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ジャズの神様の思し召しのままに

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Charlie Parker 10th Memorial Concert (Limelight)

チャーリー・パーカー没後10年の記念コンサートを収録した作品。パーカーゆかりのジャズマンからあまり関係のなかったジャズマンまでが登場する不思議な追悼コンサートである。ＣＤでは、ガレスピー・クインテットの４曲から始まる。うち２曲は"Groovin' High"と"A Night in Tunisia"はパーカーとの共演実績がありパーカーにゆかりのある曲だが、何気にガレスピーの書いた曲である。もう２曲はパーカーには何のゆかりもない。（一応、１曲目はパーカーに捧げる曲とあるが、単にガレスピーの好きなマイナー・ブルースを無理矢理こじつけたような気がする。）ガレスピーの演奏はまだ音に芯があり、なかなかのもの。また、ジェームス・ムーディーの燃焼ぶりが凄い。このオジさん、音楽性に筋の通ったところがないので二流扱いされているが、実はとんでもない実力者。サヒブ・シハブと並ぶ「マルチリードの隠れた名手」である。次のセッションはスイング派のオジさんによるジャム・セッション。コールマン・ホーキンスとロイ・エルドリッジは４０年代前半まではバップ草創期の看板プレーヤーであり、バップには多少の縁があるのは分るが、パーカー追悼コンサートでは違和感を感じてしまう。特に、ホーキンスは６０年代に入ると衰弱が激しく、このコンサートでも老体を晒してしまったようだ。エルドリッジは４０年代に燃え尽きているので、ギャグのような演奏しかできない。１曲だけなので我慢もできるが、演奏する人も聴く人も耐え難いものがあったと思う。次はデイブ・ランバートのスキャット・セッション。バップ・スキャットも面白いとは思うが、所詮はイロモノでありゲテモノである。何もレコードに収録しなくても･･･と思う。音程のズレで気分が悪くなるので要注意。次はリー・コニッツの吹き語り（？）コーナー。コニッツはパーカーの影響を受けないように極力パーカーを聴かないよう努力した･･･という話だったような気もするが、良心的な演奏なのでまぁ許そう。最後はオールスターズでのジャムセッション。ガレスピーにドーハム、ハワード・ワギーという夢のような企画･･･と思いきや、マギーのソロがない。ドーハムは最初にソロをとるが、これがヘロヘロの状態。確か、このコンサート以降は人前で吹くことなく引退じゃなかったかな。いずれにせよ、ちょっとガッカリの内容。猫麻呂ポイント：★★☆（2.5）Charlie Parker 10th Memorial Concert (Limelight)

2006年06月04日

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Al Cohn / Mr. Music (RCA)

アル・コーンお得意のカンサスシティー・ごっこシリーズからの１枚。コーンはレスター派テナーの中ではトップクラスのテクニシャンなのに、こんなお遊びばっかりしていたからダメなんだなー。サヴォイの"Cohn's Tone"のようなワンホーン作品ばかりをやっていれば、ズートよりキレのいい名手として崇拝されていただろうに･･･。結局はコーンはアレンジがやりたかったのかもしれない。しかし、コーンのアレンジはギル・エヴァンスやクインシー・ジョーンズという同世代のアレンジャーと比較すると、かなりダサい。（当たり前のことしかしないから。）コーンの他にはジョー・ニューマン(tp)、フランク・レハク(tb)、ジーン・クィル？(as)などの短いソロが聴ける楽しみはあるが、やっぱり食い足りなさがある。せめて、フレディー・グリーンを入れて、リズム・セクションだけでもお腹一杯になるような音楽であれば良かったのだが･･･。結局、面白いのはジャケットデザインだけかもしれない。猫麻呂ポイント：★★☆（2.5）Al Cohn / Mr. Music (RCA)

2005年11月26日

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Lionel Hampton / Airmail Special (Clef)

バディー・デフランコとオスピーのコンビを期待して購入したＣＤだが、期待ハズレだった。デフランコは２曲しか参加しておらず、延々とハンプトンのハッピー・ヴァイブを聴かされるのだ。そんな中で唯一の救いは、オスピーとレイ・ブラウンが最も脂ののった時代の演奏が聴けること。リズムはスイングの縦ノリだが、オスピーのドライブ感は凄い。ちなみに、デフランコの演奏は、"Way You Look Tonight"が全くやる気なし、"It's Only A Paper Moon"ではそこそこ気合の入った聴ける。オスピー・トリオとのカルテット盤を早々に再発して欲しいものだ。Lionel Hampton / Airmail Special (Clef) 1. Airmail Special 2. Soft Winds 3. Way You Look Tonight 4. It's Only A Paper MoonLionel Hampton(vib), Oscar Peterson(p), Ray Brown(b), Buddy Rich(ds)Recorded on September 10 in 1953, April 13 & 16 in 1954

2005年11月11日

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Paolo Fresu / Melos (BMG France)

このＣＤをジャズの範疇で語ってよいかどうか分らない。編成はトランペット＆サックスの２管にピアノ・ベース・ドラムの普通のクインテットなのだが、映画のサウンドトラックのようなＣＤなのだ。このＣＤにはライナーがない。イタリア語でもいいから何か書いてあればいいのだが、このＣＤが一体何ものなのか･･･、全くわからない。全てが譜面に書かれたもののように思えるのだが、逆にマイルスの「死刑台のエレベーター」のようなインプロ勝負のような感じの曲もある。１曲あたりの時間がＳＰ盤のように短いのも理由がよく解からない。私がジャズのＣＤに求めるもの、数コーラスに渡るソロや４バース、リズムセクションの丁々発止のやり取り･･･みたいなものは、このＣＤにはあまり期待してはいけないようだ。音楽として良い・悪いなどというものは私には論じることはできないが、このＣＤではお腹一杯にはならない、とだけは言っていいだろう。パオロ・フレスのジャズ演奏をお腹一杯楽しみたいのだが、一体何を聴いたら良いのだろうか？（詳しい方、教えて下さい！）猫麻呂ポイント：★★☆（2.5）Paolo Fresu (tp), Tino Tracanna (ts,ss), Roberto Cipelli (p), Attilio Zanchi (b), Ettore Fioravanti (ds) May 8-11, 200001. QUE RESTE T'IL DE NOS AMOURS (Trenet) - 4:30 02. ME'LOS (VARIAZIONE NOVE) (Fresu) - 3:04 03. AMERINO (Romano) - 2:37 04. ON SECOND LINE (Zanchi) - 4:02 05. AMMAZZARE IL TEMPO (Rava) - 5:12 06. POR TODA MINHA VIDA (Jobim) - 1:52 07. SOLSTIZIO D'ESTATE (Fresu) - 3:50 08. LUIZA (Jobim) - 2:34 09. VARIAZIONE OTTO (Cipelli) - 5:58 10. TUTTO E IL CONTRARIO DI TUTTO (Fresu) - 3:55 11. LESTER (Salis) - 3:10 12. COSI' (Arigliano) - 1:5713. E' QUASI L'ALBA (Calabrese/De Ponti) - 3:0414. VARIAZIONE SEI (Zanchi) - 2:04 15. PRAYER FOR SYBILLE (Waters) - 4:03 【予告】ＧＷ明けより内容をリニューアルします。「名盤探検隊（仮称）」という特集も始めようと思っていますので、ご期待下さい。

2005年04月17日

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Chet Baker / With Fifty Italian Strings (Jazzland)

まるでジャズおやじの隠れ家のようなＣＤである。いきなり「遠い地平線が消えて、深々とした夜の闇に心を休めるとき･･･ジェット・ストリィィィ～ム」な雰囲気なのだ。とてもジャズＣＤとは思えない、マント・ヴァーニーな音楽なのだ。曲と曲の間には城達也のナレーションによるＪＡＬの宣伝が入っているのだ（ウソです）。クリフォード・ブラウン・ウィズ・ストリングスとはコンセプトが正反対の、鼻歌系トロトロ音楽なのだ。このＣＤにはバッパーのチェットの姿はない。むしろ、ルイ・アームストロングやロイ・エルドリッジといったバップ以前の大御所がまったり吹いているような感がある。思うに、チェットはこのセッションで楽器を借りて吹いたのではないだろうか？音色がいつもと違う。マーチン・コミッティーの音というより、当時のフランス・セルマーの音に近いように聴こえる。そんな分析的な聴き方はこのＣＤには無粋だった･･･。ボーカルも癒し系で主義主張など全く感じさせない。こういう音楽にはハープが欲しい、と思ったら、案の定出てきた･･･。たまには、こんなイタリア菓子のような音楽でのんびりするのも悪くない。でも、これって、どう聴いてもイージー・リスニングの世界だと思う。１回聴いたらしばらくは要らないなー。それから、ストリングスはちょっと音が汚いような気がする。猫麻呂ポイント：★★☆（2.5）Chet Baker / With Fifty Italian Strings (Jazzland)

2005年03月08日

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Sonny Clark / Standards (BlueNote)

ソニー・クラークのピアノトリオ拾遺集を買ってみた。ポール・チェンバース＆フィリー・ジョーの有名なトリオものとも、タイム盤のしっぶ～いトリオとも違う雰囲気なのは、スタンダードナンバーばかり並んでいるからなのだろう。ソニー・クラークはピアニストとしても大好きだが、作曲家としてのソニー・クラークが好きだ。２管入りの"Leapin' and Lopin'"のオリジナル曲が特に面白い。（参加メンバーもＢ級で良い。）しかし、今日のＣＤはスタンダードだ。何も考えずにソニ・クラ節を楽しむことに専念する。どこから聴いてもソニ・クラ節と分る演奏なのだが、何が特徴なのだろう。左手を極力抑えた演奏なのか？それとも、ペダルの使い方に特徴があるのか？私はピアニストではないので分析的なことは何も言えないが、何とも落ち着く演奏である。ケニー・ドリューのような華やかさがない分だけ、余計な煩さがない。フレーズに粘り気はあるが、臭さがない。不思議だ･･･。ふと考えたことがある。ソニー・クラークは本国アメリカでは人気がなかったのに日本では神様扱いなのは何故か？猫麻呂仮説であるが、ジャズ喫茶文化がソニー・クラークの音を作り上げたのではないだろうか？結局、私が聴いているソニ・クラの音は、ジャズ喫茶で聴き続けたイメージが脳内にあり、今こうして自宅のスピーカーから聴いている音は、脳内で再構成されてるのかもしれない。だから、今聴いている音は、ヴァンゲルダーサウンドを馬鹿でデカい音でならしているジャズ喫茶の音に変換されているのかもしれない。昨日に引き続きＣＤレヴューになっていないのだが、このＣＤは正直に言って「面白くない」のである。でも落ち着いてしまうのは、昨日のモブレーの話と同じ原理なのだろう。結局、このＣＤはソニ・クラ節を再確認するだけのものであった。ウェス・ランダースというドラマーが退屈光線を撒き散らしているのも原因だろう。これはいいな、と思ったのは２曲目の"Can't We Be Friends"のテーマの処理。その他はコメントする程の内容が見つからない。ここまでこき下ろしておいても、やっぱりソニ・クラは落ち着くなー。猫麻呂ポイント：★★☆（2.5)Sonny Clark / Standards (BlueNote)

2005年02月02日

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Lou Donaldson / Everything I Play Is Funky (BlueNote)

ここではあまり大きな声では言えないのですが、このＣＤ、南米の熱帯雨林と同じ名前のネットショップで\980でゲットしました。激安です。我が家のルー・ドナルドソンＣＤは、まだ比較的マジメにジャズしてた頃のものが大半で、"Rare Groove"ものはあまり持っていなかったので、今回安さに釣られて買ってみました。内容はというと、ジャズ原理主義者の猫麻呂には「こんなのジャズじゃない」と斬捨御免したいところですが、バップとブルースの出汁がきいて、これが不思議といい感じ。ルー・ドナさんのご人徳なんでしょうか。ルー・ドナさんは生ライブで見たことありますけど、この人ホントに懐が深いんです。バップありファンキーあり涙あり笑いあり･･･。何吹いても絵になる、芸人のようなジャズマン。だから、ＣＤだって何やっても許しちゃう！このＣＤのもうひとつの笑い所は、あのブルー・ミッチェルが恥ずかしそうにベタなフレーズを吹いているところ。そりゃ、ブルー・ミッチェルがＲ＆Ｂ出身だってことは知ってますよ。でも、あの「清く・正しく・美しく」のブルー・ミッチェル様が、このようなアホ・セッションに参加している事自体が微笑ましいと思います。（内容はともかくですが。）さてこのＣＤ、買いかどうかですが、値段次第ですね。今ひとつノリが良くないように感じます。￥９８０なら「買い」、￥１５００だったら「要らない」というのが正直な感想。ポイントは2.5くらいでしょうか。猫麻呂ポイント：★★☆（2.5）Lou Donaldson / Everything I Play Is Funky (BlueNote)

2005年01月19日

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