ジェネラルの呪い。
カマハオという、寸劇仕立てになった現地の踊りのステージは結婚式会場の大広間のようなところで行われ、受付で小さな貝殻のネックレスかデカい数珠のようなネックレスを首にかけられます。アタクシとシャチ子は「ジェネラルね」と貝殻のネックレスをかけられました。他の日本人と思しき何組かのカップルも「ジェネラル」組。「もし最前列とかになっちゃって、踊りの輪に強制参加させられちゃったらどうする~?」などというささやかな不安もまるでなかったかのような末席に案内された「ジェネラル」なアタクシ達。「結婚式で言えばここは親族席じゃないかっ!しかもこの位置はまさに花嫁の両親の位置だよ!」「肝心のステージがちっとも見えやしない。このテーブルを見るからに日本人と黒人の親子だし・・・ここに来て人種差別か?」「いや~それはたまたまじゃないの?ヒルトン姉妹のような白人の娘もウチラと同じ貝殻付けて、後ろの席にいるし。」「あの子、他のアメリカ人と違ってダラダラした格好じゃなくて小奇麗な服を着てるし、可愛いな~と思って見てたんだよね。」「え~っ!アタシ、そのヒルトン姉妹のどこがいいのかさっぱり理解できないけど、確かにあの子はかなり意識しちゃってるよね。見ているこっちが恥ずかしくなるくらい・・・でも、あれは絶対成金だよ。」「なんで!?」「だって母親のワンピース、品がないもの。父親もおデブでギラギラした安岡力也みたいだし。」などと話しているうちにビュッフェ形式の食事を取りに行く順番になりました。(もちろんデカ数珠組が最初で、貝殻組は後の方だ)アタクシは昔からだけど、最近肉食が厳しくなってきたというシャチ子も「肉以外だと食べるものがない」というショッキングな事態に陥り、しかもフリードリンクだと聞いて、ホクホクしていたのにビールやワインなどはまるで無く、コーラのような味の妙に甘いアルコールオンリー。「ふん!こうなったらサラダばっかり食ってやる!」と息巻いていたにもかかわらず、シャチ子はちょっと眼を離した隙にプレートと一緒にナイフとフォークまで下げられてしまったという。「ものすごい早業だったね。おかわりできないように牽制しているのか!?でも、どこかにお箸があるはずだよ。前の日本人カップルが箸使って食べている」とすかさずアドバイス。「本当にアンタはそういうトコ、よく見てるっていうか抜け目ないよね・・・」と感心しながら、シャチ子は二回戦に出陣していきました。割り箸を携えて戻ってきたシャチ子に自分のナイフとフォークを託し、アタクシも出陣だわ。「何度もウエイトレスが覗きに来るのをこの魚、一切れで粘ってたよ~。もうどうなっちゃってんの!ここ。」と、ナイフとフォークを握り締め、必死に魚の破片をガードしているシャチ子。「あはは・・ありがとね」と席に着くと、隣の黒人ファミリーの父ちゃんも肉などをごっそりと盛って二回戦から戻ってきました。そして、ナフキンに包んで隠しておいたナイフとフォークを取り出して、もくもく食べ始めるではないの。「うお~!父ちゃん!ナイスファイト」と小さく歓声を上げたら、シャチ子に「ナイスファイトって、通じるから。」と突っ込まれました。その後、全く分からない英語の解説で続くフラのショーを欠伸をかみしめながら鑑賞し、最後には屋外でファイアーダンス「無茶するねぇ~わき腹のところ、煤で黒くなっちゃってるし」などと言いながらも、輪の前方で眺めておりました。最後、ダンサーのお姉さんと写真が撮れるようなので、それぞれ一緒に撮ってもらったのを・・・後で見てみたら、「これって、フラの衣装っていうよりもただの風呂上りみたいじゃないか!(爆)」と突っ込まずにはいられない一枚となりました。帰国の時、相変わらず屋根だけのロコ感あふれる空港にて手続きをする際にも「ジェネラル」に遭遇。いつまでもジェネラルの呪いから逃れられないアタクシ達。でも、どこかで聞いたことがあるのよね~ジェネラル・・・と思っていたら、つい数週間前に読んだ『ジェネラル・ルージュの凱旋』(海堂尊)で、「ジェネラルって将軍か!」と覚えたばかりではないの(゚◇゚;)それにしても、将軍(?)ならばもう少し丁重に扱ってくれてもよさそうなものなのに・・・ますますナゾは深まるばかり。なので帰国後、よくよく調べてみるとジェネラルには「一般」という意味もあるらしい(´-ω-`)あぁ・・・そういうことか。だから英語って嫌いなのよ←恥さらし