干支のはなし
TVの再放送の「電車男」をみていて、「運命が記されている真珠が何処かの世界にある」という科白がでてきた。勿論、ドラマは、これを物質的な真珠のブラックパールという意味で捉え、南国の島にあるものとしていたが、本意が堕落し、伝説化すると、このようになるのだろう。 神秘学で考えると、この意味は明らかである。運命はおろか全てが記されている真珠とは、恐らくアカシャ年代記のことだろう。アカシャ年代記は、デーヴァ神界(天国)にあるといわれている。その下位のアストラル界でも、アカシャ年代記は読むことができるが、アストラル界では陰を読むことになるので、実際は亡霊や幻を読んでいるにすぎないという。 だから、アカシャ年代記を正確に読むには、デーヴァ神界にまで達する必要があるといわれている。これをホワイトパール、つまりアカシャ年代記を陽に読むことができるといえるだろう。 つまりは、ブラックパールとは、このアカシャ年代記をアストラル界で、陰(黒)に読むことを意味するのだろう。アストラル界とは、人間の魂と同じ性質をもつので、我々は、人間同士の心(魂)のやり取りから、代替的に、このアカシャ年代記(運命)を読むことが可能なのである。 ちなみに、真珠は、貝の傷(異物)を克服することから生まれるので、運命は自らの傷(異物)を克服したことから生まれるという意味にとれる。 ここに、カルマの法則がみえ、カルマとは、前世の傷(異物)であり、自己とは、その前世の傷(異物)を背負った存在といえるわけである。魂は絶え間ない浄化の永遠性を追求しており、浄化できないものを、来世の傷(異物)、いわゆる浄化できなかった異物の核として残すわけである。 我々は皆、異物を含んだ貝である。異物から真珠を生む作業が人生であり、そのプロセスが、デーヴァ神界、つまり天国に記されるのである。 だからして、キリストは、「富を天に積みなさい」といったのである。 さて、話しは少し変わって、本題の「干支」について話したい。 上述したように、運命とはカルマの法則からなる一種の法則である。化学や物理法則と同じように、水素と酸素を2対1で混合すれば、水になるというかのごとく、また、電子を動かせば(電気を流せば)、周囲に磁場が生じるかのごとく、これらと同じ意味を表すのである。 ただ、これらの現象には、抽象的な名前がつけられて物質的に分類されているから、理解できるものとなっているが、カルマの法則や運命の法則には、物的な名がなく、いわば、霊力と一概に呼ばれているのである。 そのような命名がなくはなく、いわゆる干支がその一種であるといえる。 さて、この干支であるが、干と支からなっている。干は幹、支は枝という植物という生命体の象徴学から来ているが、また干を天、支を地、更には干を陰、或いは女、支を陽、或いは男として捉えてもよいだろう。 三位一体の表記でかけば、自然と人間摂理(干、支)となるだろう。 昨年は、丙戌(ひのえ、いぬ)であった。丙は、力が盛んになり、衰えはじめる理を意味し、戌は、末梢的煩雑さ、複雑さ、過剰の理を説くものであるという。 つまり、昨年は、あまりに複雑化すると、力が衰え始めるので、単純化し、原点に戻ってエネルギーを回復させなければいけなかった年といえるだろう。なによりモラルが特に問われる一年であったといえる。 代表的な漢字一字が、「命」であったのも、人間が生命体という原点に戻って考えるべき事象や現象が頻発したせいであるともいえるだろう。 では、今年の丁亥(ひのと、いのしし)であるが、丁は、上と下が対等に相対するという理で、勢力均衡の理であるという。そして、亥は、核という意味もあり、恐らく核兵器に対して、なんらかの均衡作用が働くものと思われる。更に、亥は、男女が相対し、子を孕むという意味もあり、巨大なエネルギーを表すという。 だから、今年は、新旧の勢力が対峙し、些細なことから、猪のような爆発、暴発が生じる年だといえる。 では、丁度同じ干支でいう還暦(60年)前の1947年を振り返ると、以下の出来事があったという。ウィキペディアから抜粋。 できごと 2月28日 - 二・二八事件(台湾)勃発。 3月29日 - ヘクラ火山(アイスランド)が大爆発を起こす。 5月3日 - 日本国憲法施行 5月8日 - 福音電機株式会社(現:パイオニア)設立 6月24日 - ケネス・アーノルド事件、UFOの日 7月1日 - 公正取引委員会設置。 7月2日 - ロズウェル事件 7月3日 - GHQが財閥解体の一環として三井物産・三菱商事の解体を要求。 7月4日 - 旧日本海軍所属航空戦艦『伊勢』解体完了 8月4日 - 最高裁判所発足。初代長官に三淵忠彦が就任。 8月15日 - インド、パキスタンを分離し独立 9月18日 - アメリカで国防総省(ペンタゴン)と中央情報局(CIA)が正式に発足 10月14日 - アメリカの『ベルX-1』が水平飛行で音速を突破 11月20日 - 任天堂設立 11月29日 - 国連総会でパレスチナの分割案が可決(国連決議181号) 11月30日 - 旧日本海軍所属航空母艦『葛城』解体完了 エンツォ・フェラーリが小型スポーツカーを作る。(現・車会社フェラーリの始まり) 国際標準化機構 (ISO) 設立 とくに注目なのは、日本国憲法試行であろう。そして、旧勢力は解体され、新勢力が発足する出来事が多発しているのである。とくに、国防総省と中央情報局という陽と陰の世界的軍事機関や、得体の知れない科学技術、巨大なエネルギーのマシンの発明が相次いで起こっていることに気がつくだろう。 そして、その結果として国連総会で、パレスチナの分割案が可決されているのである。是は将来戦争を国富の原則として発動する20世紀という戦争時代の前触れであっただろう。 このことを鑑みると恐らく、今年、日本国憲法が、改正されるかどうかは、アメリカの新たなる核戦略や、もはや古くなった戦争のシナリオでしか潤えない不良債権と化した国防総省や中央情報局の解体と、新たなる世界的情報機関の創設にかかっているものと思われる。 もはや、時代は、情報戦略や戦争の時代に突入し、激しい文化闘争の時代へと前進していくのであろう。そのなかから、治癒的な反作用として、精神的な躍動、運動が浮上してきて、心の時代が到来するような予感がする。