テーマ:ワイン大好き!(30789)
カテゴリ:ワイナリーへ行って来ました
中国地方にも新たなワイナリー設立の動きがいくつか見られますが、昨年に、広島県福山市の、福山駅からほど近いローズナード霞という商店街の中に、福山わいん工房さんがオープンされました。
元々はワイナリーから近い場所にあった串揚げのお店を営まれていた古川さんご夫妻が、シャンパーニュでご修行された経験から、泡ものを手がけるワイナリーを作りたいと一念発起されスタートされたワイナリーです。 岡山から福山へは、在来線でも1時間少々とほど近いことから、一度お邪魔させて頂きたいと考えておりまして、先日ようやく行って参りました。 お邪魔した際はちょうどベーリーAの瓶詰中でした。キュヴェ・ローズという名前で、ブラン・ド・ノワールのスパークリングとしてリリースされるそうです。ポン・フレ・シックというキュヴェを既にリリースされていますが、今後このローズがワイナリーの基本銘柄になるのだとか。750mlと200mlのリリースをご予定との事で、200mlなどは飲みやすそうですね。 しかも、200mlもきっちりその小さなボトルの中で瓶内二次発酵をされるのだとか!シャンパーニュでも、小さなボトルのものは、辞めてしまうか大きなボトルのものを移し替えるかが多いとの事で、手間のかかった1品となりそうです。ただ、200mlは福山バラ祭りでの販売がメインになりそうとの事で、一般にどのくらい出るかは未定です。 750mlと言えば、なんと、ボトルは専用のものを輸入されているとの事。こだわりが感じられます…が、欧州産のボトル、結構出来がまちまちだったり、口の部分が割れやすかったりだそうで、今後は悩み中の様でした。 昨年リリースのポン・フレ・シックは楽天内にもあります。今はお知り合いの酒販店さんに置いてもらっているのが中心だそう。ワイナリーでの小売りもされていないようです。 タンクも沢山そろいます。醸造の際は、やはりシャンパーニュに倣って全キュヴェ瓶内二次発酵なのは勿論、除梗・破砕も行わないのだとか。それも、ベーリーAは勿論、メルローやシラーを用いたものもだそうで、ブラン・ド・ノワールといいつつ結構色がロゼに近いくらいついてしまうそう。ただ、シャンパーニュではそれが熟成すると綺麗な黄金色になるそうで、こちらのものもそういった変化が見られればいいですね。 また、除梗・破砕が向かないものもあるそうで、ソーヴィニヨン・ブランなどはかなーりピーマン香が出てしまったとの事。 流石スパークリング専門ということでこれがあります。動瓶も手作業です。 ワイン達が出荷の時を待っています。酒石酸を抑えるCMCを使ったものと、使わずに長く寝かせて抑えたものの2種類の同時リリースをお考えだそうで、是非飲み比べてみたいところ。 やはり、しっかり寝かせてから出したいという事で、行く行くは3年位寝かせてリリースするようなキュヴェも出したいそうで、 ワインに使用するブドウは、基本的に福山市蔵王町と瀬戸町のものになるそうです。樹齢も50年60年のものがあり、ベテランの農家さんがいらっしゃるそうで、購入は農協を通す事にはなるようですが、色々と生産者さんに要望をすることもできるとの事。こちらは、その2地域のものではなく、世羅産のもの。 その他、福山から2駅ほどのところにある大門という土地に自社畑も所有されていて、農家さんがやっていない、ピノ・ノワールやシャルドネといったブドウに挑戦されているそうです。畑の規模は、ちょっとずつ増やしていきたいようでした。畑にはモグラが多いそうで、モグラが結構土地を耕してくれるのだとか。 ワイナリーの2階にはワインバー・ヴィニコルも。福山わいん工房のアイテムは勿論、他のもの、例えば岡山のドメーヌ・テッタのものなどもご提供くださるとの事。ただ、営業は不定休、夜も9時くらいまでとの事で、営業状況はフェイスブック等で要確認です。 ワインバーの隣の部屋は樽庫となっており、ワインバー内から見ることもできます。樽は全てフランス産。 澱抜き後の補充用のワインと、少しだけコトー・シャンプノワ的にベーリーAのスティルワインも手がけていらっしゃるようです。補充用のものには、結構しっかり目に樽を掛けているとの事。また、スティルの方もですが、基本的に補糖(二次発酵に必要な分は除く。そちらも酵母でキッチリ食い切るようですが)、補酸は行わないそうです。 こちらでは、広島県産のリンゴを使ったシードルも手がけておられ、シードルの方ではどうしても必要な作業になってきますが、ワインでは、酸のほとんどがリンゴ酸のリンゴとは違い、複雑に色々な酸がある以上そのバランスを壊すようで特に補酸はしたくないというお話でした。 あと、ここにある樽では、福山わいん工房に醸造指導として入られている、12月の中国地方のワインの会in東京にお越しいただいた、三次のVinoblevineyardの横町さんのワインも一部仕込み中との事。 樽の横には動瓶中のボトルが。ただ、これは見学用です^^。シャンパーニュでは動瓶は1回45度くらいで1日1回しかしない、という話がよくあるが、そもそも数が多過ぎて物理的に1回しか出来ない、といったようなお話や、檻の沈殿は意外と早い、といったようなお話を伺う事が出来ました。 澱がたまっているところもしっかり見られました。 他にも、委託醸造を受けてないわけではないものの、ご自身もまだ勉強中である、ただ、いずれは、北海道の10Rワイナリーさんほどではないにしろ、委託をより受けるというようなこともお考えにないわけではないといったようなお話や、マスター・オブ・ワインのネッド・グッドウィン氏にお会いされた際、先ずは酸化防止剤などもキッチリ使った、ベーシックな作りを学ぶべき、それを身に着けたうえで、自身で必要のないと思うものを省くなら省く、違う事をやる、という手順を踏むべきとアドバイスされた、といったようなお話をお伺できました。 ベーリーAのブラン・ド・ノワールは、個人的に面白そうだなと思っていましたので、是非飲んでみたいところ。また、今後いずれリリースされるであろう、シャルドネやピノ・ノワールのものも興味深いですね。 情熱を感じさせつつも、物腰柔らかにご対応いただけ大変楽しい時間を過ごせました。スパークリングメインのワイナリーというのも珍しいですし、中国地方では貴重な都市型マイクロワイナリーというのも新鮮。是非、頑張って頂きたいですし、これからも注目していきたいと思います。 今回はありがとうございました! にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年02月24日 01時33分41秒
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