[中国語]の記事一覧 | 北京五彩繽紛～Colors of Beijing

言葉の共通項

今日学校に行ったら、久しぶりに会った韓国人の顔見知りの女の子に「まだ学校来てたの？」と言われてしまった。ええ、まだ来てるんです。一応勉強する意思はあるのです。（＾-＾;）授業中、先生が紹介した、ある韓国人学生の口語の学習方法を聞いておやっ？と感じた。違和感を覚えたのではない。深く同感したのだ。話によれば、その学生、北京に来て半年というのに、中国人と発音がほぼ変わらなかったという。本国で５、６年、専攻で勉強していたのかと思っていたら、学習歴は２年程度、それも週１回カルチャーセンターのようなところで勉強したに過ぎないと言う。どんな秘訣があるのか？先生は気になる。やり方を尋ねた。彼の説明はこうだった。彼自身は教室の隅の座席に座り、一方の対角線上の隅に先生が座る。小さな声では当然聞こえないから、大きな声を出さざるを得ない。発音がむちゃくちゃだろうが、文法がしっちゃかめっちゃかだろうが、とにかく大声でしゃべりまくる。そうしているうちに話すのが怖くなくなった、発音も標準に近づいたということらしい。これを聞いた瞬間、私はあることを連想した。声を出し、表現力を高めるなどの、パブリックスピーキングのための練習のひとつである。部屋の隅に自分の好きな人の写真を置いて、自分は反対側の隅から毎日、新聞のコラムを読み聞かせるという方法。実は、これについては既に北京のフリーペーパー「留学生トコトコ」の８月発行分の連載として、この前入稿済み、掲載予定になっている。なんて偶然…。ということで、その時期北京にいらっしゃったらご参考までにどうぞ。言葉は”伝えるためにある”存在。言語を学習するのも、役者が発声練習するのも、中国語でも、他の言語でも、伝えるための磨き方はそんなに変わらないのかもしれない。感情や思いがあって生まれ出た道具なのだし。感情や思いのない人間もいないはずなのだし。

豚角煮と、コーラと、”把”構文

私の作る豚角煮は素人が作るわりにはいい線いっている。鹿児島風の作り方で、日本にいた頃は肉の臭みと脂を抜くのにおからを使っていたが、こっちでは手に入らないので、豆乳を代用し五花肉（豚バラのブロック）を煮ている。料理酒と黒砂糖も手に入りにくいので、これも代わりにコーラもしくはスプライトを使っているのだが、調味料として使うと恐ろしい事実に気がつく。異常に甘いのだ。一体どのくらい砂糖を入れたんだい？大匙何杯分？と、思わずガチャガチャ頭が動き出す。この国で外食すると、しょっちゅうコーラと鉢合わせる。マクドナルドのセットメニュー然り、KFC然り。中華料理系のファーストフードチェーンでさえ、時に１リットルサイズのペットボトルとご同席。日本人として驚愕なのが、あの吉野家で牛丼を頼んでも付いてくるのは、コーラである。この取り合わせに当初は眉をしかめていた私だったのだが、恐ろしいことに時間が過ぎ行くにつれ、このミスマッチを受け入れる寛容さを身に着けていた。そして北京に渡って数ヶ月のある日、自らの体が人生最重量を記録していることに気がついた。「北京人の5人に１人が肥満」というのは、現地では既に周知の話である。このままいくと私も追従は必至だぞ。そこで私は考えた。「せめて吉野家くらいはコーラではなく、スープに替えてもらおう」。そう、カウンターで言いさえすれば、コーラはスープに変えられるのだ、“中国語で”言いさえすれば。では、しかし何と言うのだ？“能不能把這個可楽換成碗湯？”（このコーラ、スープに変えられますか？）中国人の友人に尋ねた結果、こうだと判明した。ご覧の通り「“把”構文」である。この時期どういうわけか、“把”を使わざるを得ない状況に直面することが連続した。“把日本文翻訳成中文”（日本語を中国語に翻訳する）、“把插頭插到插座”（プラグをコンセントに挿す）、“従浴池用水管把水放到洗衣機”（ホースを使って水を浴槽から洗濯機に移す）…。この怒涛の「“把”構文」襲来が、結果、肥満一直線から私を救ったのだった。コーラ浸りの日々からの脱出に成功できたのである。あれからさらに数ヶ月、今でも当然、吉野家に行くと“把”を使っている。コーラと吉野家は、私が“把”をマスターするためのマストアイテムであった。そんな記憶が突如今日、豚角煮を作っていたらよみがえった。ということで最後一言。中国在住ダイエット志願のみなさん、“把”、使ってください！

北京五彩繽紛～Colors of Beijing

[中国語] カテゴリの記事

言葉の共通項

豚角煮と、コーラと、”把”構文