友の救出のため 地獄の戦場へ舞い戻った七人の男 「地獄の七人」
ベトナム戦争終結から10年。戦地に行った息子が捕虜収容所で生きていることを知ったローズ大佐は、艱難辛苦の末、かつての息子の戦友を集めて救出作戦を計画する!その1: 戦争は終わった だが、息子は帰ってこない ベトナム戦争集結から10年。ローズ大佐は怪我をした戦友を助けようとして捕虜になった息子が必ずベトナムで生きていると信じて行方を探し続けていた。国とはいくら掛け合っても無駄、そんな大佐にマクレガーという実業家が援助を申しでる。ある日一枚の航空写真から息子がラオスの捕虜収容所に居ると推測した大佐は、かつての息子の戦友達を集め捕虜救出作戦を企てる。広大なテキサスの地に捕虜収容所そっくりの訓練所を作り、訓練を実施する。過酷な訓練を経て強い信頼と友情で結ばれた7人の男達。出発前夜、マクレガーとローズ大佐が話し合う。大佐は言う。「フランクのことでは後悔している。ベトナム行きは決まっていた」「君の力なら、根回し出来た筈だ」「これがローズ家の伝統さ。一家全滅の危機に陥ったこともある。何の取り得もなく、優秀な軍人でもなかった。大勢、命を落とした。でも・・・戦った」「私は全てのものを手放してもいい、息子と会えるなら・・・」じっと見詰め合うふたり。その2: ローズ大佐ら七人はいよいよ敵地へ乗り込んでいく。ジャングルを刀で切り開き、敵を避けて行く七人と道案内人。やがて捕虜収容所が近くなった。「ここで二手に別れよう。陸路組みと空路組みだ、私たち3人は敵のヘリを乗っ取る。いよいよショータイムだ。スピーチを用意したんだが・・・、シーザーの言葉だ」一同、大佐に注目する。「人は死ぬことを知っている。だが、死がいつ訪れるかは知らない。再会できたら笑顔を交わそう。出来なければ今日を別れとしよう」大佐、みんなと敬礼を交わす。その3: アメリカ兵4人の救出作戦は実行に移されたベトナム戦争そのままに激しい闘いが繰り広げられる。その渦中に乗っ取ったヘリが到着する。「急げ、時間が無い!」攻めてくる敵軍を機銃で追い散らす。やっと最後の一人を助けだし、ヘリは離陸する。「助けに来てくれるなんて・・・夢のようだ。フランクは・・・病気に、ひどかった。何とか救おうとしたが・・・死んだ」ある捕虜の言葉に、大佐は言葉もない。「彼は僕の命の恩人だ・・・(大佐の胸に縋って泣く)。恩人なんだ」捕虜を抱きながら大佐も泣いている。その捕虜はマクレガーの息子だった。この映画は実話だそうだ。それにしても戦後10年経っても息子の生存を確信し、命を賭けても助け出そうとする父性愛、そのつよい心に打たれる思いがした。ラストシーンは胸が熱くなる。1983年 アメリカ・カラー 監督 テッド・コッチェフ 出演 ジーン・ハックマン ロバート・スタック フレッド・ワード