風の中の約束・・・松丸りぼん
風の中の約束*松丸りぼん*文芸社今回はあらすじは無しでございます。なぜなら、この物語は物語ではなく実際にこの本の中の人生を歩んできた【母ちゃん】の手記だから・・・何でもできる、何でもがんばる明るく人付き合いのよい娘さん【幸】さん。そんな幸さんの人生の歯車がある日突然かみ合わなくなるもちろん人生はひとりのものではないので当然周りの人々の歯車もかみ合わなくなり始める二十歳を過ぎた頃に幸さんは手術が必要なほどの大病を患うその後今で言う引きこもり状態になり仕事を続けられなくなり更に人生の悪循環は続く病名は【自律神経失調症】から【境界性人格障害】へと移り変わり幸せな輝くひとりの女性が我を忘れて、自身で己が命を痛めつけそれこそ坂道を転げ落ちるようにかみ合わなくなった歯車がはじけ飛ぶ・・・そんな娘さんをただひたすら見つめ・守り・ともに歩む母親の手記壮絶でした、涙もにじみましたもちろん手記なので普通の造られた物語と違いすばらしいエンディングや感動のラストシーンましてや心温まるエピローグがあるわけでなく昨日から続く人生を明日につなぐただそれだけのものそれでもできるだけたくさんの人に読んでもらいたいなぁと思えるそんな本でございますのよ今、人生に何事もなくただ惰性だけで過ごしてる方々にはこれほど壮絶な、でも持てる力の全てをかけて生き抜くそんな人生があると言うことを知って欲しい。今、人生に疲れて明日への希望なんて何も無いね、と言う方々にはこれほど過酷な、でも決してあきらめない倒れても倒れても立ち上がるそんな人生を生き抜く人がいることを知って欲しい。幸さんの言葉の中に「お母さんより長生きするわ」と言うものがある・・・大きな感動ではないがググッとワタクシの胸に迫るものがあった。そういえる娘でありたいそして、そういわれる母でありたい。ちょっと立ち止まって自分の人生を見つめ考えさせる本でした。