『楽園』 宮部みゆき
ようやく『楽園(上下)』宮部みゆきが読み終わりました。『楽園』を読む前に『模倣犯(上下)』を読まないと話の流れがつかめないようだったので、今さらながら『模倣犯』分厚い上下巻と『楽園』をたて続けに読んだら、本の重さ(←この場合は内容ではなくて重量)にアタクシの腕と肩が悲鳴を上げていました日ごろゴロゴロしながら読書をしているので、机に向かって姿勢を正して本を読むという習慣がなく、不自然な体勢で分厚いハードカバーを支え続けていたせいと思われます。腕の筋力がついたかも。分厚い宮部みゆき本とは関係なさそうですが、最近「寝ると腰が痛い」という現象に悩まされています。寝返りを打つときにそぉっっと動かないと「グギッ!」と行きそうな感じがして、お年寄りのようにノソノソ動いている毎日。日常生活においてはさほど気にならないのに、寝ている時と起きぬけは非常に危険な予兆があります。原因はせんべい布団のせいだと思っている。実家を出てから長年使っている布団はもともとせんべいだったにも関わらず、アタクシの体重に潰され続けて、今や磯部せんべい(厚さ1mmほどのパリパリしたせんべい)ほどの存在感になってしまった。干したら戻るとか、既にそんなレベルは超えています(爆) 群馬銘菓『磯部せんべい』昔はおばあちゃんが布団の打ち直しをやってくれてたんだけどな~どうしたものか?小さなウチの婆ちゃんにできた作業なのだから、もしかしたら自分でも出来るんじゃないか?と、妙な研究心(好奇心?)が湧いてきて恐ろしいです。こういうのはプロにお任せしたほうが無難なんだろうけど・・・( ̄^ ̄)『楽園』は、『模倣犯』よりは失速気味かなぁという感想を持ちました。模倣犯の山荘連続殺人事件から9年後、またフリーライターの前畑滋子が過去に起こった事件に巻き込まれていく・・・きっかけは事故死した少年が残したスケッチブックが、未来に発覚される殺人事件を予知するものだったかもしれないという少年の母親からの相談。予知能力だとか超能力だとか、科学的根拠のないものがイマイチ信じられないアタクシとしては、こういうテーマは小説としてはOKだけどミステリーとしてはどうかなぁとスッキリしない気分でした。テレビ番組で『超能力捜査官(←ガイジン)が失踪者を追跡』みたいなのをやっているけど、アレも番組の最後まで結局失踪者は出てこないことばかりだし。どうも「ヤラセ」的な印象が拭えない。占いじゃないけど「当たっていても外れていてもどちらにも取れる予言」というのが世に氾濫しているような気がしてならないのよね~その点、ドラマ『トリック』は様々な怪奇現象も全てトリックがあるからこそ起こり得たことなので、思い切りドラマでフィクションなのにアタクシの考えにしっくりハマる。最初から「この登場人物は特殊な能力があります」という前提でストーリが進んでいくのならば、フィクションということで割り切って楽しめるってものですが、「特殊能力の存在の有無」がテーマになってくるとなると事件そのものよりも超能力というあやふやな実体に振り回されてしまって、どうも中途半端な感じがします。実際に主人公であるライターの滋子もかなり振り回されていました。おまけに警察まで振り回され気味ってどういうことよ(笑)そんな中でも、前回から「一般人」としてブレない昭二(滋子の旦那)の存在は地味だけどなかなか光るものがあります。情に脆いところもあるけれど、「それがフツーの人の反応だよね」ということをいちいち実践してくれているところが何とも落ち着きますわ。 「古書店 笑琳舎」