カンボジアあれこれ。その1
今回は5日間のカンボジア旅行。しかもシアムリップのみ。だから充分に集中して楽しめた。初日はアンコールトム。Bayon Temple,RoyalEnclosure,Phimeanakas,Elephants Terrace,Terrace of the Leper Kingへ。最後はPhnom Bakhengでサンセットを見る事に。遺跡の天辺から日没を楽しむ。なんて贅沢な事が出来るのだろうかと胸が弾んだ。タイはピピ島で見たサンセットも素晴らしかったけれどここからの光景も壮大。ありきたりな言葉だけれど「人間なんてちっちゃいもんだ、、、」と。2日目はアンコールワットとアンコールトムへ。あまりの壮大さに厳かな気分になる。人間の偉大さ、聡明さに感動。800年、900年も前にこんなに生き生きと詳しく、生活の様子、戦いの様子を彫刻していたなんて考えられない。しかも素晴らしい技術。おまけに建築技術も素晴らしい。一体どうやって積み上げ、どうやって石を切り崩したのだろうか?クメール人はアーティストだらけだったのだろうか、、。感動で口を開けっぱなし、ため息つきまくり。そして夫は気が狂ったように写真を撮りまくっていた。しか~し!残念な事に、こういう場所でタバコを吸ってそれをポイ捨てしている人の多い事。私が見た限りアジア人ではなくヨーロッパや欧米人に多い。吸うなら捨てるな!捨てるなら吸うな!私達はちゃんとポケット灰皿使いました。世界遺産の敷地の中でタバコが吸えるって言うのも納得できないんだけれど、、。皆さんどう思われますか?それと物売りの凄い事!子供も大人もたかるように、がわああああ~!っと囲んで、あれ買えこれ買えと。かなりの恐怖を感じました。マジ怖かった。数人ほど、真剣に怒っている白人の方々を見ましたが、あの人達も結構怖いって思って大声を上げていたりしていたのかも。彼らが怒る気持ちは良く分かった。本当にげんなりする位の「買って~」攻撃。でも、カンボジア経済に貢献する為に、私達はアンコールワットについての歴史本を買いましたよ~。我が夫の本10米ドル。言い値で買っちゃったお馬鹿さん。私も「10ドル!」って言われたけれど「2ドルじゃなければ買わない~」って行ったらあっさり2ドルでOK!何で?ど~ゆ~事?あなた達にはビジネスと言う観念がないんですか???(笑)実は、私はガイドのクンシアさんから「本なんかは大体2ドルですよ~」ってちゃんと聞いておいたんだもんね~。うっしっし。6,7歳の男の子が「マダ~ム、これ、10枚で3ドル!」と絵葉書を見せる。「要らない」と言うと、「マダ~ム!じゃあ1ドルで良いよ~」おいおい、、。いきなり1ドルかい???(爆)でも、「お金ないからごめんね」と言ったら、「OH、、、NO MONEY、NO HONEY!」ときたもんだ。思わず「何処で覚えたの~?」と笑ってしまった。しかも、彼ら子供達は無茶苦茶頭が良い。先ずはターゲットを決めたら「何処から来たんですか?」と流暢な英語で聞いてくる。英語がしゃべれないって言えば大丈夫だと思って「ジャパン」とか「コリア」「チャイナ」とか言ったら、すぐに日本語、韓国語、中国語で商売が始まる。彼らは数ヶ国語対応できるのだ!!!恐るべし!そうなったら言い訳は効かない。各言語でしっかり商売を始めるのだから。逃れられない。私が聞いた言語は、英語、フランス語、スペイン語、ロシア語、中国語、韓国語、日本語。観光客の話を聞いて覚えるらしく簡単な日常会話なら何ヶ国語も話せる子供が多いらしい。私、この経験を活かし、最後に勝ちました。「マダ~ム何処から来たの?」よ~し来たあ~。「パプアニューギニア*%&^$ヴィレッジ(架空の名前)よ!」さすがにその男の子黙っていた。でもこれ、私のような色黒女でなくては通用しないかも、、。3日目は4時半に起床してアンコールワットへ日の出を見に行った。電燈が一切無い暗闇の中を、懐中電灯で足元を照らしてもらいながら転ばないように必死に歩く。空は満天の星。凄い数。今にも星が降って落ちてくるような感覚になる。思わず手を伸ばしたらつかみ取れそうに思える位に近く感じる。もしかしたら天国に一番近い所にいるのかも、、と。以前ニュージーランドで見た星に感動して今までで一番綺麗な星空だったと思っていたが全く引けをとらない。まだ人影はまばら。ガイドのクンシアさんは心得ているので絶好のタイミングで私達を連れてきてくれたよう。一番良い場所を確保できた。5時半を過ぎると凄い数の観光客がワラワラ集まる。おまけに「コーヒーは如何ですか~?」と歩いて聞いて回る屋台のお兄ちゃんも沢山出没。商魂逞しい。6時20分日の出。思わず合掌してしまった。あまりの美しさに、気が付くと涙がはらはらこぼれ落ちていた。サンセット、サンライズ、そして星を見に来るだけでカンボジアに戻って来たい!そしてその価値は充分にある。で、この日はクンシアさんにもお休みをあげて私達も二人で何もしないデー。プールサイドでゆっくりと読書&水泳を楽しんだ。彼も久し振りに休める(しかも、ガイドのツアー料金は貰っているのだ!嬉しくないはずが無い)ので、大喜びでを握られ「サンキュー、サンキュー!これから友人達とおしゃべりをしに行きます」とツーステップで車に戻って行った。藤沢周平著【蝉しぐれ】読み終わる。夕方からトゥクトゥクで市内をウロウロ。1回乗って2ドル取られる。結構良い商売だ。高すぎ!因みに、クンシアさんは学校で歴史を教えていた先生だが、その時日給は1ドル。これ時給ではありません!日給です。(5,6年前の話)生活が出来ないし、安い給料なので自分の子供達にも教育を受けさせられないので辞めて、自分で独学して英語をマスターし、専門のツアーガイドになったそうです。今でも仕事の割りにお給料が安い為、学校の先生はなり手が少ないと言う事でした。現在長男は大学生、次男は高校生、長女も大学生。みんな英語は話せるそうです。娘さんは日本語も勉強中。奥さんはマーケットで1年中仕事をして、クンシアさんは1年に4ヶ月程観光客の多いハイシーズンしか仕事が入ってこないそうなので、後の8ヶ月は主夫&畑仕事をするそう。笑えるような笑えないような話でした。「とにかく、子供達に教育を受けさせたいので必死にお金を稼がなければなりません」と何回も言っていました。4日目はシアムリップから70キロ北へ。Kulen Mountainと言う国立公園へ。車で2時間位かかった。クンシアさんがそこで食べるランチと超ギンギンに冷えたビールを用意してくれていた!!!ビール大瓶5本、水3本&4人分のランチ(サンドイッチ、ご飯、BBQチキン、きのこの缶詰と味付けたけのこの缶詰2個で5ドル支払いました。ランチはwater fallのすぐそばにある高床式の3畳くらいの広さの板で出来た掘立て小屋みたいな所で。なかなか気持ち良い。どの小屋も観光で遊びに来ているカンボジア人で大賑わいだった。地元の人達が集うローカルな場所。Lingasと言う温泉の源みたいに水がボコボコと音を立てて、底に見える砂が渦巻いている場所へ。そしてアンコール時代に作られた彫刻が施された石が川底に貼り巡らされている。川に入り水を浴びてマイナスイオンをガンガン体に補給した。空気は澄み、肺いっぱいに綺麗な酸素を入れる。カンボジア人達にとって聖なるお寺へ。名前は失念!大きな岩の上にお寺が立っている。お寺の周りには沢山の屋台のようなお店が犇いている。食べ物や、御土産や、野菜等を売っていた。そしてお寺のましたには体調3メートルはあろうか巨大な蛇が寝そべっている。(守り神なのか?怖すぎる~)そして、ここにはreclining Buddhaがいらっしゃる。(その名の通り、涅槃像)靴を脱いで階段を上りお寺に入る。両方の目の中にはエメラルドが。思わずエメラルドばかりに目が行ってしまう私、、。煩悩の固まり。ここに住んでいる子供も大人も、犬も猫も貧しい。皆痩せている。でも、シアムリップの子供達とは一寸違った。物乞いする子供はいない。観光客に興味があるらしく、気が付くと後ろにずら~っと並んで、私達と一緒に歩いている。学校とかは行っていないのか?着ている物もボロボロだし、はだし。お風呂なんて川で水浴びしておしまいなんだと思う。とにかく住まいが凄い。ビックリした。家は木、屋根は葉っぱで出来ているのだが素晴らしい作り。しかも使っている葉っぱは火をつけても燃えない葉っぱ。試しに燃やしてみたが、本当にすぐに消えてしまった!凄い知識。貧しいから、金持ちだからなんて関係ない。貧乏だから可哀想って言う観念はここでは通じない。皆、一生懸命生きている。人を騙したり、利用したりしては生きていない。皆協力し合って生きている。じゃなければ生きていかれない。兄弟が面倒をみあい、隣同士が協力し合い生きている。皆、目が綺麗だった。笑顔が眩しかった。活力のある目だった。電気が無くても、水が無くても、自然の恵みを受けて、適応して住んでいる。お日様が昇ったら起きて、おなかが空いたら食べて、生きていく為に畑を耕し、木を切って、実のなる取って、物を作って売る。お日様が沈んだら寝る。都会に住む私達にとってはこんな贅沢な時間の過ごし方は不可能だ。そう言えば、病気になる人が凄く少ないって話を聞いた。たかだか5日間の旅で偉そうに薀蓄を言うつもりはないけれど、私が素直に感じた事。こんな生き方をしている人達がいるって知った事だけでも新鮮な学びだった。何がいいのか悪いのかなんて私には判断出来なかった。この生活をしろと言われて出来る自信は100%ない。でも心の底で、でも嫌なんじゃない!って思う自分がいた。