ブラックスワン
映画を見てからだいぶ間があいてしまいましたが、鮮烈な印象は変わりません。まずはナタリーポートマンの努力と迫真の演技に拍手!美しかった!素晴らしい女優さんですね!・・・そして覚悟して見に行ったのに、アチコチ痛くなりました(笑)「白鳥の湖」と言えば誰もが知る古典バレエの名作。一般には繊細な感情表現の白鳥よりも32回のフェッテに代表される華やかな黒鳥の方が注目されますし「この人の白鳥は素晴らしい」と言うより「黒鳥ならこの人!!」的なものの方が多いように思います。しかし、本当に難しいのは宮殿のまばゆい光を浴びて強靭な足で踊る黒鳥よりも、幻想的な闇夜の舞台で柔らかい上半身で語りかける白鳥なんじゃないかな??と思います。それにしても・・・です。黒鳥ってそんなに悪い女なのかな~??という昔からの疑問。好きで悪魔の娘に生まれたわけじゃない、もしかしたら黒鳥だって誰かに愛されたら普通の人間になって幸せになれたのかもしれない。だいたい清純な白鳥に愛を誓いながら妖艶な黒鳥に求婚した王子!見分けがつかんのか!?それとも分かっててそうしたのか!?いや、だからこの作品は人気があるのか、とかどうしようもないことが頭の中で再燃してしまいました(笑)さて、アチコチ痛くなりアチコチ押さえながら映画を見終えて・・・「吹き替えなしで本当に良く頑張った~、でも首や肩のラインが固くて気になった~」と私。「う~ん、統合失調症かな。早く誰か病院に連れていくべきだよね」と夫。・・・この映画を観てこんな感想を漏らす私たち夫婦の方がおかしくないか??という気もしますが、さらに、一人の女性としては不幸になってしまったけれど、人生の全てをかけて役に向き合い最高の演技で喝采を浴び、その舞台で役と共に自身も幕を閉じるというのはダンサーとしては本望なのではないか?伝説のプリマとして美しいままの永遠の命を得たのではないか?とさえ思いもしました。そして、凡庸な才能しか持ち合わせないアマチュアチェンバリストながら、いや、だからこそしなければいけないはずの努力の足りなさや、真剣に深く曲と向き合っていない自分を反省・・・。あんなふうになるまではとてもできそうにありませんが、壁にぶつかってもその曲から逃げずに練習しなくちゃいけませんね(><;)