ネット情報の活用法 その1533
ギターの神様ジェフベックが亡くなった。エディヴァンヘイレンに次ぐエレキギター界のレジェンドの昇天である。エレキギターのレジェンドといえば、ジミヘンにはじまり、ヤードバーズの3大ギターリストたちが、大きな流れをつくった60年代~80年代のロックミュージックシーンが最盛期であった。 これらレジェンドたちは、後のギターリストに何らかの影響を与えた神々である。 ジミヘンの素晴らしさは独特なエフェクターのディストーションサウンドが有名で、そのサウンドは、白人ブルースギターリストのスティーヴィーレイボーンに引き継がれた。レイボーンは若くしてこの世を去ったが、カッコいいブルースサウンドを奏で確立した。 レイボーンの痺れるブルースサウンドは80年代のブルースの象徴でもある。 ブルースをロック化したのがエリッククラプトンといわれ、ジャズフュージョンをロック化したのがジェフベックといわれた。 ジミーペイジはリズムアンドブルースバンドの象徴といわれた。 そして、3大ギターリストは、エレキギターの象徴でもあり、クラプトンはストラトキャスター、ジミーペイジはレスポール、そしてジェフベックはテレキャスター。 クラプトンは晩年になってアコースティックギターと黒人ブルースの巨人たちとのブルースセッションの、やや地味で、老熟というギターリストになりながらも、まだまだ現役で活動している。 これら伝説のギターリストのなかで、特に多くのギターリストに影響を与え、よく尊敬するギターリストの名前を出されるのが、ジェフベックで、特にスティーヴルカサーは度々ジェフベックの名を出し、その伝説ぶりを語っている。 ジェフベックのコンサートを見に行くと驚かされるのが、他とは違う観客層の違いである。他のコンサートでは見られない濃いディープな、一種独特のジェフベック教とでもいえる、宗教的な観衆なのである。宗教というと画一的に思えるのだが、ジェフベックの場合は、多様多彩の、ちょっと他の集いとは全く異なる一種厳粛な雰囲気をも醸し出す不思議さをもっている。 一言でいうなら、アーティストの共演、という感じなのである。 つまり、ジェフベックは観客もアーティストばかりで、あの井上陽水も見に行って、ジェフベックの下手巧さが凄い、と言っているくらい、色々なミュージシャンから影響を受けた、と名前が挙げられる。 ミュージシャンにインパクトファクターがあるなら、間違いなく高得点が与えられるだろう。 ジェフベックの曲は全体を知らなくても、一部がCMソングなどに使われ、クラッシックでいうモーツァルトみたいに、この旋律、どこかで聞いたことがある、という風に、お馴染みである。 ジェフベックの曲は、曲名というよりも、アルバムの何番目、もしくはあの旋律という感じで、記憶しているので、曲名はあまり覚えていないが、個人的には、ブロウバイブロウのなかのスキャッターブレインが全体的に好きだが、その時の心境により、好きな曲が変わる。 ジェフベックの曲の多くがインストゥルメンタルなんで、曲調が詩になっている感じなんである。 歌詞がついているのもあるが、本人が珍しく歌ったのもあるが、どこかベックらしくなく、ロッドスティワートが歌うと、ロッドの曲になってしまい、ベックらしくなくなる。 つまり、ベックは曲自体が歌詞なんである。音楽で詩を書いている。例えば、スキャッターブレインは、まるで、冬の荒々しさというか、心から出る悲鳴のような、そしてなんらかの葛藤のような、そんな言葉を奏でている感じがする。 音楽を聴いているのだが、心が動かされるというか、耳で聞くというよりも、心で聞いている感じがする。言葉を脳で解析する手間を省いて、音そのものを言葉にせずに、そのまま心に、感情に届かせている気がするのである。 つまり、感性、特にギターリストの感性に刺激を与える曲調なのである。 だから、多くのミュージシャンやアーティストに影響を与えているのだろう。 今思うと、最もオカルト的なギターリストなのかもしれない。合掌。