林家木久扇 独演会
鶴岡市文化会館で開催された「林家木久扇 独演会」へ行ってきました。あいにくの雨でしたが、会場はたくさんの人、たくさんの笑いに包まれました。前座は長身でなかなかのイケメンの林家木りん君。私は相撲に明るくないのですが、大関・清国(元伊勢ヶ浜親方)の息子さんなのだそうです。噺は「初天神」、子供の描写や飴や団子を扱う父の様、どこでオチを作るかなど見所聞き所満載です。実は団志師匠でも二度聞いていた私、比べるのは気の毒と言うものですがなかなかの健闘(?)だったのではないでしょうか。しかし、話し方や所作、どんどん着崩れる着物などにハラハラし子供の発表会を見守る母のような気持ちでございましたよ(笑)声や雰囲気がなかなかいいですし、これからの精進に期待しましょう!さていよいよ木久扇師匠の登場!お馴染み「笑点」のテーマ曲が流れ、黄色の着物に袴、にこにこと歩いてくるだけで場がパッと明るくなります。噺は「松竹梅」。普段は新作落語が多いそうですが、これは木久扇師匠のキャラクターに良くあった楽しい古典落語。もうゆったりと楽しんで、たっぷり笑わせていただきました。しかしながら私が一番おもしろかったのは、枕の、今回の大震災を受けて、戦時中の体験や戦後の復興の様子、自分の成長に影響を与えてきた遊びや歌や映画などいろいろなお話。本当は決して「笑いごと」ではないのですが、その中に真実が垣間見えてくるようでした。ほとんどは私の知らないことでしたが大変興味深く聞きましたし、そして何より面白かった!こうやって教科書にはない昔の文化を知る、というのも落語の魅力のひとつですね。それにしても、いくつになっても「馬鹿」を貫き「きくちゃん」と呼ばれるのは実はとてもスゴイこと。昭和の名人と呼ばれる方たちが高座を降り、笑点メンバーも入れ替わっていくのは時の流れで致し方ないこととは言え、これからも元気で明るくますますのご活躍を!と思った夜でした~。