◆花びら舞う坂道を。
とりあえず、気持ちの整理も兼ねて、この間書き残したところを含め、もう一度最終回感想なんかを。(無駄に超長いです…;)冒頭に玄関先に座りこむ慎。茜色の背景は美しいけど、どこかさびしい雰囲気です。愛犬を亡くしひっそりと独りで泣く兄ちゃんが切ない…。何時も独りでいたのかな。 えーこ姉ちゃんも、本当に何時もこんな風に一緒にいたんだなぁ。でも、なかなかうまくいかないよ。離れないでそばに居るのは。えーこ姉ちゃんってどの場面でもそんな感じだったっけ…。 そこがまたあの二人の悲しいところなのか。多分、初めて出したペルソナに怯える兄ちゃんに、思わず駆け寄る慎が「らしく」ていいな。兄ちゃんの泣いてる姿を見ている時からも、その表情から兄ちゃんへの気持ちが伝わってくるようだった。兄ちゃんがあんなにも慎のことを想うのは、兄ちゃんの性格もあると思っていたけど、兄ちゃんが孤独だったせいもあるのかなと、この間フト思いました。絶えず独りきりで(えーこ姉ちゃんもいたけど)寂しい思いをしていた兄ちゃんに弟が出来て、両親が帰ってきて、今度は両親が居なくても、もう独りじゃなくなって。嬉しかったんじゃないかなと。慎がもしかして、小さい頃の兄ちゃんの支えになったのかもなぁ。どんなにか慎を可愛がったことだろうか。この回で兄ちゃんが独りなのを見て、ちょっとそうなのかもって思い返したりしました。歩道橋のシーンは、前回の真田さんとの対峙に、正直続きがあるとは思ってなかったから、なんだか意外だったです。ペルソナって前回の場面を結構すっ飛ばしたりしてたから。(笑);でもここで、真田さんが考えていた兄ちゃんの目的が聞けました。慎に言いかけてたことがこれだったのかな。 真田さんも兄ちゃんと同じところに気がついていたってことか。そして危惧していた、と。兄ちゃんはペルソナによって起こされた様々な悲劇を強いられて、また見てきたから、全てを終らせたいと願ったんだろうか?真田さんの言葉はきっと真田さんの背負ったものからくることなんだろうな。重いてか、深い言葉です。でも、それは兄ちゃんにとっては傷だという皮肉が哀しい…。羽を残して消える兄ちゃんに、辛そうな表情の真田さんだ。電話じゃなくて、二人で会話するところが見たいとずっと思っていたけど、こんな場面になるとは。 お互いが呼び合うのも、もっと違う状況で聴きたかったなぁ。クローンアヤネが動き出したせいか、街中は大混乱してました。楢崎さんが目覚めた時、羽が落ちてきたから、ただ目覚めただけじゃないだろうなと思っていたけど、まさか、奥さんだったとは。切ないよ、伊藤さん…。この後全く二人のことは出てこなくて、どうなったか分からないんですが、やっぱり奥さんは消えて、楢崎さんの意識がもどったのかなぁ…。こんな僅かな隙間ででも、少しでも二人の心残りが消えたといいんですけどね。鯨とアヤネの関係は、実は最後まで分からないことが多かったです;見落としとか、読みが足らないせいかもしれないんですが、結局どうなったんだろう。アヤネは狭間の存在で、眠りたかったから洵だけ連れてきたってのは分かったんですが、その後がな~;どうもイマイチよく分からなかった…。やっと、兄ちゃんに会えて嬉しそうな慎でした。駆け寄るところに、小さい時お別れした時のシーンを挿入するなんて、意図があるんでしょうか。ただ兄ちゃんを慕って駆け寄った、あの時の気持ちと慎の気持ちが同じとか?、逆に兄ちゃんがあの時の気持ちと同じ、とか??慎の嬉しさと心配と苛立ちの質問にも兄貴は無言で眺めるだけ。アヤネの言葉に自分の幻想を思い返す慎の、「皆がいた…」ってのには、前回の慎の悲しい微笑みを思い出してしまいますよ;「ここにいろ」って言う兄ちゃんは、この場でも、10年被った仮面を脱ぐことはなく、表情を変えぬままなんだなぁ…。戌井さんはなんとか無事な様子でしたが、真田さんに電話で叩き起こされて、休む暇なく指示されてるとこが、実はちょっとおかしかった。(笑) ごめん;だってさー。ちゃんと戌井さんの心配もしたよね?、真田さん。 結構戌井さんも大変だったんだよ。まぁ、真田さんも大変なんだけど。この二人の会話ももっと見たかったな~。 もう少し平和なところで。天然ボケ気味な真田さんとフォロー役な戌井さんって感じが、どうもするんだよな。(笑)海に沈む街の様子を見て、決意するメグミちゃん。本当にいい子なんだよ。 タクロウ君じゃないけど、漢すぎるよっ。慎の方は兄ちゃんを説得中。慎は兄ちゃん達と帰りたいんだよなぁ…。 必死なところが胸に痛い。兄ちゃん、慎に「残れ」って、どこに残れってことなんだろう?慎がいる夢(てか狭間??)ってことはないだろうから、やっぱり現実にだろうか?洵とユキを連れて行くと言う兄ちゃんは、そこまで決心する何かがあったってことかな。兄ちゃんの性格で、あんまり洵たちを連れて行くとは思えなかったんだけど、洵は兄ちゃんの過去を慎より先に見ていたし、そこで見えない会話があったのかもしれないなぁ。もうちょっとこの辺りは双子の会話が見たかった。慎のありがとう…にはもう泣ける。そばに居なくても…守り続けてくれて、っていうのが更に泣けます。1話から今までの全てのことを思い返すと、兄ちゃんの言葉も行動も、含みがありまくりですよ。でも、もうやめてくれ、なんだよね。慎は兄ちゃんが自分を生きていくことが大切だからかな。言う方も、言われる方も、どんな気持ちなんだか…。 現実世界はメグミちゃんとタクロウ君が応戦中。メグミちゃんもタクロウ君も強いけど、多勢に無勢な感じだよ;タクロウ君の電撃かっこよかったなぁ。もう少しこういうのが見たかった気もするけど…。まぁ、こうなるにはお父さんの回が必要だったってことなんでしょうね。しかし、二人が裏返りそうになったところは、大丈夫だろうと思いつつ随分とヒヤヒヤしましたよっ;兄ちゃんを説得中に現れた二人を振り返って、瞬間、慎は躊躇うけど…。暗い淵に落ちていく二人に、迷わず駆け寄っていくところは、やっぱり慎だよな。そして手を掴むカナルちゃん…。慎の前に現れたカナルちゃんは、まるで女神(本気(笑))のように綺麗だったな~。人形として生まれて、一生懸命人間として生きた彼女でしたよね。人として在ったから、鯨の中にいたんだよね。慎を導いて、タクロウとメグミちゃんを助けてくれたところは泣けます。鯨に接触しようとするアヤネ。止めようとする慎とそれを止める兄ちゃん。この辺がよく分からないんだよな~;「お父さんの造った私、一緒に鯨のところに行こう…」この時点でアヤネとクローンアヤネは融合したんだけど、アヤネは慎が鯨に来なければ、融合してもよかったのかな?そして、そのまま洵とユキが一緒に行ってれば鯨は静まり、全てが消えたんだろうか?慎が夢で何度も見ていたカインとの戦い。やっぱりカインの方が強いのか。手加減してるとはいえ、兄ちゃんアベルを撃ってるし;戦いの中で見た、兄ちゃんの過去は薄々分かっていたとはいえ、辛いところにまた辛さが重なる感じでした…。兄ちゃんは本当に背負いすぎなんだよ;だから、誰も近づけず、自分を(真田さん曰く)滅してきたのかな?落ちていきながら上に向って零れる慎の涙ですよ。切ない。全部ペルソナのせいなのか、と問いつつ、でも慎には納得できてないのか。現れる洵とユキが諒兄ちゃんは分かっている、というのが、また切ない。慎の「でも」の部分が分かっていても…、今までいろいろな事を見てきた兄ちゃんなだけに、それが無ければこんなことはもう2度と起こらないかもしれないって思っているのかなぁ…。みんな、ありがとう、と言う二人に重ねて、真田さんや、タクロウ君達がでるシーンはなんだか、胸にきますね。だからこそ、兄ちゃんも沈んだ表情をするのかも。洵とユキを連れて行くことに迷わないわけないんだよね。今まで慎と戦っていた時さえも表情を変えなかった兄ちゃんが、ここで見せる苦しく悲しげな顔は、兄ちゃんの隠してる心の内を窺わせますよ。行くなと叫ぶ慎を、そのまま行かせてしまうのは、結局…兄ちゃんが兄ちゃんであるが故なのかもな。自分の願いは叶えずに、最後の最後に助けてくれちゃうのもね…。歪みであったものは消え、アヤネは狭間の存在から開放されて鯨に帰り、狭間にいた二人も帰っていく…。カインが羽となって消えていくのは、歪みが消えていくからでしょうか。帰ろうという慎に、ようやく(やっと!ですよ(涙))頷く、というか、頷くことが出来た、兄ちゃんは、最後になんて言っていたのかなぁ。その後、慎の腕にいだかれた表情が、なんとも穏やかで…。もう、涙、涙、でした;慎が名を呼ぶ声音は悲しくて。でも、後で小さく微笑んでいましたね…。1年後から始まるエピローグでは、ユキはもういないようでした。あの時に帰ったか、眠りについたのか…。洋服をしまいこみ、鏡に微笑む洵の中にはもう彼女はいないんだなぁ…。できるならもう少しユキにも話をさせて欲しかったかな。 慎や洵にさ。それとも、何も言わないからいいんだろうか?浪人のことでからかう洵や、負け気味な慎兄ちゃんが、微笑ましくて笑えます。鍵をかけて、蛙にしまうのを思い直し、手の中にそれを仕舞い込む慎の姿に、グッと胸がつまりました。その後の、延々、家を映すカットにも;初めは何の悲しみもなく、まあ日常のものはあったろうけど、帰ってきた慎が、色んなものを失って、…得て、家を後にするから妙にこみあげるものがあるんだな。暗く静まりかえった家には人の気配はもう無く…、3人(4人)が居た思い出はあるのに、今は帰ってくるものがいない。 そこも悲しいのかな。兄ちゃんの短い人生を受け止めて、慎のこれからの旅立ちになるのか思うと切ないんだよな…。慎は1年間の間に、何を思っていたんだろう。海岸で見た夢は、アヤネの言ったように、もしかしたら現実になったはずの夢。それを思うと、胸が痛いけど、慎はそんな気持ちを克服(ってのも変かな;)したんだろうか?今まで、両親のことも、ユキのことも、兄ちゃんが壁になっていてくれたのが、今度は兄ちゃんも含め、その死と正面から向き合っていかなきゃいけなかっただろうけど。だから、あの慎の表情に泣けるのか。慎の笑顔見ているとほんと泣けるんだよな…。笑顔に泣けるなんて、どういうことだよ、自分っ!と突っ込みつつ。あの静かに微笑む姿に、どうにもいろんな気持ちになってしまってね。桜の花がなんだか優しい。あれは慎の願いとか祈りもあるのかも。最後の最後に提供のところに出た、花の舞う中での3兄弟の笑みは、やっぱり物語の始まりに見せていた笑みとは違う気がします。慎や洵は何かを得て、兄ちゃんはようやく仮面を外して、なんでしょうか?これを見ると、また切ない気分になりますよ。特に慎はこれから笑顔が違ってくるんだろうなぁ。胸の中がひとつじゃなく、幾重にもなってるようだよ。その底に色々な想いが大事に仕舞ってあるから、笑顔も深いものになりそうな、感じ。時には透けて見えたりしてね。でも慎なら、思い出もきっと上手に仕舞えるんじゃないかと思います。明るい場所に、大切に、きれいに、仕舞ってあるような気がするんだな。それにしても、寂しいです。何度見てもダメだなぁ…。しばらくはきっとこのままです。(苦笑);もう慎たちを見れないのが、本当に残念です。何かが終るというはそういうことなんだけどね。自分が折り合いつけるのが大変だな…;