HABITA
「HABITA200年住宅」というこれまでの戸建住宅と一線を画した、新たな構造体による高耐久、高寿命、低コスト住宅が誕生しました。発案者は三澤千代治さん率いる「MISAWA International」3年間の実証実験を経て、10月1日センセーショナルにプレス発表されましたからご存知の方も多いと思います。そんな三澤さんと昨日11/12、今年の春見学させてもらった「沖倉製材所」でお会いする機会があり、「HABITA」について考えておられる壮大なスケールの構想についてお聞きすることが出来ました。曰く、わが国の住様式はおよそ400年スパンで大きな変化を遂げてきた歴史がある。0年→竪穴式住居 400年→病気に対抗するため「高床住居」 800年→大陸の文化が入って「寝殿造り」 1200年→戦国時代に入って「武家造り」 1600年→平和が訪れ「数奇屋造り」 2000年→地球環境問題の深刻化→「HABITA200年住宅」に行き着くというシナリオです。一言で言うと「大量消費時代からの脱却」。つまりこれまでの「家電」のような家づくりではなく、いいものを長持ちさせる家づくりということになりそうです。木造住宅は歴史的につくり方次第で長持ちする。余計なものを省いて構造体をしっかり造れば200年は十分に耐えられるというんですね。これまでの住宅で使用されている木材の総量は10~15立米/棟ですが、HABITAでは20立米/棟と約2倍の木材を使用。木材は「地産地消」ならぬ「地材地建」を徹底することによって流通コストを削減し、原価32万円/坪、工務店経費20%を加えても売価で40万円/坪を達成するという話です。家は、提携建築家と工務店の全国ネットワークを組織化、地元の家は地元の木と工務店で建てるというコンセプトは夢見隊のコンセプトと相通じます。MISAWA Internationalは何をするのかというと、木材の調達と集成加工、プレカットして現場に納品するだけだそうです。ネットワーク型の新しい組織をイメージされていてその組織化はまだ始まったばかりとのこと。夢見隊との共同事業化の話もさせていただくことが出来ました。ということで、今回地元多摩産材を扱っている沖倉製材所の見学と相成ったわけですが、しかし、三澤さんと会って驚いたのは、老いて益々盛んということ。ミサワホーム創業以来、社長自ら汗をかくということで評判の人でしたが、今も健在でした。3年前にミサワを退職されてからどうされているのかなーと思っていたら、地球規模で物事を発想し、わが国の住文化に一石を投じようという今回のHABITAプロジェクトを温めていたのですね。多摩産材を使ったHABITA1号が多摩ニュータウンに誕生するのもそう遠くないかもしれません。追記:三澤さんは桜ヶ丘団地にお住まいで、そこに三澤さんの自宅があるということは、桜ヶ丘に住んでいた頃からよく知っていたのですが、桜ヶ丘ではなくあきる野市でお会いすることになろうとは。気さくな方で「今度あそびにいらっしゃいよ」とうれしい言葉をかけてくれました。人の縁というものは奇なるものです。