためだそうで、それが様々なキュヴェや品質につながっているのだなあと。 写真はジュースの入ったタンクです。この辺は撮影可でした。白いのは霜。温度管理も徹底されています。 続いてはセラーへ。ここを含め複数のセラーがあるそうです。 雰囲気ある貯蔵庫です。 こちらには200程度の樽があるとのお話でした。 樽は様々な産地のものをお持ちだそうですが、現在はもっぱらフレンチオーク。やはりアメリカンなどでは甘すぎるそうで、ブドウの味わいを活かすというスタイルには、やや渋みがあっても大人しいフレンチオークの方が望ましいとのこと。ただ、一部のマスカット・ベーリーAには、国産のミズナラ樽を用いています。 こちらは瓶熟庫。古いものでは1966年のワインもありました。こちらは1978ヴィンテージの極甘口。オリの溜まり方が物凄いですね。他にも赤などもありました。残念ながら、こちらのワインは非売品。作り手の方々の、ワインの味わいの確認や参考等のために使われてるそうです。 こちらもバックヴィンテージの貯蔵室ですが、登美など比較的新しいものも。 瓶熟庫の出口には最新の銘柄のディスプレイが。 歴史あるワイナリーらしい雰囲気がありつつ(瓶熟庫のオールドヴィンテージは壮観でした)、新しい技術も取り入れている、流石のワイン造りだなあという印象でした。畑でも、斜面を活かしつつ、草生栽培やビオディナミへも挑戦するなど、いろいろな工夫、試みがなされており、「ワイナリー」というものを堪能させて頂けた見学でした。 さて、その後は勿論試飲です。ラインナップは以下の通りです。メモを取ってありますので、写真の撮り忘れはありますが^^;、また個別に記事に出来ればと思います。 1、登美・白2013 白は登美の飲み比べ。こちら2013は良い年だったそうで、果実の凝縮感と樽の香りを感じました。 2、登美・白2011 2011は冷涼な年だったそうで、2013と比べますと2年古い事もありますが、火打石香なども見えより落ち着いた印象でした。 3、登美・赤2009 赤も登美です!先ずは2009.2008年まではカベルネ・ソーヴィニヨンを50%以上用い、樽も新樽を7~8割という力強さを追い求めた作りだったそうですが、この2009からそこに拘らない造りを志向し始めたそうで、転換点のヴィンテージと言えるでしょう。やはり、一番多いのはカベルネ・ソーヴィニヨンで45%ですが、メルローが35%あります。 メルロー特有のフルーツケーキ香があり、その影響を感じました。味わいはまだ渋み強めかなと。 4、登美・赤1996 続いては1996ヴィンテージ。カベソー多め樽しっかり時代のワインだけあって、たばこ系のニュアンスやウッディさがありました。まだまだ元気です。 5、登美・赤1990 続いては1990ヴィンテージ。これは、底の方でちょっと判別しづらかったので、後の食事会でしっかり頂きました。肉系の雰囲気があったでしょうか。 6、シャトー・リオン カベルネ・ソーヴィニヨン房選り1976 こちらは、登美シリーズ以前の銘柄になります。40年の時を経て、非常にきれいな熟成を見せてくれました。 流石にトップレンジだけあってどれも印象的でしたが、中でもシャトー・リオン1976はちょっと衝撃的でした。タンクはコンクリート、果汁に関してもポンプなどなかった時代という事で意図せず上まで運んで醸造するという重力に逆らわないスタイルになっていたようです。これだけ長熟するというのは、ワイナリーのいい環境で保管されていたとはいえ凄い事だなと。 また、新しいヴィンテージ、特に登美の赤は柔らかい作りにはなっていますが、それでも熟成可能性は感じますし、やはりこのレンジは日本ワインでもしっかり寝かせる価値がありますね。 さて、テイスティングの後は食事会です。続きます。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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