ひゃっけん先生
内田百間を読んだことがありますか。あたしは初めて読んでます。背筋のひやっとなるよな怖げなおはなしを書くらしいのですがあたしが読んでいるのは随筆。とってもおもしろいのです。風景を見る目がおもしろい。事象を見る目がおもしろい。自分を見る目がおもしろい。観察して、書く。感じて、書く。さらりと、こともなげに、書く。くすっと笑ってしまう。なのに、笑ったあとで、なぜだかあったかい。このおやぢ変わってるなとうなる。なのに、あたしにも思い当たるふしがあるんです。あたしの内にもきっとあるはずのこと。普段は意識もしないことだから、こうして言葉にしてみせつけられると最初は「へ?」と思うけれどすぐその次の瞬間にはあったかくなったり、なるほどと納得したりするんでしょうね。こんなふうに書けたらいいな。と思いますが、きっとそれは書く以前の問題なのでしょう。見えるか、見えないか。見るか、見ないか。見据えるか、見据えないか。ま、そんなとこでしょうか。いつか、そんな傑作があたしにも書けたらば、どなたか挿絵を描いてください。装丁も自分でしましょうか。丁寧に製本をして、挿絵を描いてくださった方にもプレゼントしますよ。久々の、妄想日記です。