ジャパンカップの考察
今日はなぜか競馬の話題。日曜日に東京競馬場でジャパンカップが行われた。このレースは海外から一流馬が参戦する国内では数少ないレース。勝ったのは日本のアドマイヤムーン。この馬は今年海外でもG1を勝っている。ジャパンカップが創設された頃には海外馬と日本馬のレベルの差が目立ち日本馬が勝つ日は来ないのでは?などと思ったものだが。最近は海外のレースでも勝っているように日本の馬もなかなかのものである。さて、このジャパンカップだが世界の競馬の中でも非常に重要な位置づけにあるレースといえる。競馬はもともと欧州が起源だが、貴族階級から始まったため、非常に優雅なイメージがある。欧州ではコースも自然のアップダウンを活かしてくるぶしまで隠れるほどの深い芝の上を走り抜けるパワーとスタミナを競うのが基本。一方、米国では西部開拓史の延長線上に競馬が位置づけられるため優雅というよりはワイルドなイメージ。コースは比較的平坦なオーバルタイプで芝よりもダート競馬が主体。このあたりが西部開拓の名残か。このように元々異なる哲学の元で発展してきた両者。どちらが強いのか、なかなか雌雄を決することが出来ない。というのも、欧州でのレースでは欧州馬が有利で米国でのレースとなると今度は米国の馬が有利。今までの結果として残っているサラブレッドの血統を紐解くと実力的には互角であることは分かっているがそれでもやはり白黒つけたいのが人情だ(笑)そこでジャパンカップである。日本の競馬はある意味両者のいいところを吸収して発展してきた経緯がある。それでいて環境は欧州とも米国とも異なる。公平な条件で雌雄を決するにはこれ以上ないステージとなるのだ。加えて、レベルが高いながらも地理的な条件もあって欧州や米国のレースに出走する機会の少ないオセアニアの馬が加わる。こうなるとある意味世界一決定戦の様相を呈することになる。実際の戦績で言えば地の利を活かして日本馬が優勢なのだが世界中の名馬が集まって幾多の名勝負が繰り広げられている。こうして考えると、競馬には地理的なエッセンスがかなり含まれていることが分かる。競馬は世界中で盛んなスポーツであるが十把一絡げで扱えない環境の違いの元で行われているのである。