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[災害・防災] カテゴリの記事

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• 土砂災害　警戒区域は避難率９割

  土砂災害の恐れがあるとして都道府県が警戒区域に指定した地区の住民避難率は、未指定地区より大幅に高いことが国土交通省の調査で分かった。指定地区は平均９１％、未指定地区は６３％だという。大規模な土砂災害が起きた東京都大島町の危険箇所はいずれも未指定だった。国交省は、二〇〇九年の中国・九州北部豪雨から一〇年の奄美大島豪雨までの五つの大雨災害で、避難率を調査。避難勧告後の避難状況の平均値を警戒区域指定、未指定地区それぞれで算出した。土砂災害防止法に基づき警戒区域に指定すると、区市町村は危険な場所を示し、円滑に避難させるハザードマップの作製などが必要となる。マップ配布や避難場所の周知を通じて、警戒区域の避難率が高まるという。国交省によると、土石流、地滑り、がけ崩れの危険箇所は全国で五十二万カ所。同法が施行された〇一年当時、国は警戒区域の指定終了を〇六年と見込んだ。ところが地形や植生などの現地調査が必要な都道府県の指定作業が進まず、指定済みは現在、六割にとどまる。都建設局によると、都内では危険箇所の多い多摩地域の十市町村で計五千八百二十六カ所を指定。七十一カ所を抱える大島町を含む都内全域の指定終了予定は七年後という。都の担当者は「法の施行前から島内の危険箇所のマップを大島町に通知し、避難計画に役立ててもらっていた」と説明している。＜土砂災害防止法と警戒区域＞　２４人の犠牲者を出した１９９９年の広島土砂災害を受け施行。警戒区域に指定されると、市区町村は区域ごとに災害情報の伝達や警報の発令、伝達、避難、救助の体制を確立しなければならない。住民に著しい危害が生じる恐れがあると判断すれば、さらに特別警戒区域に指定。崩落しないよう分譲の宅地開発は知事の許可制になる。（東京新聞より）------------------------------避難勧告が出たケースでの調査とはいえ、思っていた以上の避難率だなというのが率直な感想。やはり警戒区域・特別警戒区域が効いているのだろうか。警戒区域の設定については、資産価値の低下など様々な問題もあるが、ともあれ土砂災害から逃れるには早期避難が最も有効であることは先日の大島のケースからも明らか。その点でいえば、避難率の向上に指定が役立っているといえる。その一方で土砂災害はどこで起きるかわからないため、他の災害以上に避難勧告の空振りが多くなるのは宿命だ。そのあたり、どれだけ避難率の高さを持続できるのかが次の課題になるのかも知れない。「とりあえず避難する」という文化が定着すればいいのだが。何しろ土砂災害は日本中で起こる話なので。

  2013.10.20

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• 迫る「７２時間」　伊豆大島の捜索現場、台風再接近も

  台風２６号で大規模な土砂崩れが起きた東京・伊豆大島（大島町）では、夜を徹した捜索が十八日も続いた。土砂崩れは遅くとも十六日午前二時四十分ごろに起きたとみられ、救命率が著しく下がる時限の「災害発生から七十二時間」が十九日未明に迫る。重機の投入で、捜索のペースは上がっているが、連日土砂との格闘を続ける人たちに焦りの色がにじんだ。　元町三の元保育園長清水和子さん（７８）の遺体が十七日に発見された自宅近くでは、複数の民家が土砂や倒木で押しつぶされ、近くに多くの人が埋まっている可能性が高い。近くの主婦藤井坂江さん（６２）宅も倒木が押し寄せ、直径十センチほどのツバキの幹が家の壁に突き刺さっていた。藤井さんは「次の台風２７号も近づいていて、自分の家も心配だけど、それより行方不明者が早く見つかってほしい」と涙を浮かべた。現地では朝から地元の土木業者が、先端に大きな爪のついたショベルカーを持ち込み、山積みのがれきを取り除きながら捜索した。だが、辺り一面に土砂がたまり、どこに何があるのかが分からない。土木業者の白井隆雄さん（５５）は「やみくもには捜せないので、捜索のプロの警察や自衛隊の判断に任せるしかない」と眉間にしわを寄せながら語った。消防団員の山田弘行さん（４０）は「重機が増えて、捜索のペースは上がった。焦るけれど、行方不明なのは、みんな顔を知っている人ばかり。生きていると思って希望を持って捜さないと」と話した。元町神達（かんだち）地区で、夜を徹して活動している陸上自衛隊は、十八日朝に交代した約二百八十人が十～二十人ほどの小隊に分かれ、人がいそうな場所を重点的に救出活動を急いだ。救出開始から三日目。ある隊員は、七十二時間という数字を意識し「今日は重要な一日になる」と表情を引き締めた。隊員らは一畳ほどの大きさのベニヤ板や、背丈を超える長さの流木を、数人がかりで土砂から引っ張り出し、チェーンソーを使いながらスコップで土砂を掘り続けた。広報担当者は「疲れてはいるが、士気は高い。常に生きているという前提で捜索にあたっている」と語った。（毎日jpより）------------------------------大島は深刻な事態になっている。捜索隊の頑張りにも関わらず、目安である「72時間」が迫る。さらにまずいのは次の台風が迫りつつあること。今回のダメージを残した状態で再び大雨になれば、被害が拡大する可能性が高い。次は早めの避難勧告が出されるだろうが、実際のところどこが安全でどこか危ないか断定できるわけでもなく、見方によっては島から出ない限り本当の避難にはならないとの声もある。何しろ厳しい状況には違いない。今回やり玉にあげられた町長ばかりでなく、島民個々の判断も問われる。これ以上の人的被害を防ぐためにも、東京都としても何らかの手は打たなければならないだろう。次の台風の状況によっては一時的な島外退避という選択肢はないのだろうか。現実的ではないかもしれないが…

  2013.10.19

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• 国土地理院、伊豆大島の被災状況がわかる“斜め写真”と土砂流出範囲を発表

  国土地理院は、台風26号で被災した伊豆大島の被災地を上空斜めから撮影した写真を、インターネット上の地図サービス「電子国土Web.NEXT（試験公開）」上で公開した。また、土砂流出範囲を“速報暫定版”として地図上に表示した。「電子国土Web.NEXT」の左メニューにおいて「台風第26号の大雨等」の中にある「斜め写真」および「土砂流出範囲（速報暫定版）」のチェックを入れると、地図上に写真の撮影位置を示すアイコンや土砂流出範囲が表示され、アイコンをクリックすると写真へのリンクが表示される。なお、同院は17日以降も伊豆大島の空中写真撮影を予定している。（MdN Design Interactiveより）------------------------------被害状況を面的に把握するにはやはり航空写真が必須。今回は国土地理院はじめ、アジア航測やパスコといった航測会社も軒並み公開が早かった。元来台風などの豪雨では、天候が回復するまでの間にタイムラグああり、最大（浸水）被害が取得できなかった。今回は天候の回復が早かったこともあるが、こうしたデータを早く入手できたのは大きい。現在では斜め写真に加えて、垂直写真のオルソも電子国土上で公開されている。

  2013.10.18

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• 台風２６号:大島「想定外」「なぜ避難勧告なかった？」

  「想定外なので仕方がない」「なぜ避難を呼び掛けなかったのか」。台風２６号接近の中、避難勧告が出されないまま多数の被害を生んだ東京都大島町の対応に、町民の賛否は分かれた。被害が最も大きかった元町地区に住む会社員男性（６３）。自宅は山から約５キロ離れているが、１０坪ほどの庭が土砂で埋まった。男性は１５日夜は午後１１時ごろに就寝。雨音の大きさが気になっていたが、土砂崩れは想定しなかった。「大島町は地盤が強いし、土砂崩れが発生すること自体が珍しい」と思っているからだ。町が避難勧告を出さなかった点については「亡くなった方に申し訳ないが、ここまで甚大な被害が出る土砂災害が起こるとは想定していなかったのではないだろうか。町の対応は仕方がない」と話した。また現場から約１キロ離れた地区に住む元町１の無職の男性（７６）は「仮に避難勧告が出ていたとしても、あの雨と風の状況では避難したかどうか分からない」と語る。「大島では（２４時間に）８００ミリの雨が降ったというのに……」と悔しさをにじませるのは、無職、柳瀬利治さん（７５）。元町地区に住むいとこの女性（７８）が行方不明となっている。１６日午前７時ごろ、静岡県熱海市に住む義姉から「集中豪雨で大島が大変なことになっている」と連絡を受け歩いて同地区へ行ってみると、いとこの家は土砂に埋まって見えなくなっていた。柳瀬さん宅には防災無線がある。「町から川が氾濫したという防災無線は受けたが、避難の指示や勧告は出されなかった。なぜ避難を呼びかけなかったのか」と対応に疑問を呈した。（毎日jpより）------------------------------大きな被害が出た伊豆大島。被害の大きさとともに、災害情報をめぐる（出し手も受け手も）様々な課題が表面化したことも確かだろう。一つは特別警報の扱いについて。特別警報は広域性が一つの条件になっており、今回のような局地的災害の場合は基本的には対象とならない。つまり、離島におけるで特別警報が発令される可能性は限りなく小さいということ。これは運用ルール上仕方がないことだが、そのことが一般にはほとんど知られていない。今回のケースがきっかえに知られることになるかも知れないが、周知が必要だと思う。受け手としては「直ちに命を守る行動」をとらなければ、という印象はあっても、広域性に左右されることは知る由もない。もっとも、特別警報そのものがどれほど認識されているのかもまだ心もとないが。もう一つが避難勧告・避難指示の有無と実際の避難行動の問題。今回はルール上特別警報はでなかったわけだが、気象庁から個別に東京都や大島町へは重大な災害への警戒を呼び掛ける連絡があったという。これは気象庁側の配慮もあるだろう（住民へのインパクトは薄いが）。ところが町は避難勧告や避難命令を出さなかった。日頃から自主避難を周知していることから必要がない、という点が一つと、夜中に豪雨の中を避難することはかえって危険、という点も考慮したという。一方で、では避難勧告・避難指示が出ていたらどうだったのか、という部分も考えなければならないだろう。夜の闇の中、しかも時間雨量が100ミリを越える猛烈な雨の中安全な避難は可能なのか。洪水については近年では状況により（避難のタイミングが遅れた場合など）垂直避難（上階への避難）が奨励されているが、今回のような土石流では効果がない。結局早い段階（明るいうち）で避難をしておけばよかったわけだが、昼の時点ではそこまでの雨は想定できていなかった（とはいえテレビでは早めの避難を呼びかけていたし、夕方時点では土砂災害警戒情報も出ていたはず）。そもそも避難勧告が出なくとも、危険という判断があれば逃げるのが身を守る最大の手段ではあるのだが（ただし土砂災害の場合非常に判断は難しい）。課題がいくつか挙がったところで、これという解決手段があるわけではない。早めの避難、そして想定外への備え。周知と認知。愚直であれつづけるしかないこともまた事実。とにもかくにも、今は安否の分からない方々の無事をお祈りします。

  2013.10.17

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• 台風26号

  台風26号は今の時間関東に接近しつつある。東京でも強風が吹き荒れ、雨は降り続いている。伊豆大島で雨量が100mmを越えたのをはじめとして、伊豆諸島では記録的な雨量になっている。土砂災害には特に警戒が必要だろう。東名高速も富士～清水間が波をかぶって通行止めになった。これはいつものことだが、関東各地でも今後土砂災害などに十分注意が必要。台風の通過時間にもよるが、16日朝の通勤は暴風雨の影響を受けることになるだろう。テレビでは不要の外出を避けるように呼びかけていたが、台風の強さを考えれば、すべての外出を控えるレベルでいいと思う。通勤についても無理は禁物。やがて嵐は過ぎるのだから、それから動けばいい。明日の朝の人々の行動がある意味東京の災害への意識を試されることになる。脆弱さを示すことにならなければいいのだが。

  2013.10.16

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• 鵜住居地区防災センター:震災の記憶を胸に「お別れの会」

  東日本大震災の津波で推定２００人以上が犠牲となり、岩手県釜石市が解体方針を固めている同市鵜住居（うのすまい）町の「鵜住居地区防災センター」で１２日、建物内では最後となる犠牲者追悼のお別れ会があった。約７０人が参列。遺族連絡会の三浦芳男会長（６８）が「次世代の復興の礎となるよう（悲劇を）決して忘れてはいけません。さようなら」とあいさつ。遺族らは花を手向け合掌した。これに先立ち市は遺族に解体方針を説明。遺族から「建物があってこそ伝えられる教訓がある」「防災教育のため『物言わぬ証人』に」などと保存を求める声が相次いだ。野田武則市長は、遺族が心の整理をする時間を考え、月内の予定だった解体開始を、最大で年内いっぱいまで遅らせる意向を示した。市は解体跡地に慰霊碑などを建てる一方、センターの名前を刻んだ銘板や津波の跡が残る壁は別施設で展示する方針。野田市長は遺族に「慰霊の場と、教訓を伝える場所は分けて取り組みたい」と理解を求めた。センターは津波の避難所ではなかったが、市の周知不足から多くの住民が逃げ込み、犠牲者が出た。「つらい記憶がよみがえる」という遺族が多く、市は８月に解体する方針を示していた。（毎日jpより）------------------------------災害の教訓を残すための遺構保存については、震災直後から様々な議論があったが、最終的に残るものはそう多くないだろう。遺族の意見は二つに分かれるが、現実的にはやはり「つらい記憶がよみがえる」という当事者たちの声に耳を傾けないわけにはいかない。保存の主体をどこが担うのか、あるいは維持管理にかかる費用の捻出も課題の一つだ。陸前高田市ではいくつかの施設が保存される見込みだが、いずれも犠牲者がなかった施設。鵜住居の防災センターは多くの犠牲があったことを考えれば、心理的にも残すことは難しいだろう。南三陸町の防災庁舎や大槌町役場など、象徴的な建物はやはり去来するものが大きい。防災センターも同様で、前を通るたびに心の中で手を合わせる日々だ。ただ、これらの施設を解体することになったとしても、悲劇を繰り返さないためにも、教訓は全国に向けて残さなければならない。実際、何とか伝えようと活動されている地元の方も大勢いる。教訓を伝える方法については、解体と同時進行で進めるべきだろう（一部を何らかの形で保存することもあり得るので）。もちろん、復興が進むことが大事な条件になる。

  2013.10.14

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• 津波　被災文化財９０以上予測　県教委、ハザードマップ

  大地震による津波で被害を受ける可能性がある国や県の重要文化財や、国の登録有形文化財などの位置を地図上で示した文化財版「ハザードマップ」を県教委が作成している。県が公表した津波浸水域のデータを基に調べたところ、９０以上の文化財が水につかる可能性があるとみられ、県教委は今月中にもマップを完成させ、災害からの文化財保護に役立てたい考えだ。２０１１年の東日本大震災では、多くの文化財が水没したり、流されたりする被害を受けた。徳島県教委は同年３月、地震や水害から文化財を守るためのマニュアルを初めて作成したが、津波の項目はなく、１２年に、県の暫定津波浸水域を基に、仮のマップを作成していた。今回、県が昨年１０月に正式な浸水域を公表したことに伴い、新たに作成。浸水が想定される地域にある文化財の場所を、県教委教育文化政策課の職員が一つずつ確かめ、地図に落とし込む形となる見込みで、中には、国の重要文化財に指定されている建造物や仏像も、浸水域に含まれるという。作業は現在、同課が割り出した位置情報を沿岸の９市町が確認している最終段階で、完成後はマップを市町村などに配布し、文化財のうち、移動できるものは、建物の上階に移すなど、保管方法の検討や、危機意識の向上に役立ててもらう。同課は今後、県内のすべての文化財の所有者を対象に、防災上の課題を洗い出すアンケートも行う予定で、「一度失われたら戻らない文化財は貴重な財産。総合的な防災対策を講じて、日頃から備えてもらいたい」としている。（読売新聞より）------------------------------文化財を対象としたハザードマップは珍しい。ただ、ハザードマップが「地域住民の生命と財産を守る」という意味では、文化財は立派な地域の財産といえるが。ただ明らかに人と異なるのは、文化財は自ら避難できないということ。マップで明確に浸水想定区域内に入った場合にどうするのかが問題となる。津波襲来までの時間を考えると、持って避難するのも現実的ではない。上層階へ移せるようなものはまだいいとしても、そうでないものは予め保管施設を考え直さなければならない。また、建造物そのものが文化財というケースも多く、その場合は移動もままならない。もっとも、歴史の中で津波は何度も襲来しているわけで、その都度多くの文化財（に相当するであろうもの）が流れたはずではある。そうした歴史的経緯も含めての文化財なのだ。まずはマップで現状を知ることが大事。それぞれの置かれた環境をしっかり共有して、何がベストの対応なのかをしっかりと見極めたい。

  2013.10.13

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• ネット防災地図を簡単に作成・共有…ＮＴＴ西

  ＮＴＴ西日本は９日、台風や地震などの発生に備え、自治体や住民らがインターネットを活用し、危険な場所や避難場所を示すハザードマップ（地域防災地図）を簡単に作成、共有できるサービスを１１月１日から始めると発表した。自治体や住民がデジタル地図上に防災情報を簡単に追加でき、住民はパソコンやスマートフォンなどで災害時の最新情報を確認して行動できるという。地域防災地図は、自治体にあるパソコンなどではなく、ＮＴＴ西のデータセンターに保管する仕組みだ。写真などを地図に取り込むなど最新の情報を簡単に追加することができ、自治体の担当者だけでなく、地域住民が周辺地域を調べ、「冠水しやすい道路」や「大雨のときに危険なマンホール」などの危険情報を書き加えることもできる。データセンターは大規模災害時でも、住民はパソコンやスマホで接続可能で、最新の防災情報を確かめながら避難できる。５万人規模の自治体なら、システム導入の初期費用が３５０万円、月当たりの利用料金が１５万円。人口規模などに応じて価格は変わるという。ＮＴＴ西は５年で１０億円の売り上げを目指す。（読売新聞より）------------------------------短い記事なので詳細までは分からないが、いわゆるクラウド型の防災地図サービスだろうか。作成時の機能がどの程度なのかは未知数だが、この価格であればそれなりの機能は備えているのだろう。データがＮＴＴ西のサーバに保管されるので被災しても大丈夫、ということなのかも知れないが、発災後に電気や通信など、サーバにアクセスできる環境が保障されていない点は不安。逆にもしアクセスが可能であれば防災地図上に被災状況などを集約できるメリットはあるかも知れない。ただ、シンプルな防災マップを考えると金額的には正直高い印象。多くの自治体が契約して、それらがネットワーク化して発災時に相互に連携できるのなら悪い仕組みではないと思うが。

  2013.10.12

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  新刊

  本日10/10、旬報社から新刊が出ます。「首都大地震揺れやすさマップ」東京周辺を60の図に分け、それぞれを見開きで左側に土地条件図の地形分類、右側は大正時代（関東大震災当時）の旧版地図を背景に土地条件図の地形分類からガイドラインに従って読み替えた揺れやすさをオーバーレイした図が入り、両方を見比べることで、その土地のハザード情報を知ることができる地図帳です。目黒公郎先生が監修で、私が各ページの地図から読み取れる概要的な解説を書かして頂いております。まあ解説文はさておき、地図を見ているだけでも十分に楽しめる1冊かと思います。アマゾンでの購入はこちら。どうぞよろしくお願いします。

  2013.10.10

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• 災害危険性地図に表示　小松島市、ＨＰに「備えるマップ」

  小松島市は、市のホームページ（ＨＰ）内に「災害に備える高さマップ」を開設した。市内の地図上で場所を選ぶと、地盤の高さや南海トラフ巨大地震の津波による浸水深などがイラスト付きで分かりやすく示される。市民に想定される被害の数字を身近に感じてもらおうと導入した。市によると同様のシステムは県内初で、全国では松山市に続いて２例目。　津波浸水、洪水浸水、土砂災害の３種類を用意。地図を拡大し、住宅や公共施設などにマウスを合わせてダブルクリックすると、その場所の地盤高（海抜）に加え、国と県の最新被害想定に基づく津波浸水深、２００７年に市が策定した洪水ハザードマップに基づく洪水浸水深が、別ウインドーで表示される。別ウインドーでは、２階建ての家屋やビルのイラストの隣に想定される高さを、津波は８段階、洪水は５段階で示し、被害を視覚的に捉えられるよう工夫した。地図上には市指定の津波避難場所や、県指定の土砂災害危険箇所も記している。事業費は４３９万円。市民安全課は「市民の自助に役立ててほしい」としている。マップはこちら。（徳島新聞より）------------------------------松山市で運用された際にも紹介したような気もするが…これはとても分かりやすい。地図上で自分の家を探してダブルクリックすれば、詳細な説明が出てくる。当該箇所の地盤高はもちろん、想定浸水深や具体的などんなことになるかまで説明が表示される。とても親切で、自助に役立ててというのはすごく分かるが、親切ゆえの問題もあるように思う。その最たるが、想定値を誤認しないかということ。これだけ親切に示されれば、人は信じてしまうもの。もし想定を超えるようなことがあった場合、果たして避難行動ｎ出れるだろうか。懸念はそこだけ。機能としては歓迎すべきものだと思うので。使用上の注意をしつこく周知する以外にないのだろうけど。

  2013.10.05

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• 広島県、巨大地震で独自想定

  広島県は20日、南海トラフを震源とするマグニチュード（Ｍ）９クラスの巨大地震が発生した場合、県内では最大約１万５千人の死者が出るとの独自の被害想定を発表した。内閣府が昨年８月に公表した同地震の被害想定に、堤防の損壊や潮位の上昇などの条件を加えて「最悪のケース」で算出。死者数は内閣府が推計した約８００人の18・４倍に膨らんだ。９割以上が津波による死亡だった。県は今回、内閣府が「機能不全は一部にとどまる」と想定する堤防の状態を「揺れで破堤し、ほぼ機能しない」と抜本的に見直した。さらに地震発生時の潮位を年間最高値に設定し、標高などの詳しい地形データも追加して再計算した。被害想定によると、県南部の大半が震度５強～６強の揺れに襲われる中、海岸の堤防の大部分が損壊して沿岸部が浸水。最短で３時間38分後に高さ１・２～１・９メートルの津波が到達し、１万２４７４ヘクタールが浸水する。面積は内閣府想定の11・４倍となり、広島市や福山市など沿岸都市部で被害が拡大する。負傷者数は内閣府想定に比べ、２倍の２万２２２０人、全壊の建物は２・９倍の６万９５６１棟。液状化が３万９５６０棟と全体の６割近くを占め、津波１万５０９０棟▽揺れ１万４５０１棟―と続いた。発生翌日の避難者数は59万１５０６人、経済被害は約８兆９千億円と見込んだ。２０１１年３月の東日本大震災を受け、県は昨年４月に大学教授たち11人でつくる地震被害想定調査検討委員会を設置。データの分析作業を進めていた。まとめた被害想定は県のホームページで公開。市町別の被害想定を10月にもまとめる。（中國新聞）------------------------------「最悪のケース」とはいえ、驚くべき数字だ。通常、想定を上げれば発生頻度が下がるために、オオカミ少年効果の懸念もある。しかし、瀬戸内の場合はまだまだ津波への意識は高くない。賛否両論あっても、結果として津波被害の可能性を示唆するだけでも意味はあると思う。3.11の津波災害後に瀬戸内のいくつかの市町村の防災系部署を訪れて話を伺う機会があった。テレビや動画等であの津波被害を目の当たりにしても、「瀬戸内は高潮はあっても津波はほとんど関係なし」という空気が強あった。それだけに新たな県の想定が津波への意識を高める材料になることが期待される。備えておくことは無駄にはならないのだから。

  2013.09.24

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• 避難経路、地図で納得　高台への時間で塗り分け　陸前高田

  津波の際に素早く安全に高台に避難できる経路を「見える化」する「逃げ地図」作りが２１日、岩手県陸前高田市の高田東中であった。３年生約６０人と地区住民３３人が参加した。陸前高田まちづくり協働センターが主催し、明治大の山本俊哉教授（都市計画・安全学）と日建設計（東京）が指導した。参加者は１１グループに分かれ、東中学区の３地区ごとに地図を作った。標高２０メートルの等高線と高台に通じる道路が交わる箇所を「避難ポイント」に設定し、周辺からその地点まで３分で逃げられる地域は緑、６分かかる地域は黄緑という具合に色を塗り分けた。作成後の発表では「山が近いのに道路がないので避難に時間がかかる」「高台が近い分、坂が急で高齢者は大変」などの意見が出た。高田東中３年の佐藤世里香さん（１４）は「色分けすると、住んでいる地区のどこが逃げにくいか分かった」と話した。山本教授は「防災活動や避難経路の改善などを若い世代が主体的に考えるきっかけにしてほしい」と感想を語った。（河北新報より）------------------------------逃げ地図の有効性は各方面で知られるようになってきたが、未来に生きるこどもたちに実際に作ってもらうのは意義がある。特に、津波を経験している陸前高田では、子どもたちもまた違うアプローチがあるのかも知れない。本来避難を考慮した街づくりの合意形成ツールとして威力を発揮する逃げ地図だが、実習を通じて「地域を知る」「避難を知る」という効果も大きい。自分の抱いているイメージと、実際に地図を塗り分けてみた結果とは案外違うもので、そのことを知るのも意味のあることだ。そしてこの中学生たちが、将来にわたって「安全安心」と「リアスの暮らし」が両立できるような街をつくっていってくれることになるのかも知れない。この取組、まだまだ広がっていくはず。

  2013.09.23

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• 【記者の視点】釜石の悲劇を考える、間違った避難なぜ

  東日本大震災の発生直後に２００人以上の住民が避難し、津波にのまれた建物がある。岩手県釜石市の鵜住居（うのすまい）地区防災センター。海に近く、津波の避難場所ではなかった施設になぜ人々は向かったのか－。この夏、調査委員会がまとめた中間報告書には、記者が２年半前の現地取材で感じた疑問の答えが記されていた。「取り繕い」「なれ合い」といった悲劇へ至る過程は、神奈川でも、何げない日常として今この瞬間も重ねられているかもしれない、と感じられてならない。１通のメールがセンター職員から送信された。〈今回は２階を使って避難者を受け容（い）れたがこれで良いか？…〉 チリ地震による津波警報が出された２０１０年２月２９日、住民３４人が避難のために集まっていた。防災センターは鉄筋コンクリート２階建て、海岸線から１・２キロ、標高４・３メートルに立つ。明治三陸地震津波の浸水区域のため、津波が予想される際に逃げ込むべき１次避難場所には指定されていない。あくまで水が引いた後に被災者が身を寄せ、避難生活を送るための施設だったが、住民が津波の避難場所と勘違いしていることは明らかだった。市役所本庁からメールの返事はなかった。１年後。懸念は現実になった。３月１１日、避難してきた住民は推計で２４４人。約３０分後に押し寄せた津波は２階天井付近に達し、生存者は３４人だけだった。警告はなぜ、放置されたのか。成り立ちからの経緯をたどると、後戻りできなくなっていった状況が浮かび上がってくる。センター建設は、老朽化した市の出張所や公民館を１カ所にまとめて建て替えて、消防出張所を併設する計画で始まった。地域の災害対策拠点としての位置付けがなされたのは着工の１年半前。厳しい財政状況が理由だった。建設の財源は市債の発行に頼らざるを得ない。防災施設建設の名目なら市債の割合を高められ、財政負担も軽くなる。国の補助金も期待された。防災の役割は後付けだった。結局、国の補助は受けられず、予算上の制約もあり、３階建て以上とすることや屋上への避難階段の設置は検討されなかった。名称は、起債の名目に整合させるため「防災センター」に決まった。名称に沿うように１０年２月の開所後は避難訓練の会場としても使われることになる。中間報告書に記された生存者の証言にやりきれなさがにじむ。「直前の避難訓練で避難場所になっていたので避難した」本来の避難場所ではない防災センターで行われてきた訓練。それはしかし、住民自身が望んだものでもあった。会場に使いたいと市に持ち掛けたのは町内会長だった。理由は「寒さについて苦情が出ることから」。市も「訓練のための避難場所」として了承。町内会役員は「訓練のための訓練であった」と振り返った。報告書は背景について次のように指摘する。「市にて例年行われる避難訓練について、住民の参加率は高いものではなかった。住民に避難行動を起こさせるためにも、避難訓練に参加させることが求められ、いつしか避難訓練の参加率を上げること自体が求められるようになっていた」一方で、鵜住居地区は住民主体の防災訓練に熱心であった点も見逃せない。報告書には、町内会の提案は高齢者や体の不自由な人への配慮があったと触れられている。３月３日の避難訓練には早朝にもかかわらず１０１人が参加。５００メートル離れた高台の会場の参加者を上回るまでになっていた。そして８日後－。報告書をまとめた調査委員会のメンバーでもある釜石市の山崎義勝・危機管理監は言った。「今回の悲劇に至る過程は防災に限らず、どの組織でも起こりうることだと思う。全国の自治体には、そういう教訓としても覚えていてほしい」どこにでもある。「いつかはね」「今のところはさ」。家庭でも、学校でも、職場でも…。たいていは大過なく済む。だからまた、「まあいいや」が続いていく。２０１１年３月１１日。釜石市鵜住居町には奇跡と悲劇が隣り合った。海沿いの小中学校は周到な防災教育が実を結び、一人の犠牲者も出さず「釜石の奇跡」と称賛された。学校から徒歩で１０分。鵜住居地区防災センターで起きた「悲劇」は、すぐそばで起きた奇跡に光が当たるからこそ濃い影を落とした。２００人以上と推計される犠牲は、長年にわたる「まあいいや」の積み重ねが招いた結果といえた。防災名目なら予算がつく。名称も防災センターにしよう。高台の避難場所に行くのは難儀だし、寒いと訓練の参加率が下がるから、暖かくて近いここでやりたいな。市民の要望ならば、仕方ないですね－。なれ合いの末、大切なものがすっぽり抜け落ちる。どんな組織でも身につまされるところがあるはずだ。遺族連絡会会長として市の責任を追及してきた三浦芳男さん（６７）は言う。「調査を進めるほどに、はっきり誰々の責任と言うのが難しい問題だと分かった」。なれ合いは責任の所在をあいまいにし、遺族の憤りの矛先すら中ぶらりんにしてしまう。横浜市中区役所では、この悲劇を教訓にしようと取り組みが始まっている。全職員対象の防災研修で防災センターを特集した報道番組を教材とし、「甘さ」の排除を説く。海沿いの自治会には「訓練のための訓練は悲劇を招く」と警鐘を鳴らす。久代雅之副区長は「以前なら、『９月の訓練は暑いから日陰で』という自治会に、ノーと言えたかどうか。鵜住居のケースを見て、参加率ありきの訓練を続ければ、横浜でも同じことが起きかねないと強く思った」と語る。海岸線を抱えるほかの自治体でも訓練の見直しや避難ビルの指定、津波浸水予想の看板設置など新たな対策が進む。一方で避難ビルがオートロックのため、いざというときに逃げ込めるか分からないといった課題を抱えたままだ。震災から２年半が経過した。危機感に駆り立てられて走りだした防災施策も、運用には大小さまざまな難関が立ちはだかる。だが、「仕方ない」「いつかは」と妥協を重ねていけば、当初の理念は必ず埋没する。そこで踏ん張れるかどうかが、いつかの奇跡と悲劇の分かれ目となる。（カナロコより＝報道部・佐藤将人）------------------------------これは記者の思いというか、メッセージの詰まった記事だ。鵜住居の悲劇は釜石の奇跡と対極をなす、象徴的な被災だった。記事にあるように、色々な不手際が重なった末の被災。予算がつきやすいから、という事情はあるにせよ、「避難してはいけない防災センター」というのは如何にも分かりにくい。少なくとも、この名称が多くの犠牲を生んだことを認識しておくべきだろうたかが名称だが、名称の印象は強いものだ。さらに避難訓練の不手際が重なる。「避難してはいけない防災センター」を、「訓練だからいいだろう」という理由で仮の避難所として使ったことは決定打になった。避難訓練と違う場所に逃げるということを多くの人は理解しえない。そして２０１０年２月のチリ地震で、避難場所でないこの場所に、住民３４人が避難のために集まったこと。そのことを問題にせず見過ごしたこと。それどころか、問い合わせが放置されていたこと。記者が言う「２００人以上と推計される犠牲は、長年にわたる「まあいいや」の積み重ねが招いた結果」というのはまさに真理だ。過ぎてしまったことは帰らない。ならばせめてこの教訓を全国で共有するべきだろう。それは生易しいことではない。「次」は明日かも知れないが、200年後かも知れないのである。その間、なあなあにならず、どれだけ空振りが続いても同じことを続けられるか。結局問われているのはそこではないか。

  2013.09.22

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• 豪雨の波紋　浸水地図、問われる信頼　／滋賀

  「破堤した所は少し想定が違ったが、それ以外は比較的反映されている」。県内各地で観測史上最大の豪雨を記録した台風１８号。一夜開けた１７日、高島、栗東両市の水害現場視察を終えた嘉田由紀子知事はこう強調した。流域治水条例案の特徴である建築規制。２００年に１度の大雨で３メートル以上の浸水が見込まれる場所を「危険区域」に指定し、住宅や福祉施設の新築や増改築の際、地盤のかさ上げか、近くに避難所の用意を義務付ける。その危険区域を決める基礎資料が「地先の安全度マップ」だ。県が５年越しで開発。大雨の規模別に県全域の浸水危険度をホームページなどで公表した。規制につながる情報だけに、問われるのは信頼性だ。同様の水害リスクを示す地図には、水防法に基づく洪水対策のための浸水想定区域図や各自治体のハザードマップもあるが、安全度マップは細かな排水路や複数河川の同時氾濫なども予測に考慮。計算に使う過去の気象観測データも増やした。開発した県流域治水政策室は「従来のものより精度が高い」と自負する。新しい技術として土木学会関西支部から昨年度の技術賞部門賞を受賞。「お墨付き」も得た。安全度マップを基に試算した危険区域は、現時点で琵琶湖に注ぐ河川沿いを中心に８市町で計約２０万平方メートル。県面積全体の０・５％に相当し、建物約１０７０戸が対象となる。嘉田知事は「住民自ら危険性を認識し、命を守る覚悟をもってほしい」と思いを込める。だが、台風１８号では高島市の鴨川と栗東市の金勝（こんぜ）川で「想定外」の決壊が起き、浸水被害が出た。記者会見で安全度マップとの整合性を問われた嘉田知事は「堤防の材質が弱かった」「河川改修の境目だった」と、想定外の理由を挙げ、「マップはその時々の状況でプラスアルファの情報が必要というのが今回の教訓」とかわした。別の視点から危険区域指定を問題視する声もある。県市長会は７月、「土地の資産価値が下がり、売買に支障が出る恐れがある」と県に疑問を投げかけた。条例案は不動産売買時に浸水区域の情報提供に努めることも規定しているからだ。県は条例化に向け法的問題がないかを大津地検と相談。「水害リスク情報は売買時に積極的に提供すべきもの。区域指定は公共の福祉の観点からの制約だ」と理解を求める。新たな試みの安全度マップ。この地図で県側が初めて危険を認識したという場所もある。担当者が大津市の住宅街に一角だけ、深さ５メートルの浸水を表す地点を発見。現地に赴き、線路沿いの目立たない場所に突然くぼんだ路地と複数の住宅があるのを把握した。取材に訪れると、住民の男性（６０）は当惑気味に話した。「確かに危険の認識は必要だと思うが、今さら危険区域にされるのは困る」県は地盤のかさ上げが必要になる住民の負担を一部補助する制度を用意するが、区域の境界では受給差が生じるなど微妙な問題も絡む。嘉田知事は、実際の指定には市町長の同意を得る形を取り、協議に時間をかける意向だ。（毎日jpより）------------------------------これはそれぞれの立場と問題点を指摘したいい記事。現状の防災の課題の核心ともいえる。減災の早道はリスクの高い土地には住まないことにつきるわけだが、現実的にはそうもいかない。特に都市周辺部においては、古くから人が住んできた居住に適した土地はほぼ飽和状態。新規で開発しようとすればどうしても条件の悪い土地が選ばれがち。山を切り開いて造成する方法もあるが、コストも高いし、これとて「谷埋盛土」のリスクが発生する。現在の住宅事情で「リスクの高い場所に住むな」というのもなかなか現実味がない。ならばせめて自分の住む場所にどのようなリスクがあるのかを知らせておいてはどうだろう。「こちらの土地は○○のリスクがあります、その分値段は安いです」という具合だ。浸水の危険がある土地は往々にして地震の際にも揺れやすい土地。多くの人にとって生命や財産を守ることは最優先されるべきだし、そのための情報はもっと積極的に開示されるべき。その上で、金額とのトレードオフはあったとしても、納得の上で物件を選べるのが理想ではないだろうか。必要であればそれなりの措置（耐震や免震、かさ上げなど）を講ずることだって可能になる。本来損保などでも土地のリスク評価が反映されなければならないと思うのだが、日本ではほとんどされていないそうだ（アメリカではリスクにより掛け金が異なると聞いた）。そこには意識の問題ももちろんあるが、記事にもあるように「土地の資産価値が下がり、売買に支障が出る恐れがある」「今さら危険区域にされるのは困る」といった当事者や利益享受者の意向もある。日々の暮らしや経済活動において、常に災害のことを考えて制約を受けることはなかなか難しい。これまで様々なリスク情報がありながらも、世の中に開示されてこなかったのはそうした事情が背景にある。それだけに、「住民自ら危険性を認識し、命を守る覚悟をもってほしい」という滋賀県の方針は、減災を考える上で大いに指示されるべきものだと思う。その一方で、指定するマップの精度は（様々な想定を反映したとしても）100％という性格のものではない。「マップはその時々の状況でプラスアルファの情報が必要というのが今回の教訓」というのも正直なところだろう。課題はまだまだ多いが、「情報の開示」とそれに応じた「自己責任選択」いう方向性は今後広がっていくべきと思う。

  2013.09.20

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• 園児送迎バス訴訟、園側に１億７千万賠償命じる

  東日本大震災で、宮城県石巻市の私立「日和ひより幼稚園」の送迎バスが津波に巻き込まれた事故を巡り、死亡した園児４人の両親が園側を相手取り、２億６６８９万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が１７日、仙台地裁であった。斉木教朗のりお裁判長は「元園長が情報収集義務を怠った結果、高台から海側にバスを出発させ、津波被災を招いた。安全配慮義務違反による損害賠償責任がある」として、１億７６６４万円の支払いを命じた。大きな揺れが約３分続いたことなどから「津波は容易に予見できた」と判断した。訴えられたのは、同幼稚園を運営していた学校法人「長谷川学院」と当時の園長。震災の避難誘導を巡り、管理者の責任を問う訴訟で判決が出るのは初めて。判決によると、送迎バスは、地震発生から約１５分たった２０１１年３月１１日午後３時頃、園児１２人を乗せ、高台の幼稚園から海側に向けて出発。７人を降ろした後、門脇小学校にいったん避難した後、園に戻る途中で津波に巻き込まれて横転、火災に遭って、園児５人と添乗していた女性が死亡した。運転手は被害を逃れ、幼稚園は津波を受けなかったが、今年３月、休園した。訴訟の最大の争点は、バスが津波に巻き込まれることを予見できたかどうかだった。園側は「予測不可能な異常な津波で引き起こされた不可抗力による事故」と主張していたが、判決は「最大震度６弱の揺れが約３分も続いており、地震の震源地などによっては巨大な津波に襲われるかもしれないことは容易に予想され、ラジオや防災無線を正確に聴くべきだった」と判断。「報道では宮城県に６メートルの津波が予想されており、高台の幼稚園にとどまるきっかけとなる程度の津波の危険性を予見することは可能だった」と退けた。（読売新聞より）-----------------------------ある意味衝撃的判決だと思う。これをどう受け止めるのか、なかなか難しい。確かに、この子どもたちは亡くならなくていいはずの子たちだった。幼稚園の判断はまさに最悪の選択だったわけで、親御さんの気持ちは十分に理解できる。しかし判決理由そのものは結果論の域を出ない。判決の骨子は以下の通り1.最大震度6弱の揺れが3分間も続いていたから、巨大な津波に襲われるかもしれないと容易に予想できた2.幼稚園児は危険を予見する能力が未発達で、園側は園児を保護する注意義務があった3.園長は津波の情報を結局的に収集すべき義務があったのに怠った4.義務を果たしていれば高台の幼稚園に待機させたであろうから、園児が命を失うことはなかった率直に考えて、1については、災害リテラシーの問題でもある。大きな地震が来たら津波を警戒するのは常識だと思うが、その常識を事前に職員たちが身に着けていたか、もしそうでないとすれば、事前にある程度の防災教育によりリテラシーを高める努力はされていたのか、ということにもなる。その要求がきちんとされていなくて、「常識だから」で片付けられるかどうかは、実は社会全体としての災害リテラシーにも関わって来る話である。この遭難において、もっとも重要なのは3だと思う。つまり、的確な情報収集がされていなかったこと。大津波警報が出ていることをきちんと把握していたのか。子どもたちの待機・引き取り・送迎について、事前に園と父兄の間で非常時にどのような取り決めがあったのか、あるいはなかったのか。というのも、幼稚園側が子どもたちを帰そうとした行動は何らかの根拠があるのでは、と感じられたので。いずれにしても（子どもたちの住んでいる場所に関わらず）無条件に子どもを帰すことを選択したのは、安全上最良の選択とはとても思えず、幼稚園側が子どもたちを親に帰すことで責任から解放されようとした側面があったと見られても仕方がない。いずれにしても、恐らく縁側は「大丈夫だと思った」のだろう。それが最悪の選択を生んだことは否定できない。ただ、その判断が「常識」の範囲内であるかどうかは意見が分かれるところだろう。単にリテラシーが低いだけの人と考えることもできるからだ。津波が防波堤を越えないという認識だったとすれば、国や自治体をはじめ、この災害で失敗した多くの人が口にする「想定外」ということになる。いやいや、とにかく大津波警報が出ているのに現在地より低い場所へ向かうことが裁かれるべき過失だと考えるか。三陸地域ではこの時、自宅より低い避難場所へ降りて来て被災した人たちもたくさんいるが、自治体がそんな低い場所に避難場所をつくったことは「常識」に反する、裁かれるべき事象ではないのか。こうした疑問がなくもない。同じような判断をしながら偶然助かった学校や幼稚園もあるときく。今回の判例から、紙一重の結果論が判決に結びつくことは覚悟するべきなのかも知れない。この判決は今後も続く類似事例にも影響を与えることになるだろう。どこまで責任が問われるのか、こうしたケースは他の災害でも起こり得るだけに、なりゆきを注視したい。

  2013.09.18

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• 台風１８号、列島縦断　３人死亡、５人不明

  大型の台風１８号は１６日午前８時前、愛知県豊橋市付近に上陸し、関東甲信から東北を縦断して太平洋に抜けた。上陸前から広い範囲で大雨となり、気象庁は午前５時５分、福井県、京都府、滋賀県に大雨特別警報を発表した。８月３０日の運用開始後初めて。台風を取り巻く雨雲が流れ込み、１５日午後から雨が降り続いていた。各地の警察などによると、この影響で岩手、福島、三重、福井、滋賀、兵庫の６県で３人が死亡し、５人が行方不明。うち滋賀県栗東市で１５日深夜の土砂崩れで住宅が倒壊、女性（７１）が死亡した。（共同通信より）------------------------------台風18号は各地で土砂災害や浸水などの被害を出し、また京都を筆頭に、避難勧告・避難指示の多さも異例だった。気象庁が8月30日から運用を開始した「特別警報」が初めて実際に「大雨特別警報」として京都・滋賀・福井に発令された意味でも記録に残る台風といえる。京都では桂川が一部で越流氾濫したほか宇治川や鴨川でもかなり水位が上昇した。河川の増水による氾濫の危険は雨が止んだ後にも続いていた一方で、大雨特別警報はあくまでも「大雨」が対象であるため、雨が過ぎた時点で大雨警報に引き下げれらた。しかしこの時点では河川はまだ危険な状態であったことから、ネット上では疑問の声が上がっていた。もし「洪水特別警報」があれば違った対応になっていたろう。このあたりは、非常に分かりにくい部分である。一方で、気象庁はあくまでも気象の予報を行う機関であり、注意報や警報も基本的には気象現象に対して発令されるものだ。一方、河川が溢れる溢れないは気象とは全く関係がなく、むしろ河川管理者が注意情報などを発信している。つまり河川が溢れるか否かには気象庁は全く関与しない（できない）。むしろ河川の構造を管理し、氾濫警戒水位・危険水位などを設定している河川管理者にしか判断できないということだ。で、実際に河川管理者は各河川が氾濫警戒水位や氾濫危険水位を越えた場合は発表され、必要に応じて氾濫警戒情報や氾濫注意情報も出している。しかし情報の受け手はそもそも気象庁だの河川管理者だの分けて考えていない。このあたりはしっかり周知する必要があるが、マスコミもその旨はしっかり報道できるはずである。また、ダムなど治水施設の重要性ももう少し知られていいように思う。治水のあり方としての賛否両論はもちろんあるが、現在の治水体制においてはダムの果たす役割は極めて大きい。また、東京の山手で以前よりも氾濫が減ったのも、排水管の高規格化や、環七地下調整池などのインフラ整備が進んだためだ。現在の防災はハード・ソフト両面が成り立ってこそ。課題をひとつひとつつぶしていくことで、さらなる改善がされていかなければならない。

  2013.09.17

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• 福島県双葉町の伊沢町長が加須の避難所退去促す説明会

  東京電力福島第１原発事故による避難所として、最後まで残っている埼玉県加須市の旧騎西高校。東日本大震災の発生から１１日で２年半が経過するが、同校では今も福島県の双葉町民９９人が避難生活を続ける。１０日は伊沢史朗町長が訪れ、退去を促す説明会を開いた。同時に町長は「一人でも残っていれば閉鎖しない」とも述べ、さまざまな事情を抱えた町民への対応の難しさを改めてにじませた。埼玉県は福島県からの要請を受け、双葉町からの避難住民に対し、借り上げ住宅を提供している。今月６日には１２世帯２５人の入居が決まった。入居決定の通知書では、決定から２週間以内に入居することを求めており、伊沢町長は説明会でこのことを順守するよう求めた。ただ、避難住民の中には介護が必要など事情がある人もいる。このため「避難所は１人でも残っていると閉鎖しない」と強調した。旧騎西高校について伊沢町長は「ここは元教育施設で住むのに適した施設ではない。人間らしい環境、普通の生活に戻ることが大切だ」と語り、早期の退去を呼びかけた。さらに東京電力の損害賠償請求問題に触れ、「国に支援を要望するにしても町が残ること、町を維持することが大事。役場の機能はみなさんが住んでいるから機能する。分散していると自治体としての機能が継続できない」と述べ、福島県内に帰還してほしい意向ものぞかせた。説明会には避難住民のほとんどが参加。伊沢町長に対しては、「町が今後について方向性を示してくれたら安心して退去できる」、「退去後に孤立化は防げるのか」などと質問や要望がぶつけられた。１０月中に避難所を出て埼玉県内の一戸建てに引っ越す関根茂子さん（６２）は、避難所暮らしについて「皆さんとの仲も深まった。でも、炊きたてのご飯は食べられないし、心から落ち着ける場所ではなかった」と振り返る。「ここで埼玉の人によくしてもらった分、今度は自立して何らかの形で恩返ししていきたい」と話した。一方、林菊治さん（９１）は「ここでおしゃべりしている方が楽しい。出て行くつもりはないよ。独り暮らしをしてボーっと過ごす方が不健康だ」と話した。（msn産経ニュースより）------------------------------東日本大震災から2年半。被災者一人一人にそれぞれの2年半があり、またそれぞれの未来がある。国として、県として、あるいは自治体としての復興の進捗如何に関わらず、それぞれの人生が過ぎていく。復興には長いビジョンが必要だ。その一方、一人一人の被災者にとっての「今」もおろそかには出来ないはずだ。復興を焦るということでなく、今できることもきちんと考えていく必要があるだろう。2年半を経て重い真実もある。現在でもまだ2600人の行方不明者がいること。29万人もの人が仮設住宅に暮らしていること。そしていわゆる「震災関連死」が増えていること。その中には自殺者も多く含まれるという。また岩手、宮城、福島３県の仮設住宅での、いわゆる孤独死が８月末時点で、少なくとも８１人に上ることが分かった。旧騎西高校は今でも残っている避難所である。双葉町民は帰るに帰れず難しい選択を迫られている。多くの被災者がそれぞれの傷を抱えている中、心のケアは言うほど簡単なことではないだろう。それでも人は一人では生きていけない。高齢の林さんが「ここでおしゃべりしている方が楽しい。出て行くつもりはないよ」と語っているのは大きなヒントでもあるのかも知れない。

  2013.09.12

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• 【越谷竜巻】９日で発生から１週間　被災者ケアの必要も

  越谷市や松伏町などを襲った竜巻発生から９日で１週間。被害は県内の建物だけで千棟を超える数に上った。両市町は災害対策本部の設置や避難所開設、被害状況の確認、電話の応対などに追われた。被災者から両市町に寄せられる要望は、土のうやブルーシートの配布場所などを尋ねる当初の応急的なものから、罹災（りさい）証明の発行やがれき処理、住まいの確保や補償など今後の生活に関わる内容に変わってきている。今後は行政として住居などハード面のほか、被災した独居高齢者の見守りや精神的に傷を負った子どもなどのケア、竜巻を想定した避難対策にも対応する必要がある。同じ竜巻被害を受けた両市町で、大きな違いが出たのが家屋が倒壊した被災者を支援する「被災者生活再建支援法」の適用。越谷市は同法の「全壊の１０世帯以上」の条件を満たしたが、松伏町は適用を見送られた。会田重雄町長は「同じ竜巻の被害を受けながらも、適用されないのは不公平。町独自で支援ができないか、考えたい」と検討を始めた。越谷市は避難所にいる被災者に対し、住居などに関する意向調査をする予定。松伏町社会福祉協議会は通常業務を活用したヘルパーが高齢者などの見守りに当たるという。（埼玉新聞より）------------------------------災害後の被災者のケアは常に問題になる部分。それはどんな災害でもそうだし、まして東日本大震災のように膨大な被災者がいる場合、ケアが行き届かないという側面もある。竜巻災害の場合、そこまで被災者が多いわけではない。しかし家を失った住民は少なからずいるわけで、被災者生活再建支援法の適用の有無が全壊家屋の数で決まるというのはどうにも釈然としない。また、物質的な面はもちろんあるだろうが、それ以外にも心理的ケアも大事になってくる。特に今回は多くの人が「あっという間の出来事」と話しており、避難の難しさを実感しているはずだ。特に子どもたちは顕著だろう。近年竜巻災害が増えているだけに、心理的ケアなどの対策も早急に検討する必要がありそう。

  2013.09.09

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• 同時多発災害

  今日一日で本当に色々なことがあった。まずはトップニュースにもなった栃木の竜巻。一昨日の越谷・野田に続く竜巻での大きな被害。いずれもSNS等で多くの画像や動画がアップされており、次々と情報が入ってくるのはすごい時代になったなと実感する。マスコミもこれらの画像を使用しているし、ニュースの速報性や臨場感という点ではこれまでの報道の比ではない。それにしても立て続けに起こる竜巻。昨年のつくばの例もあり、今後はますます意識せざるを得ない。予測も難しく、非常に怖い気象災害だ。大雨も猛威をふるった。東海地方は記録的な豪雨になり、名古屋市では市内全域に避難準備情報が、そして一部地域には実際に避難勧告も出た。名駅などで道路は川になる様子が、これも多くの投稿画像で知ることができた。岐阜の状況もかなりひどかった。中国・四国・九州など西日本各地の雨も深刻な状況。山陰は江津などここのところ立て続けだし、四国の瀬戸内海側は普段降水量が少ない地域だけにダメージが心配だ。桜島では午前中に大きめの爆発的噴火があり、噴煙は高さ2800mに達した。昭和火口の南側約３キロまで約３〜４センチ大の噴石が飛び、島内の国道を走っていた車や道路脇に止まっていた工事関係車両の後部ガラスなどが損傷した。さらに午前中には鳥島を震源とする地震があった。震源は400キロと深く、最大深度は4ながらも、かなり広い範囲を揺らした。同じ日にこれだけ広域的・多発的に災害の可能性がある現象が発生するのは珍しいが、しかし実際にこういうこともあるわけだ。同時に多発的な災害が起これば、情報の交錯や政府対応の発散、そして調査や報道も追いかけ切れない可能性が高い。組織間で協定等が結ばれているケースもあるかも知れないが、うまく役割分担をしながら網羅していくしか方法はないだろう。このようなケースも事前にある程度枠組みをつくったり、シミュレーションを行うなどの備えが必要なのではないか。今日のようなケースをひとつのモデルケースとして準備をして欲しいと思う。

  2013.09.05

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• 東京都、「不燃化特区」を拡大　震災対策事業計画

  東京都は昨年11月に見直した地域防災計画を踏まえ、具体的な事業をまとめた「震災対策事業計画」を発表した。木造住宅密集地域の「不燃化特区」の拡大や都営地下鉄施設の耐震対策など約220の事業を盛り込み、数値目標も示した。火災で延焼の危険性が高い木造住宅密集地域については、建て替え時の補助金を拡充したり、固定資産税を減免したりする「不燃化特区」を12地区指定している。事業計画では不燃化特区を2015年度までに約50地区に増やす方針を示した。都営住宅の耐震化率は11年度末で約69％だが、改修や建て替えで20年度に100％に引き上げる。交通インフラの耐震対策も進める。都営地下鉄では高架の橋脚や駅の柱など、耐震補強の対象施設の38％を15年度までに工事を完了させる。災害時に救急車や消防車などが通る緊急輸送道路の遮断を防ぐため、沿道の建築物に耐震診断を促すなどし、耐震化率を15年度に100％に高める。津波・浸水対策では、都内の東部にある河川の堤防について、13年度に新たに計4.6キロメートルで耐震工事を実施する計画だ。都内に約100カ所ある下水道施設も、15年度までに26施設で防水扉や止水板などを設け、耐水化を施す。帰宅困難者対策として13年度に一時滞在施設の備蓄品購入への補助制度を創設。民間事業者に協力を呼び掛ける。都は昨年11月、地域防災計画を５年ぶりに修正した。首都直下地震などの被害想定で最大9600人とした死者数を、10年以内に３分の２減の3200人に抑えるなどの数値目標を掲げた。（日本経済新聞より）-----------------------------これだけの人口を抱え、ビルや高速道路、鉄道などが林立した都市が大地震に襲われてどうなるのかはまったくの未知数。関東大震災の苦い記憶が残る都市の防災については、「不燃化特区」の拡大は早急に進めるべき過大。1軒でも非耐震が残ればそこが火元になってしまうのは密集都市の宿命でもある。ここはなりふり構わず進めて欲しいところ。交通インフラの耐震も同様。特に開削式の地下鉄は阪神淡路での大開駅を思い出すまでもなく危険。銀座線・丸ノ内線・都営浅草線あたりはこのパターン。帰宅困難者は最初の局面を越えた次の段階か。直下型地震の場合は震源が離れていた東日本大震災と状況が異なる。帰宅困難以前の問題かもしれない。加えて水道管の耐震化を進めて欲しい。東日本大震災でも耐震菅の被害は少なかった。時間的猶予がどれくらいあるのかは分からないが、東京都はできることから粛々とお願いしたい。

  2013.09.04

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• 今夏は「異常気象」＝史上最高気温や豪雨－「温暖化適応策を」・気象庁検討会

  高知県四万十市で全国史上最高の４１．０度を観測した今夏（６～８月）の猛暑について、気象庁は２日、異常気象分析検討会を開いた。会長の木本昌秀東京大教授は記者会見で「極端な高温や大雨、少雨を総合すると、（３０年に１度の）異常気象だったと言わざるを得ない」と述べた。今夏の全国平均気温は平年を１．０６度上回った。２０１０年夏に１．６４度上回り、１８９８年の統計開始以来最も高かったのに比べると小幅だが、西日本に限ると１．２度で戦後４６年以来の最高。山口、島根、秋田、岩手各県では豪雨となり死者が出る一方、九州南部・奄美地方では７月の降水量が平年の１１％で史上最少となった。木本会長は、インドネシアやフィリピン付近で積乱雲が活発に生じ、偏西風が蛇行したため、大気下層の太平洋高気圧と大気上層のチベット高気圧が強まり、西日本付近で重なったと説明。強い下降気流で雲の発生が抑えられ、晴れが続いた上、空気が圧縮されて気温が上昇した。インドネシアやフィリピン付近では、海面水温が太平洋西部やインド洋東部に比べて突出して高くなり、積乱雲が盛んに発生。上昇した気流が北方で下降し、二つの高気圧を強めたという。（時事ドットコムより）------------------------------異常気象って定義がなかなか難しい。地球の歴史とまでは言わなくても、それくらいのスケールで考えると、大地震も火山噴火もそれなりに納得できるものになってしまう。猛暑や大雨についても同じだ。一方人間の生涯は100年足らず。まあ80程度と考えても、地球レベルとはスケールが大きく違う。その意味では人間社会では30年に1度の現象を異常気象というのは妥当なこと。その一方で、地球スケールという考え方があることも、もっと多くの人に知ってもらう必要がある。「こんなひどいのは70年生きてきて初めて」という災害時の決まり文句も、人間スケールでは大いに頷ける一方、地球スケールで考えれば「起こり得ること」ということになる。そのことを理解してもらうことは減災を考える上で重要なことだ。防災の様々なソフト対策や研究者のアウトリーチもこうしたことを踏まえて行われることが望ましい。地球のふるまいを知り、地域を学ぶ。なかなかやれそうでやれないのがもどかしい。少なくとも今年の「異常気象」から学べることはきちんとみんなで共有したいところだ。

  2013.09.03

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• 防災の日

  防災の日ということもあり、この週末はどこも防災訓練が花盛りだった。防災の日は、9月1日が関東大震災の当日ということはもちろんあるが、いわゆる二百十日にあたり台風の特異日であることも合わせて定められている。実際、関東大震災による火災の被害を大きくしたのは途中で風向きを変えた台風の強風だったとされる。防災訓練は僕らの世代だと「地震だ火を消せ」が重視された時代で、バケツリレーだとか、どちらかといえば火災訓練のような印象が強かった。防災頭巾（あの頃はまだ防空頭巾といっていたかも）をかぶって机の下にもぐるあたりは今と変わらないだろうけど。その頃に比べると訓練もバラエティに富んできた。避難をあまりマニュアル化しすぎてしまうのは東日本大震災の例を見ても得策ではないが、ある程度の規律を持たせたいという意図は分からなくもない。ともあれ、「地域の災害特性」をしっかり生かした訓練であって欲しいとは思う。住民サイドの訓練はもちろんだが、国や自治体の訓練も重要になる。色々なケースを想定してどう動くのかをしっかりと確認して、機能不全のないようにしてもらいたい。テレビでは安倍首相が炊き出しを食べる場面が放映されていたが、そうした二次的な対応以上に「命を守る行動」を重視した訓練をお願いしたい。土日の二日間、NHKでは例のメガクエイクを放送していて、結構な関心を集めていたように思う。一日目は関東大震災、二日目が南海トラフ地震を扱っていた。関東大震災の回は当時の被害状況を解析するもので、趣旨としてはよく分かるし、視聴者には分かりやすい作りになっていたようには思えた。ただ、横浜をはじめとして被害の大きかった神奈川にあまり触れていなかったことと、実際には多様だった被害がちょっとぼやけて火災一辺倒の印象を残してしまったことは気になる。時間の関係もあって発散させるのを避けたのだろうとは思うが。日曜の南海トラフ地震の話は、どちらかといえばメカニズムとセンサーによる前兆の解析みたいな話が主になっていて、あまり防災的ではなかったことが気になった。興味深く見ることはできても、それが減災に結びつくのかと言われれば、うーんという感じか。むしろ過去の南海トラフ地震の被害状況、特に地域特性による被害の多様性みたいなものを紹介してもらった方が実戦的かなと感じた。ともあれ多くの人の関心を集めたであろうことは想像できるので、この内容も踏まえて（適切でない点も含めて）、防災研究者は今後のアウトリーチを意識して欲しいと切に願う。

  2013.09.02

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• シニアから子へ　結ぶ土地の記憶　防災・減災に生かす

  地震や豪雨などの災害に襲われた時、どう命を守るのか。自分のいる場所が元はどういう地形だったかを知ることは、危険を避ける上で重要なヒントになる。普段は気にかけない土地の記憶。シニアが子どもに伝える取り組みが始まった。　横浜市南区の市立南中学校。地元のシニアと中学生の合わせて二十人ほどが、三班に分かれて地図をのぞき込んでいた。「昔はこの辺りに池があってね。ほら、バス停に名前が残ってる」。指をさしたのは南区六ツ川の前田ミツ子さん（７０）。ここに住んで五十年、地元の変遷を見てきた。「山を切り開き、谷や池を埋め立ててできたの。『六ツ川』の地名も川が多かったから」。話に聞き入る子どもたち。現代の地図から自宅の位置を写し取ったビニールシートを昔の地図に合わせてみる。「あっ、おれの家、崖だったの？」。あちこちで「新発見」に声が上がった。この集まりは、横浜市のＮＰＯ「シャーロックホームズ」が初めて企画した「情報をつかんで生き残れ・異世代で考える減災防災術」。今と昔の地図を比較し、災害時に自分たちの街がどうなるか考えるのが狙いだ。材料をそろえれば、どの地域でもできる。用意するのは現代の地図と、同じ地域を示す同縮尺の地図。この日は大正時代のものを用いたが、一般的には大規模な開発が入る昭和三十年代より前のものがいい。国土地理院ＨＰの「旧版地図の謄本交付」のページから一枚五百円程度で入手できる。地図を覆う透明ビニールシートと複数の色の油性ペン、シールも用意する。まず現代の地図にビニールシートをかけ、川や幹線道路、鉄道を色分けして描き込んでいく。ここに自宅や、避難所・防災拠点となる役所や警察・消防署、学校、スーパー、コンビニなどの位置をシールで記す。危険箇所としてガソリンスタンドや工場、コンビナート、木造住宅の密集地帯もチェックする。危険箇所を避けながら避難所へ向かうルートを確認する。細い道路や橋は通れなくなる可能性もあるので、う回路も考える。そうしてできたシートを、川や鉄道を目印に昔の地図に合わせてみる。自宅や避難所、避難ルートが、昔はどんな地形だったかが分かる。ポイントは沼や池、沢など水に関わる地形。豪雨で水が集まりやすかったり、地震で液状化現象が起きたり、土地が崩れる可能性もある。字名やバス停の名前にヒントがある場合もある。頼りになるのが、長年その地で暮らしてきたシニア。地図の知識が補強される。場合によっては、当初考えていた避難ルートを見直す必要も出てくる。企画を考案した消防庁防災図上訓練指導員、鈴木光さんは「平時には気付かない土地の性格が災害では出てくる。それを知るシニアは防災・減災で大きな力だ」と指摘。「平日昼間の災害では、大人は働きに出たまま帰宅できないかもしれない。地域に残るのはシニアと子ども。ここが結び付けば地域の防災力は上がる」と言う。参加した横浜市南消防署予防課の松永ゆり消防士長は「シニアと子どもが顔を合わせること自体が重要だ。子どもたちには『シニアを味方につければ怖いものはない』と教えたい」と話していた。（東京新聞より）------------------------------これはかなり効果的だと思う。土地を知ることが減災に有益なのは昔から言われていたが、なかなかいい手法がなかった。旧版地図や土地条件図を見るのが一番いいのだろうけど、一般の人には少し敷居が高い。でもこうした実習形式であれば、理解はしやすい。旧版地図に加えて、その土地の過去を知るシニアの説明が入ることで、グッとリアリティがでるし、何よりも具体的で分かりやすい。もちろん地域コミュニケーションの面でも効果が見込める。子どもたちにも、シニアにとってもプラスになるはずだ。防災を考えるときに、行動をマニュアル化するより個々が考えるようなリテラシーを高める方がはるかに重要なのだが、そのためには手間も時間もかかりがちだ。それでも、やはりリテラシー向上を捨てるべきではない。学校教育や地域活動の中で少しずつでも学んでいくことができればいい。この取り組みはひとつのヒントになるはずだ。

  2013.09.01

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• 日本半周の流失漁船、故郷・気仙沼に戻る

  東日本大震災の津波で宮城県気仙沼市の離島・大島から流失、今月初めに福井県沖で見つかった漁船「千代丸」（全長５・６メートル）が３０日、約２年５カ月ぶりに故郷に戻り、同市のリアス・アーク美術館に寄贈された。漁船は太平洋を漂流後、フィリピン沖を経由して、対馬海流に乗って日本海に流され、事実上、日本を半周する形で福井沖に着いたとみられる。ことし６月に沖縄近海で発見されたが悪天候で回収できず、今月３日に福井県沖で貨物船が見つけ通報。敦賀海上保安部（福井県敦賀市）が回収した。その後、陸揚げされ、滋賀県長浜市の建設会社が無償で気仙沼まで搬送した。所有者の村上さんが震災の記憶を伝えてほしいと市への寄贈を希望したため、震災被災物を収集しているリアス・アーク美術館が引き取った。日光消毒などの保存処理を施し、将来、展示する予定。（沖縄タイムスより）------------------------------気仙沼から福井。主のいない船の長い長い旅。いったいどんな経路をたどったのだろう。その軌跡が分かれば色々な手掛かりになると思うのだが。震災の津波を象徴するもののひとつ。いわゆる災害遺構とは少し違うのかも知れないが、震災の記憶をとどめるものとして是非保存・公開して欲しい。

  2013.08.31

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• 洪水被害の予測を支援－地図データ基盤（インドネシア地理空間情報局）

  2004年のスマトラ島沖地震など、大規模な地震被害に直面してきたインドネシアで、災害対策に欠かせない情報システム「国土空間データ基盤（NSDI）」の構築が進んでいる。 NSDIは地図データなどの空間情報を一元管理するシステムだ。複数の公共機関や一般企業などが利用する。NSDIを活用することによって、洪水被害をシミュレーションし、危険地域を割り出すことなどができる。 このNSDIの構築を、日本の航空測量大手パスコとNTTデータの2社が推進している。パスコは地図データの作成を、NTTデータは地図データの検索・編集アプリケーションとネットワークの構築を担う。地理空間情報局（BIG）のアセップ・カルシディ長官は、「日系IT企業は災害対策のエキスパートだ」と期待を寄せる。 NSDIの成否は、精度の高い地図データを集められるかにかかっている。この作業を請け負うパスコは、スマトラ島を測量・解析し、地図データとして提供する。作業面積は約30万平方キロメートル。日本の国土の8割に及ぶ広さだ。受注額は約26億円。2014年6月の納品を目指している。 パスコは海外で複数の測量・解析実績を持つ。2012年には、タイのチャオプラヤ川流域の詳細な地形データを作成した。2011年に洪水が発生したのを踏まえ、「防災計画を検討するための基本データを集めたい」との要望を受けたものだ。2008年に中国で四川大地震が発生した際は、市街地の被災状況を解析した。（ITproより）------------------------------近年日本の航測会社の海外進出が進んでいるが、なるほどこうした需要は大きい。日本は地理空間情報の防災利用については経験豊富であり、そのために詳細なデータが必要というのも説得力がある。特にパスコは過去の災害でも示しているように衛星事業での実績が高いので、「広域性」という面でも強い。そこにNTTデータのシステムが加わるのだから、鬼に金棒ということか。まずは膨大かつ高精度なデータ整備がカギを握ることになるが、その後の運用面も重要になる。データの更新や、継続的な防災利用は案外ハードルが高い。特に様々なデータを利用したソフト対策は近年防災において特に重要視される部分だ。ここでの実績は今後アジアにおける日本の防災事業の受注に大きく影響することになりそう。是非いいデータを整備して欲しい。

  2013.08.29

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• 富山県総合防災訓練　列車からの津波避難を訓練

  呉羽山断層帯を震源とする大規模な地震と津波の発生を想定した県総合防災訓練が高岡市と射水市で行われています。 ２５日の訓練には、およそ４６００人が参加し、高岡市と射水市の８つの会場で訓練を行っています。 このうち海抜４メートルの高岡市伏木国分では高さおよそ１８メートルのビルへの避難訓練が行われ、住民らが実際にビルの屋上まで避難し避難経路を確認しました。 また今回の訓練では列車の乗客を避難させる訓練が初めて行われました。 訓練は海沿いを走るＪＲ氷見線の列車を実際に走らせて行われ、緊急地震速報を受けたＪＲ西日本の乗務員が列車を緊急停止させ、乗客およそ８０人を高台まで誘導しました。（北日本放送より）------------------------------９月1日が近くなると、各地で様々な防災訓練が行われる。東日本大震災以降は、沿岸自治体を中心に、対津波の訓練が増えているが、内容もより具体的・実戦的になっているように感じる。記事の訓練はJRの列車を停めて乗客を誘導する本格的なもの。富山湾沿岸の海岸線ギリギリを走る氷見線は富山湾越しの立山連峰を望む車窓が人気の路線。海岸線を走るだけに、地震発生の際には津波の恐ろしさに直面することになる。震源にもよるが、トラフからそこそこの距離があった東日本大震災のケースと比べても、津波到達までの時間は短いことが予想される。それだけに、緊急停止した場所から直近の高台の確保と、そこまでの適切な誘導の可否はカギを握ることになるだろう。乗客も含めて実戦的な訓練が出来たのは経験値として重要なこと。できることなら場所を変えて様々なケースをシミュレーションしておきたいところ。あとは、JR職員と乗客のベクトルが上手く合うかどうか。誘導する側ばかりでなく、乗客へも広く周知しておくことも求められる。

  2013.08.26

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• 神奈川・茅ケ崎市　新たな液状化マップを作成

  神奈川県茅ケ崎市は、新たな液状化ハザードマップを作成した。液状化の危険度を、県が平成２１年に作成した従来の２５０メートルメッシュのマップより細かい５０メートルメッシュで表示したのが特徴。２３年の東日本大震災で液状化現象が千葉県浦安市に大きな被害をもたらしたのを受け、住民が危険度をより的確に判断できる材料を提供することにした。想定震源は、茅ケ崎市に最も甚大な被害を及ぼすと想定される「南関東地震」（関東大震災の再来型）。市が蓄積しているボーリングデータを解析した液状化危険度の指標と、地形などの土地条件を組み合わせて危険度を評価した。事業費は約１２００万円。市のホームページに掲載したほか、５千部を作成して９月上旬をめどに市役所の窓口などで配布する。（msn産経ニュースより）------------------------------HPで公開されているマップはこちら。今回の判定はボーリングデータを使用したPL値の計算+土地条件とのこと。これまでも液状化危険度判定はPL値やFL値を計算したものが主流だったが、メッシュ化される際に補間処理をすることになるため、精度はどうしてもボーリングデータの密度に依存することが否めなかった。東日本大震災の際に液状化した我孫子市の液状化危険度判定が補間によりかつての池の跡を再現できなかったため、マップで危険度が高くないとされていた土地に被害が出て問題になった。今回のように、計算値に土地条件（地形分類）をマトリックスでかけ合わせることで、こうした「見逃し」は改善されるはずだ。実際マップで危険度が高いとされている部分は、ほとんどが後背湿地や旧河道とそれを埋めた盛土部であり、危険度が低いのは台地部で、50mメッシュなので台地部の谷底平野もある程度反映されており、概ね妥当な結果とは感じた。ただしメッシュが細かくなったところで、メッシュは必ず何らかの補間がされているもの。その点は認識した上で参考にしてもらえたらいいと思う。市民に配布する際に「○か×か」だけでなく、どういうところが危険度が高いのか、一緒に考えてもらう形になれば尚いいが、それは高望みだろうか。

  2013.08.25

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• ヤフー、居住地別に避難勧告・指示　自治体の情報を配信

  ヤフーは２２日、ウェブサイトやスマートフォン向けアプリ「防災速報」で、避難勧告や避難指示など自治体が出す避難関連の情報の配信を始めた。事前に居住地域などを登録すると、スマートフォンの画面にその地域の避難情報が表示される。ウェブサイト「Ｙａｈｏｏ！天気・災害」では、すべての地域の避難情報を見ることができる。 総務省は２０１１年、自治体が出す避難情報などを集約し、マスメディアや携帯電話を通じて配信する「公共情報コモンズ」という仕組みの運用を始めた。ヤフーはこの仕組みなどを利用し、今回の配信を始めた。（朝日新聞より）------------------------------数年前に豪雨により名古屋市の大半に避難勧告が出たこともあった。ニュース等で対象地域が口頭で知らされたが、「面的に把握することが難しく、自分が避難対象であるかどうかが分からない」との評価が多かった。それだけにこの配信は大きな意味を持つことになる。

  2013.08.23

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• 桜島噴火:「ドカ灰」に困惑

  日没前にもかかわらず、日が暮れたように暗くなった鹿児島市街。１８日夕、大規模な爆発的噴火を起こした桜島「昭和火口」から上がった高さ５０００メートルの噴煙は風に流され、北西方向の鹿児島市の上空を覆った。地元でもまれな「ドカ灰」に市民も観光客も驚いていた。夏休み中の日曜日とあってＪＲ鹿児島中央駅一帯や市中心部の繁華街「天文館」などでは、観光客や市民らが傘を差して、口をタオルで覆う姿が見られた。車はヘッドライトを点灯して走行し、灰を巻き上げていた。鹿児島市中心部に住むパート、丹村（にむら）真弓さん（４７）は「小規模な噴火は日常だが、今日はとても大きくてびっくり」と驚いた様子。噴火から３０分ほどすると火山灰が降り始め、硫黄の臭いも。「顔に灰が当たり、家の車も車体が灰色。これだけ降ると、車もスリップしやすくなり心配」と話した。錦江湾（鹿児島湾）をはさんで桜島を眼前に望む旧薩摩藩主別邸「仙巌園（せんがんえん）」からは勢いよく噴煙が上がる様子がよく見え、県外から訪れた観光客は「何これ」「すごいねえ」と見入っていたという。また、関西から観光のため鹿児島市を訪れ、偶然、噴火を見た学生、野津文雄さん（３９）は「これは『アカン！』と思った」と驚きを隠せなかった。九州新幹線の終着駅、ＪＲ鹿児島中央駅の駅ビル「アミュプラザ鹿児島」は１階の自動ドアを閉め切るなどした。また屋外で営業していた１店舗が営業を取りやめた。４人の子供とアミュプラザを訪れていた市内の女性（３８）は「これでは帰れない。タクシーを使おうか迷っています」と困惑していた。ＪＲ九州によると、降灰のため、指宿枕崎線が最大で４０分遅れ、約５００人に影響が出た。（毎日jpより）------------------------------爆発の大きさそのものも驚いたが、それ以上に真っ白に煙った市内の様子が凄かった。自分も何度か鹿児島を訪れているが、桜島の爆発は一日に数回あったので珍しいという印象はなかったが、映像で見ると今回の噴煙はものすごい。30年前に初めて訪れた時、小雨に傘をささずに歩いて気づいたら肩が真っ黒になってしまい、鹿児島の灰を体感したのだが、さすがに今回の降灰は市民も戸惑っているようだ。ともあれこのままの状態が続けば生活に支障がでそう。今回は小規模ながら火砕流も発生したとのこと。桜島は1914年の大正大噴火で多くの犠牲者を出している。来年の1月12日はその大正噴火から100年。気象庁福岡管区気象台・鹿児島地方気象台によると噴火警戒レベルは3のまま。入山規制が継続。今後の経過を注視したい。

  2013.08.19

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• 激しい雷雨:諏訪の花火大会、５０００人が足止めに

  長野県諏訪市の諏訪湖畔で１５日夜開かれた「諏訪湖祭湖上花火大会」が途中で激しい雷雨に見舞われ、多数の帰宅困難者が出た。同市によると、列車の運休などで帰れなくなった約５０００人が、避難所として開放した市の施設など１５カ所で一夜を明かすことになった。同市などで作る実行委によると、花火大会には約４０万〜５０万人が訪れ、１５日午後７時に始まった。しかし、雨と雷が強まり、同４３分に中止に。ＪＲ東日本長野支社によると、雷雨の影響で岡谷駅（同県岡谷市）の雨量計が規制値に達し、夕方以降、松本発新宿行き特急「スーパーあずさ」や普通列車など１８本が断続的に運休、９５本が最大６時間２０分遅れ、約５万人に影響が出た。びしょぬれで避難所に駆け込んだ愛知県小牧市の主婦、戸田三恵子さん（７０）は「初めて見物に来たが、雨に降られて残念」と話した。（毎日jpより）------------------------------今日は諏訪の雷雨による混乱以外にも、京都府福知山市の花火大会でもプロパンガスの爆発事故で60人近くが搬送されている。福知山の件は事故なのでちょっと違うかもしれないが、先日も隅田川花火が雷雨で途中打ち切りになるなど、どうも花火大会が天候に恵まれない。多くの人が集まる花火大会は、誘導やその導線がどうしても難しい。隅田川の時にもかなりの混乱があったが、諏訪の場合恐らく来場者の移動距離も大きいはずで、今回のように鉄道も道路（高速道路が通行止めになった）も止まってしまうとどうにもならない。帰宅困難者は公共施設などに収容したようだが、50万人という膨大な来場者に対応する手立てもないだろう。雨にうたれてびしょ濡れの状況で帰路を絶たれたのではたまったものではない。雷雨という状況を考慮すれば、安全面でも心配が大きい。隅田川の際にも書いたと思うが、やはりここは天候を調査の上、状況によっては「やめる（中止する）」勇気も必要ではないかと思った。ゲリラ豪雨のようなことがあるのも確かだが、やはり天候についてはある程度リスクを見るべきだろう。スポンサーの問題や、どうしても見たい来場者もあるだろうから、簡単でないことは分かる。それでも（導線も含めた）安全性の確保は最優先して欲しいと切に願う。災害になってからでは遅いので。

  2013.08.16

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• 日航123便墜落事故から28年

  今から28年前、1985年（昭和60年）の今日8月12日に日本航空のボーイング747（ジャンボジェット）が墜落して、524人の乗員・乗客のうち520人が亡くなった。その夜のことは今でも記憶に焼き付いている。事故が発生したのは、午後6時56分。事故発生から約30分後の午後7時30分には、報道各社に「123便の機影が東京管制部のレーダーから消えた」との情報は伝えられていた。しかしそれからいくら経っても事故現場は確定できなかった。マスコミが分からなかったのは当然で、日航も運輸省（当時）も防衛庁（当時）、消防、警察もみな分からなかったのだから。 地図で事故現場をご覧になると一目瞭然だが、墜落した場所は、群馬・長野・山梨・埼玉の各県に囲まれた山塊の中。場所が特定できない状態で地上から向かおうとすれば、入山する拠点とする都市は秩父市（埼玉県）、藤岡市（群馬県）、佐久市（長野県）、甲州市（山梨県）など、通常の交通ルートとしては「行き先がまったく違う場所」が選択肢になってしまうロケーションだった。実際、メディアとして最初に到着し、生存者救出のシーンをスクープしたテレビ局のクルーは、八ヶ岳に近い清里方面からという「最も遠回りなルート」を選択した結果、夜を徹して山中をさまよい、夜が明けた時に、偶然にも目の前に事故現場が広がっていたという。関係省庁の間でも、「長野県北相木村のぶどう峠付近に墜落した」、「埼玉県と群馬県境あたりに黒煙が見える」、「長野県南佐久郡御座山北斜面」など情報が錯綜し、最終的に墜落場所が特定できたのは、翌朝午前4時30分に航空自衛隊救難隊が目視で墜落機体を確認した時。後から分かったことだが、運輸省航空局が事故直後に「遭難機のレーダー消失地点」として伝えた緯度・経度は、実際の事故現場から2キロと離れていない所を示していたが、今のようにGPSが発達していない時代のせいか、誰も緯度経度情報を信じたものはいなかった。最終的に4人の方が救助されたが、当時の関係者の中には今でも、「前日の夜に場所が特定でき、救助を開始していれば、もっと多くの命が救われたかもしれない」と無念に思っている人も多いだろう。その後、夜間でも救助活動が行なえるようにと航空自衛隊では赤外線暗視装置などを装備したUH-60（ブラックホーク）救難ヘリを配備している。場所が特定できた後ですら、マスコミは「御巣鷹山（おすたかやま）」と事故現場を呼び続けた。本当は御巣鷹山の隣りにある「高天原山（たかまがはらやま）」の尾根だったが。だから慰霊塔が立つ事故現場は、「間違い」と分かっていながらあえて上野村の黒沢丈夫村長が命名した「御巣鷹の尾根」と今も呼ばれている。今年も、今日8月12日は御巣鷹の尾根への慰霊登山がとりおこなわれる。（ハザードラボより）------------------------------あれからもう28年にもなるのか。テレビの速報で第一報を知り、行方不明となった123便の行方に様々な推測がなされた。目撃情報も多数あった。それでもその場所はなかなか特定されなかった。『運輸省航空局が事故直後に「遭難機のレーダー消失地点」として伝えた緯度・経度は、実際の事故現場から2キロと離れていない』という事実は衝撃的でもある。今であればその経緯度をまず当たることになるだろう。しかし現在のようにGPSやGISが一般化していない時代、レーダー消失地点の経緯度は決定的な手掛かりにはならなかった。また、今であれば目撃情報などをGISにプロットして遭難地点を推測することも出来たかもしれない。マスコミが事故現場として伝え続けた「御巣鷹山（おすたかやま）」が間違いで、実際には隣の高天原山の尾根であったことも今思えばお粗末な話だ。今となっては「御巣鷹の尾根」は新たな固有名詞として事故現場を指す名称になっている。間違いと分かっていながら命名せざるを得なかった村長も複雑だったろう。あれから30年近くが経ち、空間情報分野の技術は大きく発展した。今であれば遭難直後から違うアプローチでの解析がされていたのかも知れない。空の安全は痛ましい事故が起こるたびに進化していった。もちろん安全の追求に終わりはないが、課題は一つ一つ解決されている。翻って、防災の世界はどうだろう。インフラの整備もあり、台風や水害などについては、確かに以前に比べて犠牲者は減少している。これに対して、ハードで防ぎきれないような災害については、常に「想定外」という言葉が躍るようになった。果たしてそれでいいのだろうか、という疑問はある。防災は航空安全と異なり、（主としてソフト対策において）プロの側ばかりでなく、住民側にも学習や進歩を強いることになる。そこに難しさがあると同時に、伸びしろや可能性もある。辛抱強く前進していきたいものである。

  2013.08.12

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• 記録的猛暑…４０度超４地点、３５度超は２９５

  日本列島は１０日、ほぼ全国的に気温が上昇し、甲府市と高知県四万十市で気象庁の観測史上４番目の暑さとなる４０・７度を記録した。山梨県甲州市で４０・５度、群馬県館林市でも４０・１度と、４０度を超えたのは４地点。３５度以上を記録したのは、全国９２７ある観測地点の３割超となる２９５地点で過去最多を更新し、東日本、西日本の各地で記録的な「猛暑日」となった。気象庁によると、４０度以上が観測されたのは、２００７年８月以来、６年ぶり。この日は、三重県桑名市で３９・２度、東京都大田区羽田空港で３７・５度を記録するなど、全国２９地点で観測史上の最高記録を更新。タイ記録も含めると、観測史上の最高気温を記録したのは、全国３７地点に上った。+++++++++++++++++++++++++++++全国２９５地点で３５度以上の「猛暑日」を観測した１０日、各地で熱中症の被害が相次いだ。読売新聞のまとめでは、奈良県で男性１人が死亡するなど、同日の熱中症による搬送者は全国で１４４７人に上った。また、猛暑で多くの人でにぎわった海や川では水難事故が相次ぎ、８人が死亡した。奈良県広陵町では午後１時１５分頃、畑で草刈りをしていた男性（６６）が倒れているのを家族が発見。男性は病院に搬送されたが、死亡した。また、兵庫県でも女性１人が死亡しているのが見つかり、熱中症の可能性があるという。東京都江戸川区の河川敷の野球場では午前１０時２５分頃、９～１１歳の小学生の男児５人が熱中症の症状を訴え、病院に搬送された。三重県の伊勢神宮では、式年遷宮に伴う行事に参加していた男女計１７人が搬送された。高知市内では、「よさこい祭り」を見ていた観客ら１０～７０歳代の男女計１３人が次々と熱中症の症状を訴えたが、いずれも軽症。水難事故も相次いだ。午後２時４０分頃、栃木県那須烏山市の荒川で川遊びをしていた、近くに住む中学２年佐藤海斗君（１４）が川に流されて死亡。新潟県上越市の鵜の浜海水浴場では正午頃、長野県池田町、会社員矢口勝さん（５２）が、ゴムボートから落ちた小５男児（１１）を助けようとして溺れ、死亡した。男児は無事だった。高知県宿毛市では、海水浴に来ていた大阪市東住吉区、無職上野延治さん（７３）が遊泳中に溺れて死亡した。（いずれも読売新聞より）------------------------------うだるような、というのを通り越して、まさに身の危険を感じるレベルの暑さだった。さすがに日中は外を歩く人も少なかった。35℃越えがこれだけ長時間続くと、外へ出ないという選択が賢明で、それは「屋内に避難すべき」といってもいい状況。熱中症が相次いだのはある程度予想できたが、予防のためには抜本的な対応が必要なようにも感じた（ただし水難事故については直接的な因果関係を求めるのは無理があるように思う）。テレビなどでは盛んに呼びかけていたし、それなりの周知はされていたと思う。しかし、多くの人がどこかで「暑さで死ぬことはないだろう」と潜在的な意識を持っているようで、それがこれだけの被害に繋がっているように思えてならない。（搬送者が1447人とのことだが、搬送されないレベルの患者も含めるとさらに人数は増えるはず）屋外でのイベントについても、主催者は十分な対応をしているのか疑問。注意するように呼び掛けるだけで大きな効果があるとはとても思えない。特にスポーツイベントは危険。35℃を越えるような場合は中止や延期も検討すべきだろう。甲子園の高校野球を見ていても思うのだが、危険にさらされているのは選手たちだけではない。観客の安全が十分に確保できないのであれば、本来開催すべきではないのではないか。中止が無理ならせめて薄暮開催や夜間開催という選択肢があってもいい。全体として「暑さ」に対する安全意識が不足していることは問題にすべきだろう。ここまでくれば暑さも災害レベル。もっと突っ込んだ対策が必要であると感じる。

  2013.08.11

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• 緊急地震速報、予測過大で“誤報” 気象庁が謝罪

  ８日夕方、全国の広い範囲で「緊急地震速報」が出されました。奈良県が震源で最大震度７、強い揺れに警戒してくださいというものでした。しかし実際には、和歌山県北部で揺れを感じない震度１に満たない地震が発生しただけでした。いわば空振りに終わった緊急地震速報、なぜこんなことが起きたのか、そして、そのとき町では何が起こったのでしょうか。「広範囲にわたり、大変ご迷惑をお掛けいたしました。誠に申し訳ございませんでした」（気象庁の会見）午後４時５６分。気象庁は緊急地震速報を出しました。内容は「奈良県を震源とする地震発生。マグニチュード７．８。最大震度７、強い揺れに警戒してください」などというものでした。「子どもたちを集めてください。地震情報が発令されました。子どもたちを部屋の中央に集めてください」これは、緊急地震速報が出た直後の静岡県富士市の保育園。子ども達は何が起きたかわからず、泣きじゃくっていました。職員達は、子ども達を抱えたり、乳母車に乗せたりして次々と避難していきます。緊急地震速報からおよそ２分、子ども達は全員無事にホールに集まることができました。「ゆっくり押さずにお進みください」（駅員）一方、ＪＲ京都駅は利用客で大混雑していました。「遅れが発生しています」（駅員）ＪＲ西日本では緊急地震速報が出たことで、一時、全ての電車の運転を見合わせました。ＪＲ東海と合わせておよそ２０万人に影響が出ました。また、初めて緊急地震速報が発表された大分県では、災害対策本部の立ち上げ準備に取り掛かったといいます。「大変だと思いましたね」（Ｑ．Ｊアラートも鳴った？）「鳴りました。一番上まで赤がつきますので」（大分県の担当者）町の人も・・・。「普段と違う音がしていたので、何かなと思って携帯電話を見たら緊急地震速報と出ていて、びっくりした」（男性）関東から九州の非常に広い範囲で大きな影響を及ぼした緊急地震速報。しかし、実際には、和歌山県北部でゆれを感じない震度１に満たない地震が発生しただけでした。つまり、緊急地震速報は“誤報”だったのです。なぜ誤った緊急地震速報は出されたのでしょうか？「（三重県南東沖の）海底地震計のノイズを取り込んで計算したことによるもの」（気象庁の会見）気象庁によりますと、午後４時５６分に和歌山県北部を震源とするマグニチュード２．３の地震が発生。同じタイミングで三重県南東沖の海底地震計がノイズを感知しました。このノイズを緊急地震速報のシステムが地震の揺れと取り込んで計算したため、マグニチュード７．８と過大に推計したというのです。「ミスすることは決して珍しいことではない。最近は精度も上がっていたし、いつくるか分からない地震の揺れ。少しでも前に強い揺れがくるかもしれないとお知らせしてくれる情報は防災上、とても大事で必要」（ＴＢＳ報道局【災害担当】 福島隆史解説委員）気象庁は陳謝したうえで「速報が出た場合は何らかの揺れが起きているのは事実なので、身の安全を確保してほしい」と呼びかけました。（TBSニュースアイより）------------------------------iPhoneにして2年近くなるが、初めての緊急地震速報。建物の中にいたこと、そして数日前に静岡の地震防災センターで震度6強の揺れを「体験」したいたこともあって、さすがに構えた。結果は空振り。それでも空振りであることが確定するまではさすがに緊張感があった。原因も分かったことでもあり、気象庁は今後精度の向上を図ることになるだろう。（ただし、プロセスが増加することで提供のタイミングが遅れるなら現状ままでもやむを得ない）受け手の姿勢としては、記事中で福島さんがコメントしていることが全て。僕らに出来るのは身を守る行動をとるだけ。それは精度が上がろうと上がる前と変わらない。大きな揺れを事前に察知するチャンスがあるならそれに越したことはない。今回の誤報については訓練の機会だったと考えればいい。ここでできたこと、出来なかったことを整理して今後に役立てたい。なのでそのレビューだけは各機関、あるいは各自がしっかりとやっておく必要があるだろう。空振りというせっかくの機会を無駄にしないようにしたい。

  2013.08.09

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• 地滑り、地震直後に推定　国土地理院がシステム開発

  大地震の発生直後、どこで地すべりや液状化が起きているかを推定するシステムを国土地理院が開発した。被災場所や道路通行の可否を短時間で推定でき、災害時の迅速な救助や救援活動に役立つ。試験運用を始めており、将来は首相官邸や内閣府、国土交通省など防災担当機関に情報配信したいという。 開発した「地震時地盤被害予想システム」は、地震時に気象庁が配信する推計震度分布図と、あらかじめコンピューターに入力した地形や地質、災害履歴などの情報を合わせ、地盤災害が起きている場所を推定する。 推定するのは斜面崩壊、地すべり、地盤の液状化の３種類。起きている可能性の高さを危険度０～４までの５段階で地図に色分けして表示、地震発生から約１５分で配信できる。（朝日新聞より）------------------------------気象庁が配信する情報と国土地理院が持っている地形・地盤情報を組み合わせた仕組みか。色々なデータが出てくるのは歓迎。それらを整理、取捨選択しつつ、分かりやすく提示していくことが重要。ただし、結果はあくまでも「推定」であって、緊急地震速報のような性質ではないことはきちんと周知しないといけない。使い方一つで情報の価値は大きく変わる。少しでもいいものにしていくことが減災につながっていく。

  2013.08.04

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• 記録的大雨:山口で１時間に１３８ミリ　１人死亡２人不明

  中国地方に暖かく湿った空気が流れ込んだ影響から、山口、島根両県で２８日、局地的に猛烈な雨が降った。両県で１人が死亡、２人が行方不明になったほか、川の氾濫や土砂崩れによる民家の倒壊が相次ぎ、陸上自衛隊などが被災者の救出に当たった。気象庁は「経験したことのないような大雨となっている所がある」と発表。数十年に一度の災害が迫った際に、８月３０日から発表する「特別警報」に相当するとして警戒を呼び掛けた。気象庁によると、山口県萩市で正午過ぎまでの１時間に１３８．５ミリ、島根県津和野町で明け方の１時間に９１．５ミリの猛烈な雨を観測、いずれも地点観測史上最多となった。両地点とも午後２時過ぎまでの２４時間降水量が３５０ミリ前後となり、７月の平均降水量を上回った。この結果、両県では３時間降水量などが特別警報の発表基準に達した。同庁によると、２９日にかけても日本列島は広い範囲で雷を伴った激しい雨が降る所がある見込みだ。山口、島根両県警などによると、萩市上小川東分の倒壊家屋から高齢女性が見つかったが死亡していた。山口県警が身元などを確認する。また、萩市須佐中畑の男性（８４）の行方が分かっていないほか、津和野町名賀（なよし）地区では、自宅近くの避難所に歩いて向かう途中だった男性（２４）と連絡が取れず行方不明になっているという。山口市阿東嘉年（かね）下では倒壊した家屋や土砂に男性（８８）が埋まったが陸上自衛隊に救助された。同市阿東徳佐地区では、県の防災ヘリが民家の屋根に取り残された夫婦と子供１人をつり上げて助け出した。一方、津和野町では名賀など複数の地区で道路が寸断され、住民計約２１５人が孤立しており、島根県は自衛隊に災害派遣を要請。県も防災ヘリで孤立集落の住民らの救助活動を進め、午後６時過ぎまでに６人を救助した。山口県などによると、萩市、山口市、阿武町の一部に避難勧告が出て、自主避難と合わせて一時４００人以上が地域の交流センターなどに避難。また、ＪＲ山口線の一部区間で阿武川にかかる鉄橋３カ所が流され不通となっている。山口県内では最大で約１万２４００戸が停電した。（毎日jpより）------------------------------人的被害も出ており非常に心配な状況。とにもかくにも雨量がすごい。1時間雨量もけた外れだが、連続雨量も記録的。気象庁は「経験したことのないような大雨となっている所がある」と発表。8月30日以降に発表される「特別警報」（数十年に１度の災害が迫った場合）に相当する豪雨として警戒を呼び掛けた。数字そのものは、もちろん絶対値も必要だが、それ以上に重要なのは「この地域としてはどうか」という点。地域としての耐性により数字の意味するところは少し変わる。このあたりは周知も難しそうだが。

  2013.07.29

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• 隅田川花火雷雨で中止

  関東や東北は２７日、大気の状態が不安定になり、広い範囲で激しい雨が降った。雷雨に見舞われた東京都心では、隅田川花火大会やアイドルの屋外コンサートが開催途中で中止になるなどの影響が出た。 東京の夏の風物詩、隅田川花火大会の中止は３６回目で初めて。用意された約２万３千発のうち、約７９００発を打ち上げた午後７時半すぎに中止が決まった。実行委員会によると、約７８万８千人の観客がいた。 花火の打ち上げが始まったのは午後７時すぎ。間もなく雨が降り出し、十数分で土砂降りになり、雷鳴も響いた。歩きながら見物する吾妻橋の上は、先を急ごうにも浴衣姿の若者ら大勢の人の列が続いた。ゆっくりとしか進めず、みんなずぶぬれになった。「ひどーい」「ふざけんな」と悲鳴や叫び声も上がった。 拡声機を手にした警察官は、ＤＪポリスさながらに「きっと忘れられない花火大会になるでしょう」「雷は高い所に落ち、皆さんの足元には落ちません」と落ち着くよう呼び掛けた。周辺の駅は帰る人で混雑し、東京メトロは銀座線浅草駅で入場を一時規制した。 東京都港区の秩父宮ラグビー場で開かれていたアイドルグループ「ＮＥＷＳ」のコンサートも、公演中の午後７時４５分に中止が発表されたが、観客らが次々と体調不良を訴えた。東京消防庁によると、女性７５人が手当てを受け、そのうち１９人が過呼吸などで搬送された。雨にぬれて低体温症状になった可能性がある。症状はいずれも軽いという。 気象庁によると、この時間帯に東京２３区の多くで大雨洪水警報と雷注意報が発令され、場所により強い北風が吹き、１時間に５０ミリ相当という激しい雷雨が降っていたという。（朝日新聞より）------------------------------この季節の野外イベントは本当に難しい。以前地元の花火大会で、開始30分くらいから激しい雨になったものの、打ち上げを続行したところ川が増水して中洲に花火師が取り残される事件があり、テレビ等でも報道されてちょっとした騒ぎになったことがある。花火の場合、一発一発にスポンサーがついているので、なかなか中止にし辛いという事情もある。その意味では隅田川花火も秩父宮のコンサートも、中止は英断だと思う。しかしすでに集まっていた大観衆を的確に誘導することは難しかったということ。特に花火は広い意味で周囲の街全体が会場ともいえるわけで、導線も計算できない。可能であれば予報等を考慮してもっと早い段階で中止を決める手もあったが、前述のスポンサー問題もあり、また各方面への経済的影響を考えれば「空振り」も怖いという事情もある。これは防災にも当てはまること。今回のことから学べる教訓はいくつもありそうだ。

  2013.07.28

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• 津波ハザードマップを改訂　倉敷市が全戸配布へ

  倉敷市は南海トラフ巨大地震を想定し、津波ハザードマップを改訂した。市内を襲う津波の高さを最大３．２メートルと設定し、予想される浸水区域を水に漬かる深さに応じて「３メートル以上」「２〜３メートル」など５段階で表示。市内各地の避難場所、地域別の適切な避難経路なども載せている。市広報誌８月号とともに市内全戸に配る。同市の津波ハザードマップは２００６年９月に作製しており、改訂は初めて。岡山県が３月、津波の高さや浸水区域の想定図を公表したのを受け、見直した。津波ハザードマップの作製や見直しは、内閣府の作業部会が５月にまとめた同地震対策の最終報告で、沿岸部の市町村に求めている。改訂版は冊子形式でＡ４判、３２ページ。予想される浸水の深さを市全域の地図で示したほか、被害発生の可能性が高いとされる玉島、水島、児島、茶屋町の４地区について個別に解説。地図に浸水の深さなどを細かく記し、高台にある避難場所、市指定の津波避難ビルなどを紹介。避難すべき方角も矢印で示している。２２万部作製。市防災危機管理室は「避難する場所や経路を家族で確認したり、地域で避難マップを作ったりするための資料として活用してほしい」としている。（山陽新聞より）------------------------------もし南海トラフ地震の津波が瀬戸内海でも想定されている程度の高さになった場合、かなりの被害が出るのではないかと懸念している。ハード面はもとより、住民心理的にも備えが十分でないことが気にかかっているのだ。東日本大震災の直後、瀬戸内海沿岸のいくつかの役場の防災担当にちょっとしたヒアリングを行ったことがある。その際にも「このあたりは津波は来ない。むしろ高潮が深刻」という考え方が主流だった。これは油断というよりも経験則の問題で、それなりの頻度で台風の際の高潮被害が出ることはあっても、津波災害は経験が乏しいということ。もし3mを越える津波が来れば、心理的には不意打ちに近いものになることが考えられる。これは、東日本大震災の際の宮城平野以南とよく似ている。三陸地方が50年に1回程度という頻度で津波に襲われているのに対して、仙台平野以南は貞観地震や三陸慶長地震がある程度。あまり備えのない状態で400年ぶりの大津波に襲われた形になる。瀬戸内も心理的にはそれに近い。また、生活スタイルというか、地域の風土でもあるのだが、海岸線では海ギリギリに建っている住宅もかなりある。もちろん、いざという時に避難が出来れば最悪の事態は免れる。その備えが出来ているかどうかが問題だ。恐らく住民も3mを越える津波はあまり考えていなかったのではないだろうか。その意味ではハザードマップを配布するだけでなく、様々な呼びかけで地域の津波リスクを周知する必要がありそう。そのツールとしてのハザードマップには十分な意義がある。

  2013.07.27

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• JR西日本、乗務員向け避難支援アプリを開発…きのくに線の津波対策

  JR西日本は7月22日、紀勢本線新宮～和歌山間（きのくに線）の津波対策の一環として、業務用スマートフォン向けの避難支援アプリを開発したと発表した。きのくに線は紀伊半島の西岸沿いに線路が敷設されており、津波発生時に避難が必要となる場所も多い。こうしたことから同社は、和歌山県のハザードマップを元に、浸水区間を想定した避難地図を作成していた。しかし、乗務員から「地図を何枚も携帯しなければならない」「緊急時に必要な地図を探し出すのに時間がかかる」「夜間は明かりがないと地図が見えない」などといった意見が寄せられたことから、業務用のスマートフォンにインストールして使用する避難支援アプリを開発した。避難支援アプリは、きのくに線沿線の地図をあらかじめ登録しておき、GPS機能を用いて現在地と照合して使用する。これにより避難場所までの最短ルートを確認し、避難誘導を行うことができるようになる。電話回線を利用しないことから、回線が使用できない状態でも地図を表示できるという。避難支援アプリの使用対象者は、白浜以南の区間で乗務する乗務員約350人。既に使用を開始しており、今月末までに使用対象者への教育を終了する見込みとしている。（レスポンスより）------------------------------これは有効、というより必須の対策になりそう。いわゆるハザードマップは通常居住者が対象になっており、来訪者は土地勘がない上にその場所のリスクや、避難場所や経路もわからない。観光地などでは来訪者向けのマップを配布したり、現地にサインや標高看板を設置したりという取組も見られるが、「移動体」や「通過者」に対する対応はほとんどされていないのが現状だろう。JRとしては、乗客を守るためにもより踏み込んだ対策が必要、ということで開発されたのがこのアプリ。記事にあるように、紙地図の場合該当図面を咄嗟に探し出すのは至難の技で、位置情報アプリを利用するというのは正解だと思う。東日本大震災の際に常磐線で運転手の判断で列車を危険の低い場所に待機させたというコメントを見たことがあるが、乗客避難誘導ばかりでなく、こうした判断を支援する素材そしても利用できる。オフラインで使用できるのもこの用途では大きな強み。紀勢線に限らず海沿いの路線に広がることになるかも知れない。

  2013.07.25

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• 猛烈な暑さ 関東で局地的に雨

  ２３日は、西日本と東日本を中心に猛烈な暑さとなりましたが、関東地方では、大気の状態が非常に不安定になって局地的に猛烈な雨が降りました。２４日から２５日にかけて、東北南部や北陸では、激しい雨が降るおそれがあり、気象庁は、土砂災害や川の増水などに十分注意するよう呼びかけています。気象庁によりますと、２３日は西日本と東日本を中心に晴れて気温が上がり、日中の最高気温は、宮崎空港で３８度５分、浜松市で３８度１分、福岡市と甲府市で３７度３分、名古屋市で３６度９分、東京の都心で３５度２分などと各地で猛烈な暑さとなりました。２４日は、東日本や北日本で暑さがいくぶん和らぐものの、西日本の各地では気温が３５度前後の猛烈な暑さが続く見込みで、気象庁は、熱中症に十分注意するよう呼びかけています。一方、気温の上昇と湿った空気の影響で、関東地方では、２３日午後から大気の状態が非常に不安定になり、急激に雨雲が発達しました。東京の世田谷区では、午後５時前までの１時間に５９．５ミリ、横浜市日吉では、午後５時までの１時間に５４ミリの非常に激しい雨を観測したほか、気象庁のレーダーによる解析では、東京の目黒区付近と世田谷区付近で、午後４時半までの１時間におよそ１００ミリの猛烈な雨が降ったとみられます。関東では２３日夜いっぱい、大気の不安定な状態が続き、各地で雷を伴って激しい雨が降る見込みです。また、日本海から伸びる前線の活動が活発になるため、東北南部や北陸では、２４日から２５日にかけて、局地的に１時間に３０ミリから５０ミリの激しい雨が降るおそれがあります。２４日夕方までに降る雨の量は、いずれも多いところで、北陸で１５０ミリ、東北南部で１００ミリと予想され、このところ大雨の被害が相次いでいる東北南部では、２５日にかけて雨量が多くなるおそれがあります。気象庁は、土砂災害や低い土地の浸水、川の増水、落雷、突風などに十分注意するよう呼びかけています。（NHKニュースより）------------------------------丁度出先で豪雨に襲われ、地下鉄の出口で20分の雨宿りをする羽目に。まさにバケツをひっくり返したような雨で、雷も激しかった。世田谷ではレーダー開析で1時間100ミリというとんでもない数字が。過去最大の時間雨量は187ミリ。奇しくも31年前の今日、長崎豪雨で記録された値だ。世田谷では上馬4丁目で住宅が浸水とニュースがあったが、ここは鶴巻川が暗渠になっている谷地。過去にも浸水履歴がある場所である。こうした特定の場所に短時間で大量の雨が降った場合は、排水が追いつかずどうしても内水氾濫がになりやすい。特に山手台地では、本来透水性の高い関東ローム層に覆われているにも関わらず、地表面がアスファルトで固められているため、雨水は一気に谷地に集まってしまう。山手で浸水被害が多いのはこうした理由によるし、水が集まるのはいつも同じような場所。集中豪雨の季節、相対的に周囲より低い土地は要注意。

  2013.07.24

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• 浜名湖上"大動脈"津波想定に疑念　歴史学者警鐘

  浜名湖上を通過するＪＲ東海道新幹線をめぐり、津波に対する安全性を不安視する声が出ている。浜名湖の上を渡る線路は弁天島周辺で海抜約６メートル。県の第４次地震被害想定（１次報告）で弁天島周辺は最悪でも３〜５メートルの浸水と、“想定上”は線路が水につかることはないが、古文書などから過去の地震被害を研究している歴史学者の磯田道史静岡文化芸術大准教授は「日本の大動脈が最も弱点をさらしている場所」と警鐘を鳴らしている。４次想定では、発生頻度が比較的高い「レベル１」の津波で、湖西市に到達する津波高を７メートルとした。「武士の家計簿」の著者としても知られる磯田氏は、１７０７年の宝永地震で湖西市に９メートルの津波が到達した可能性を示した東京大地震研究所の調査結果が、想定に反映されていないことなどを問題視。「現実を直視して最優先で対策を取るべきだ」とし、迂回（うかい）ルートの検討も提言している。４次想定の最悪のケースでは、浜松市西区の遠州灘に１４メートルの津波が押し寄せる。今切口から弁天島の線路までは約１・５キロ。磯田氏は「１０メートル超の津波が湖内で半分以下に減衰するのは常識では考えられない。想定自体を疑うべきだ」とし、ＪＲ東海１社でなく、利用者も一緒に考え、国に働き掛けていく必要性を訴えた。これに対しＪＲ東海は、１９９５年の阪神大震災以降、盛り土や高架橋の補強など地震・津波対策に約３２００億円の巨費を費やしてきたことを説明する。広報担当者は「考えられるメニューは全てやっている。４次想定を分析後、必要に応じて対策に反映するが、現時点で大きな変更を迫られることはなさそうだ」と見通す。県の岩田孝仁危機管理監代理は「４次想定だけを見れば線路は浸水しないが、数字はある仮定のモデルの下で算定した一つの参考値。想定にとらわれず、あらゆる可能性を考えて対策を進めるべきだ」と話している。（アットエスより）------------------------------研究者の立場としての磯田氏の考え方は間違っていないと思う。課題はむしろ運用側がその数字をどう使うかということだろう。日本中のインフラを想定に合わせてつくりなおすのは不可能だろう。7mの想定を9mに上げたところで、それ自体も仮定に過ぎない。もしかすると12mが来るかも知れない。それは誰も分からない。迂回ルートというのも一理あるが、そうなると大動脈は海沿いを走れないことにもなり得る。弁天島周辺のの風光明美な車窓は新幹線の醍醐味の一つでもある。それまでも犠牲にすることにどれだけの意味があるのか、という評価は難しい。ただ、歴史上9mの記録があるのであれば、それは尊重すべき。想定はあくまでも想定で、それを越える被害もあり得る、ということを念頭に置いたソフト対策は今からでも可能だろう。避難のための施設の整備やリスクの周知徹底、避難シミュレーションなど。さらには、輸送動脈としての新幹線の代替えシミュレーションも必要だろう。中央本線ルート、北陸本線ルート、輸送力は小さいが将来的にはリニアもある。これに自動車輸送等も考慮してその代替計画や検証実験をやっておくことも重要。やれることはある。ここで0か100かの議論は不毛。

  2013.07.17

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• 防災歳時記7月16日新潟県中越沖地震と柏崎刈羽原発

  今から6年前、2007年（平成19年）の今日7月16日午前10時13分。M6.8の新潟県中越沖地震が発生した。最大震度は、新潟県長岡市、同柏崎市、同刈羽村で6強を観測した。そう、そこは最近よくニュースに登場する東京電力 柏崎刈羽原発がある場所だ。この地震による人的被害はほとんどなかったが、地震発生から約12分後、柏崎刈羽原発3号機変圧器から火災が発生し、約2時間後に鎮火した。この地震で、原発の設計時に想定した以上の最大加速度が観測されたことから、東電は新潟県中越沖地震の際の最大加速度1018ガルにも耐えられるよう原発の耐震性を強化した。またこの地震の震源となった柏崎刈羽原発の沖合約11キロにある活断層について、断層の沈み込む向きが議論になった。もし断層が北西側に沈み込むとしたら、断層の南東側（陸地側）、すなわち柏崎刈羽原発の位置する側は、断層が地表から浅いところにあることになり、原発の立地上、大きな問題となる。これまでの東大地震研究所などの分析では、この断層は「南東側に沈み込む」とされているが、一方で原発敷地内には、東電自身が「30〜20万年前に動いた」としている活断層がある。原子力規制委員会の新規制基準では、これまで「13〜12万年前以降」としていた考慮すべき活断層のレンジを「40万年前以降」に拡大している。この基準に照らせば、東電自身が「30〜20万年前以降」と言っているのだから、敷地内の破砕帯は、「耐震設計上考慮すべき活断層」となってしまう。東電は新潟県中越沖地震を受けては耐震性を大幅に強化し、東日本大震災を受けては津波対策の防潮堤整備もし、いわば万全の体制を作り上げてきた。しかし早期の再稼働申請を目指す東電に対し、地元自治体は安全性に対する疑念からNOの声をあげている。東電柏崎刈羽原発再稼働に向けての道のりは、暗雲が立ちこめていると言わざるを得ない。（ハザードラボより）------------------------------あれから6年。東京でも周期の長い揺れを感じて、瞬間的に「遠くて大きい」ことが分かったのをよく覚えている。そして地震と原発を関連付けて考える最初のきっかけになった地震でもある。先日の東電の社長との会談で泉田裕彦知事は「国民の理解を到底得られない」と再稼働に強く反発した。それでも東京は参院選後に原子力規制委員会へ柏崎刈羽原発６、７号機の安全審査を申請する見通しであるという。選挙の結果も再稼働の是非に大きな影響を与えるだけに、気になるところだ。

  2013.07.16

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• 九州北部豪雨:１年　竹田市防災の日

  竹田市で死者２人、被害総額８１億円の被害を出した九州北部豪雨から１年がたった１２日、市は東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県南三陸町長の佐藤仁町長を招いて講演会を開いた。佐藤町長は「災害はいつ来るか分からない。まずは自分の命をどう守るか考えてほしい」と訴えた。竹田市は、１年前の教訓を風化させないため、７月１２日を「７・１２竹田市防災の日」と定め、今年から講演会を開催することにした。講演を前に、約２００人の市民や職員が犠牲者に黙とうをささげた。首藤勝次市長は「市民に怖さ、つらさ、悲しみなど大きな傷痕を残した、忘れることができない日。災害に強い町づくりを検証する場にしたい」とあいさつした。佐藤町長は、町が１９６０年のチリ地震津波での被害を経験し、教訓としてきたことに触れ、「住民もその時の想定で考えていた。だが、たった７、８分で低い土地は全て壊滅的な被害を受けた。津波で流されていく様子を、現実とは思えないような思いで見ていた」と振り返った。（毎日jpより）------------------------------被災自治体には被災自治体にしか分からない無念さや防災に対する葛藤を持っているはず。自らの教訓を後世に残すことはもちろんだが、教訓を多くの人たちと共有することも重要なこと。内陸にある竹田にとって、津波は無縁の災害。むしろ水害や土砂災害に毎年のように悩まされている。それでも竹田市が佐藤町長を講演に招いたのは、そこに共有すべき大切な何かがあると判断したからだろう。教訓を風化させないために定めた「７・１２竹田市防災の日」。こうした取組で減災を少しずつ広げていければいい。

  2013.07.14

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• 北海道南西沖地震20年　奥尻、教訓を胸に避難訓練

  北海道南西沖地震から20年となった12日、津波に襲われ死者、行方不明者198人と最大の被害が出た北海道・奥尻島では、小学校で授業中に地震が起きたと想定した避難訓練が行われた。訓練をしたのは大規模な火災が起きた島南端の青苗地区の青苗小学校。非常ベルが鳴ると児童約60人がヘルメットをかぶり近くの高台まで約３分で駆け上がった。その後、地元の人の実体験を基にした紙芝居を見た。12日午後には遺族らのほか、高橋はるみ道知事が出席して奥尻町で追悼式。財政難などを理由に町主催の式典は今年で最後という。夜は青苗小の児童らが慰霊碑の前で２千本のろうそくに火をともし、祈りをささげる。地震は1993年７月12日午後10時17分に発生した。震源は北海道南西沖で、マグニチュード（Ｍ）は7.8。北海道の日本海側の広い範囲が大きな被害を受け、死者、行方不明者は青森県の１人を含めて計230人にのぼった。奥尻島には発生後２～３分で高さ最大約30メートルの津波が襲った。奥尻町は被災後、住宅の高台への移転や防潮堤の建設などを進め、５年で「完全復興」を宣言した。だが、多額の復興事業費が町の財政を圧迫し続けている。島の人口は地震前約4700人だったのが現在は３千人を下回り、65歳以上が千人ほどを占める。一方、東日本大震災をきっかけに奥尻の復興対策に注目が集まる。町は防災訓練を組み込んだ修学旅行のプランを作って誘致しているほか、被災した役場職員や消防士らで語り部隊を結成、防災教育で地域振興を図ろうとしている。（日本経済新聞より）------------------------------はや20年。東日本大震災でも上書きできないほどの津波の恐怖を感じたことはよく覚えている。むしろ、ずっと津波とはそういうものだと思っていた。地震発生からあっという間に押し寄せる津波。何も考えず、間髪をおかずに裏山を駆け上って逃げた人だけが助かった。車で逃げようとした人は間に合わかなった。屋根の上で漂流して助かった人もいた。それは本当の奇跡だったろう。東日本大震災は映像の記録が多くある。それゆえに様々な分析が可能になったし、純粋に怖さを映像で伝える効果は大きい。ただし、逃げる時間は十分にあったし、見ている側にもそういった印象を残した。一方、20年前の北海道南西沖地震は映像がない。そして逃げる時間はほとんどなかった。逃げることを迷った人は皆命を落とした。この異なる二つの例を、どちらも忘れずに教訓としなければならない。両方あって初めて津波防災が生きるのだと思う。「財政難などを理由に町主催の式典は今年で最後」というのはいかにも残念だ。伝えるために、何らかのイベントを残して欲しいが。

  2013.07.13

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• 猛暑日:全国１４０地点で観測　今年最多　千葉などで死者

  日本列島は１１日も太平洋高気圧に覆われた影響でよく晴れ、全国各地で猛烈な暑さとなった。群馬県館林市では今年の全国最高気温となる３９．５度を観測し、山梨県甲州市では３９．３度まで上がり、３日連続３９度を超えた。全国９２７観測地点中、今年最多の１４０地点で３５度以上の猛暑日を観測した。気象庁によると、館林、甲州市のほか▽甲府市３８．６度▽三重県桑名市３８．５度▽岐阜県多治見市、埼玉県鳩山町３８．４度−−など９地点で３８度以上を観測。甲州市や山梨県北杜市は、その地点での最高気温を更新した。熱中症と見られる症状で病院に運ばれる人も各地で相次ぎ、千葉県睦沢町、栃木県小山市、東京都立川市では、６０〜８０歳代の男女３人が死亡した。現在は太平洋高気圧の中心が日本の南海上にある。高気圧の影響下では、風は時計回りに吹くため、日本では西寄りの風が吹く。また、通常は関東や東海では南や東から入る冷たい海風が気温の上昇を抑える働きをするが、西寄りに吹く暖かい風が海風を弱める。この影響で、梅雨明け以降、関東、東海地方で顕著な高温となる地点が多くなっているという。気象庁気候情報課は「今年のように太平洋高気圧の勢力が強まって梅雨明けした場合は、西日本より東日本の方が平年より気温が高くなることがある」としている。今後、８月が近づくにつれ、太平洋高気圧の中心が北上してくると、風向きが西寄りから東寄りなどに変わる。これにより冷たい海風が関東や東海に入ってくれば、「東高西低」の傾向は変わる可能性がある。（毎日jpより）------------------------------ここ数日の東京の暑さはすさまじい。この暑さを「災害」と称する声もある。確かにお年寄り中心に死者も出ており、気象災害と言えなくもない。これを災害と判断する以上は、防災や減災についてもきちんと考えなければならないだろう。地球温暖化が叫ばれて長いが、今回のような暑さがもはや定常的なものなのか、はたまたイレギュラーなものなのかという判断も必要になるだろう。定常的なものなのであれば、この暑さを基準として、夏季の熱害対策を考えなければならない。実際のところ、自分がこどもの頃は夏が暑いと言っても30℃程度のものであり、32℃ともなれば大変な暑さという印象だった。しかし最近では35℃越えは普通になってきている。こうなるとハード・ソフト両面での対策が遅れていることは否めない。国の政策としても、自治体の個々の対策にしても、もう即効性のあるものが求められる段階なのではないか。

  2013.07.12

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• 地域版ハザードマップ作り進む　熊本市の各町内

  熊本市内で、住民自らが災害危険箇所や避難経路などを確認して地図化する「地域版ハザードマップ」の作製が進んでいる。市は昨年７月の豪雨災害などを受けて本年度から市内全域での取り組みを促しており、これまでに約９０の町内自治会が着手した。地域版ハザードマップは市の洪水、高潮、地震ハザードマップを参考に地域の独自情報を盛り込んだ地図で、９０５ある町内単位が基本。市は昨年１１月、作製の手順を示した手引書を作り、本年度から、申請のあった町内自治会に職員や民間のアドバイザーを派遣して支援している。本年度の作製目標は、２００カ所。危機管理防災総室によると、８日までに８８カ所の申請があり、うち１４カ所が主な作業を終えた。７日、南区川尻校区７町内が開いたマップ作りの勉強会には、小学生を含む約４０人が参加。アドバイザーで地元在住の岡裕二さん（５７）が、町内の地形的な特徴や洪水時の予想水位などを解説。その後、町内を歩き、冠水しやすい道路や地震で倒壊しそうな建築物などをチェック。一人暮らしの高齢者など災害時に手助けが必要な世帯も確認した。同町内自主防災クラブ会長の下村需［もとむ］さん（７０）は「昨年のような災害がいつ起きるか分からない。マップ作りをきっかけにいざという時に住民が力を合わせ、助け合える態勢を整えたい」。完成したマップは町内に配布する。各地のマップ作りにかかわる岡さんは「地域が過去に経験した災害の教訓を共有できる効果もある」市も「マップは地域の防災力を高める一つの手段。防災訓練などに活用し、定期的に見直してほしい」と話している。（くまにちコムより）------------------------------正直なところ、ハザードマップを生きたものにするには、現実的にはこの方法がベストではないかと考えている。基図や浸水想定区域などの素材を提供した上で、住民自らがワークショップ形式でマップを完成させていく。そのプロセスには現地確認も含めた様々な実戦的な災害学習があり、それを踏まえてみんなでアウトプットをつくる。この方法で最終的に残るのは地図だけではない。そのプロセスから参加者が得るものは計り知れないのだから。昨年の九州北部豪雨での大きな被害から1年。「地域が過去に経験した災害の教訓を共有」という部分は大いにうなずけるフレーズだ。ハザードマップを減災に役立てるために、やれることはまだまだあるということ。

  2013.07.10

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• 地震ハザードカルテがサービス開始 - 職場や住居をチェックして災害対策を

  防災科学技術研究所は8日、各地点の地震ハザード情報をまとめた「地震ハザードカルテ」を同日より実験的に公開開始した。先日のニュースで地震ハザードカルテのサービスが実験的に公開される旨を紹介したが、サービスが提供されたことにより、自分の勤務地や居住地といった任意の場所を指定することで地震ハザードカルテを確認することができる。ためしに、東京都千代田区の竹橋駅周辺を表示するように指定したところ、30年以内に震度5弱以上の地震が起こる確率が99.9%、震度5強が起きる確率が85.5%と非常に高い値を示した。30年以内に震度6以上の地震が地震が起こる確率は24%と決して低くない値が表示されている。こちらに表示される結果は確率の話なので、地震が必ずおきるというわけではない。しかし、東日本大震災から2年が経過した今、気が緩み始めている人もいるのではないだろうか。改めて、公共交通機関が利用できなくなった際の歩いて帰る手段の確認や、非常食や飲料水といった非常時に必要になる日用品のチェック、家族と連絡が取れなくなった際の落ち合う場所の設定、といった普段ないがしろにしてしまいがちな項目について、これを機会に見直す必要があるのではないだろうか。是非あなたの住んでいる場所や職場、大切な人がいる地域など確認してみてほしい。（マイナビニュースより）-----------------------------「診断」というやり方は、一般的に地図で示すのに比べればユーザーの気を引きやすいことは確かで、とりあえずアプローチというか、企画としてはイケてると思う。占いとかみんな好きだし。そういえば防災科研は「もしゆれ」でも占い的手法を使っていたような。早速試してみたが、結果そのものは微妙。まず確率は解釈が難しい。震度5弱99.6％、震度5強80.3％、震度6弱21.9％と出たが、明日どれが来てもたぶん不思議じゃない。それが災害の難しさでもある。表層地盤の微地形区分も当たっていない。ソースがメッシュデータなので（東京は250mメッシュだが）その影響がでているみたい。長期間平均ハザードに至っては、一般の方にはなかなか理解されないけれど。これを使うことで多少なりとも減災に近づくのであれば結果オーライだとしても、今のままじゃちょっとどうかな、というのが率直な感想。 一般の人には解釈も難しい。

  2013.07.09

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• 揺れや津波を早期検知　日本海溝に大規模観測網構築へ、「相模トラフ」も範囲内／神奈川

  東日本大震災の影響で大地震を起こす恐れがある房総沖に、揺れや津波の早期検知を目的とした海底観測網が８月に構築される。三陸沖、十勝沖などへ延びるプレート（岩板）境界「日本海溝」沿いの５海域を中心に展開する大規模観測網の先駆けとして、防災科学技術研究所（防災科研、茨城県つくば市）が今月９日に整備着手。相模湾から延びる「相模トラフ」の巨大地震にも対応できる地点に観測装置を置くのが特徴で、これらの地震で首都圏に生じる被害の軽減を目指す。大規模観測網の整備事業は、震災の教訓を生かす形で２０１１年度にスタート。大規模な地震や余震が懸念される海溝周辺の５海域（房総沖、茨城沖、宮城沖、三陸沖、十勝沖）と海溝外側の海底計１５０カ所に、地震計と津波計を収めた装置を３０～６０キロ間隔で敷設する。１４年度に完成、総事業費は約３２０億円の見込みで、防災科研は文部科学省の補助金を活用して整備を進める。東日本の太平洋沖をほぼ南北に延びる日本海溝は沿岸部から２００キロ前後離れている。そこで大地震が起きた場合は、揺れが陸に到達するよりも最大で２０～３０秒程度早く、津波は最大２０分ほど前に把握できる可能性がある。観測データは陸上の中継施設からリアルタイムで気象庁などに配信予定で、緊急地震速報や津波警報に役立てる方針。日常的な観測成果も、海溝周辺の地殻変動や構造の解明に生かす。同様の機能を持つ海底観測網は、海洋研究開発機構（横須賀市）が南海トラフ巨大地震の震源域の一部である三重・熊野灘に整備済みだが、今回の取り組みはより広い範囲をカバーする。とりわけ房総沖では、観測網を南側に張り出すように展開。相模トラフに沈み込んでいるフィリピン海プレートの海底にも装置を置き、同トラフの巨大地震も捉えられるようにする。海底ケーブルの長さは約７００キロに及び、敷設する海底の深さは２００～６８００メートルになるという。十勝沖などを含めた全体の整備完了後の１５年度から本格運用する予定だが、今夏に先行整備される房総沖は年内の運用開始を目指している。防災科研の金沢敏彦・海底地震津波観測網整備推進室長は「房総沖では、過去にマグニチュード（Ｍ）８級の地震が起きている。再来した場合には首都圏で深刻な被害が見込まれるだけに、住民の避難や対策につなげたい」としている。（カナロコより）------------------------------画期的な仕組みだとは思うが、効果のほどは未知数で、費用対効果的にはギャンブルに近いか。というのも、この仕組み自体が「ソフト対策のためのハード」とう微妙な立ち位置にあるからだ。堤防や防潮堤のように、ハードそのものがある程度（直接）被害を食い止めるわけだが、今回の観測網はむしろ緊急地震速報の改善や避難の迅速化などが主目的になる。もちろん、これが機能することで確実に減災に結びつくことは間違いない。ただ、その効果をより大きなものにするためには、並行したソフト対策の整備も必要ではないか。特に津波避難に関してはこの仕組みの活かし方が肝になりそう。

  2013.07.08

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• 地図から学ぶ防災

  地域防災を担う人などを対象にした「市民 防災・減災講座」が７月13日（土）、座間市北地区文化センターで開催される。ざま災害ボランティアネットワーク（濱田政宏代表）と座間市では10日（水）まで受講者を募集している。市相互提案型協働事業として、「生き残らなければ何も始まらない」をテーマに企画されている講座。一般市民が参加するＡコースと、自治会や自主防災組織の役員、地域防災推進員が対象のＢコースが、それぞれ年２回行われる。今回はＢコースで、防災に関心のある人や、Ａコースの修了者も参加できる。当日は、ＤＩＧと呼ばれる災害図上訓練に挑戦する。これは、街全体の地図を見ながら、災害時の道路規制や避難所の場所を確認するもの。２０１２年度に見直された市地域防災計画に基づいて行う。濱田代表は「座間を災害対応という点から、俯瞰してみましょう」と参加を呼び掛けている。また、簡易炊飯も体験する。時間は午前９時30分から午後４時30分まで。無料で、先着40人。筆記用具やハンドタオルを持参のこと。希望者は市安全防災課【電話】０４６・２５２・７３９５へ申し込みを。この講座の受講者は、９月28日に相武台東小学校で開催予定の体験型訓練に参加できる。（タウンニュースより）----------------------「生き残らなければ何も始まらない」というテーマがいい。地図の見かたや災害へのリスクを学ぶ貴重な機会。DIGで街全体を俯瞰することで、普段は見えないことが見えてくる。個人目線で考えるものとは違う防災を知るチャンスだ。こういう講座は全国でどんどんやって欲しいのだが。

  2013.07.05

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• 足利市ハザードマップ改訂　「垂直避難」を導入

  足利市都市建設部は２日までに、河川の洪水による浸水被害と土砂災害を想定した「洪水・土砂災害ハザードマップ」の改訂版を作成した。東日本大震災などでは避難中に被災するケースが相次いだため、自宅２階などでの待機を選べる「垂直避難」を新たに明示したほか、地図の縮尺を拡大するなど、住民が「使いやすい」（市道路河川課）デザインに改めた。８月上旬までに、市内の全約６万戸に配布する。 現行のハザードマップは２００９年版。昨年度の市地域防災計画の見直しに伴い、内容の整合性を図ったほか、県の土砂災害警戒区域の指定が完了したため、新たに同警戒区域の急傾斜地指定１２２カ所と土石流指定94カ所も追加した。 現行マップでは、避難勧告時は指示された避難場所に移動することが原則。しかし、東日本大震災の津波や２０１２年の九州北部豪雨では、避難所に向かう途中で被災した例が多かったという。 このため、避難所に行かなくても、自宅の２階や近くの頑丈な建物の２階以上に避難することを「避難の時の心得」として明記した。 国土交通省は現在、この「垂直避難」（浸水３メートル未満時）を盛り込んだ、市町村がマップを作成する際の手引の改定案をまとめており、市が先取りした形だ。避難所についても浸水、土砂災害の影響を色別に示し、災害時の使用可能な階数を明記した。 「見づらい」「分かりづらい」といった指摘があったデザインも改めた。縮尺を１万分の１から９５００分の１に拡大して、公共施設や自宅も特定できるようにし、浸水想定区域を分かりやすく色分けした。全ページに凡例も設けた。 （下野新聞より）------------------------------浸水想定や地域防災計画の見直しに伴い、各地でハザードマップの改訂が行われている。その際に、ただ想定を置き換えるだけではなく、表現上の改善や防災教育面の改良など、過去の反省に立脚した工夫がされているのは大きな進歩といえるだろう。杓子定規に行動パターンを規定するのではなく、正しくハザードやリスクを理解した上で、状況に応じたより安全な選択肢を自らが判断をしていくような持っていき方は、究極的にはハザードマップの理想でもある。タイミングによっては垂直避難が最良の選択肢になることはある。あとは住民にそれをどのような形で理解してもらうのか。訓練はもちろん大事だが、防災教育全体をアップできれば。そこがきっちりできているとその後色々と応用がきくだけに、何とか実現して欲しい。

  2013.07.04

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• 古今の地図で防災診断　地盤知り備えよう　名大など開発

  昔と今の地図を見比べ、南海トラフ巨大地震や豪雨災害に備えてもらおうと、名古屋大学減災連携研究センターと名古屋市の外郭団体・名古屋都市センターが「減災まちづくり情報システム」を開発した。金山駅近くの都市センター図書館にあるパソコンで無料で見られる。 田んぼや池、沼地だった場所は、ほかの土地と比べて地震の揺れが大きくなりやすく、液状化しやすい傾向があるとされる。多くの市民に自分が住む土地の特徴を知ってもらい、防災対策や自宅を購入する際の参考にしてもらおうと、２０１１年からシステムづくりに取り組んだ。 パソコン画面で左右に同じ大きさの地図２枚を並べて比較できる。主に名古屋市内の大正から平成にかけて時代ごとの５種類の地図▽内閣府が昨年８月に発表した南海トラフ巨大地震で想定される震度の分布、液状化の危険度▽豪雨時の浸水想定▽航空写真――などを公開している。 （朝日新聞より）------------------------------これは理想的なツール。減災は必ずしも与えられるものではなく、自らが調べることでその効果が上がるもの。自らの住む土地の性質をピンポイントで知るには、本来自ら調べるしかないのだ。ところが、あらかじめある程度の知識がないと調べ方も分からないし、そのような素材がどこにあるのかも分からない。そこでこのようなツールが役に立つ。現在自治体が配布しているハザードマップも必ずしも正解ではないし、むしろこうしたものを住民に見せて「はい、調べてみてね」と投げた方が案外効果は高いのかも知れない。想定よりも、土地を知ること。減災の第一歩なのではないか。ああ、今日名古屋にいたのに。見てくればよかった…

  2013.07.03

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