うる星やつら「人狼ゲーム」第2話
「何を言っとるんだ。ここまで来て帰れるか。行くぞ。」あたるは怒って、歩き出した。「ダーリン待って。あのお爺さんの話を聞いたほうが良いっちゃ。」とラムは止めたが、「当日のキャンセル料は100%だぞ。5人で5万円。誰が払うんだ?」と言って、あたるは山道をどんどん歩いて行ってしまった。仕方なく、メガネ、しのぶ、面堂もそれに続く。しばらく歩くと、あたるが「腹減った。もう1時じゃないか。弁当食おう。」と言って、リュックを地面に置いた。そして、レジャーシートを敷きながら、「おい。ラム。弁当出せ。」と言った。「はい。ダーリン。」ラムは二段の重箱の弁当をボストンバッグから取り出して、レジャーシートの上に並べた。「うわー。美味しそうだな。ラムさん料理得意なんですね。」と面堂が言った。重箱の一段目には玉子焼き、唐揚げ、タコさんウインナー、プチトマト、二段目にはおにぎりが入っていた。「おにぎりの具は梅干しとシャケだっちゃ。」ラムは得意そうに言った。「おにぎりの具が2種類もあるなんて豪勢ですね。このタコさんウインナーも足が6本もある。」メガネは感激しているようだった。「いただきます!」5人が食べようとしたまさにその時だった。キエーキエー!と不気味な鳥の鳴き声が聞こえた。一同が上を見上げると、目玉の大きなカラスのような黒い鳥が何羽も現れ、上空をクルクル回って飛んでいた。「あの鳥は何?気味が悪いわ。面堂さん怖い!」しのぶが面堂に抱きついた。「大丈夫ですよ。しのぶさん僕がついてますから。」面堂は箸を置いて、鳥をキリッとした顔つきで見た。しかし、あたるは唐揚げとおにぎりをがっついて食べていた。キエーキエー!鳥が急降下して、弁当を奪い取り、おにぎりをくわえて飛んで行った。「あー!何をする!返せ!」あたるが鳥を捕まえようとすると、鳥たちが攻撃してきた。「キャー!」「わー!」みんな鳥から逃げて走り出したが、鳥が追いかけてくる。5人は山の中を数十分走ると、古城のような洋館が見えてきた。「ひとまず、ここに避難しよう。」とメガネが言った。洋館の扉を叩くと、重い音を立てて扉は内側から開かれた。すると中に、執事風の初老の男性と若いメイドが立っていた。「いらっしゃいませ。諸星様でございますね。お待ちしておりました。」 (続く)