墨田の桃
朝、なんだか騒がしい。「モモ」 「アリ」 「落ちた」という言葉で目が覚めた。どうやら、家の前に桃の木を植えているのだが、今朝の台風の影響で、その桃が落ちて、落ちた桃にアリが集まっていたとのこと。家を建てたときに、子供1人に1本づつ実のなる木を植えていた。長男は巨峰、三男はミカン、そして桃は次男の樹。ということなのだが、その次男の桃が、今年は3個も生っていた。この桃の木、去年はまだ小さくて細い枝ながら大きな実を1個だけつけていて、そろそろ食べようと楽しみにしていた。大きくなった桃を見ていると家の前の露地を通る人が、話しかけてきて、何かと話が弾んでいた。ところがある朝、枝が折れて、ちょうど赤くなった桃がなくなってしまったという悲しい歴史がある。そのことを人に話すと、桃を4つ持ってきてくれた人がいたり、小さな桃の木があるだけで思いがけない交流が出来たりしたのだった。そんな桃、今年は、何とか食べたいと思っていたところ、今朝の台風で落ちてしまったのである。でも、アリから桃を取り上げ、洗って食べてみると。甘くて、しかも、みずみずしい。とってもおいしい桃だった。