自分の家の『責任』について考える
私の住んでいる街は、結構古いお宅が残っています。保育園に娘を送った帰り、一人でぶらぶらと路地に入ってみたりするのですが、板塀、本瓦の屋根、格子の引き戸、木の窓枠、土間、太い梁・・・などが残っているお宅が集まった一角に出会えます。私、こういう家が大好きです。子供のころ、夏休みに滞在した田舎の祖父母の家がそんな感じでした。だから、心と体の中にそういう感触が染み付いているのだと思います。昔の日本の家は本当に美しかったのだろうと思います。そして、大正時代くらいまでの日本の町並みも、本当に美しかったと本で読んだことがあります。でも・・・今の日本の町並みって、お世辞にも美しいと言えません。みんな好き勝手に家を建てている。日本家屋風の家の横に、屋根も壁も色とりどりの輸入住宅もどきな家が建っていたり、直線基調の超モダンな家、素材が安っぽい(すみません;)工業製品的な家、色も形も装飾過多の家・・・いろんな家が、一堂に集まって町並み?を構成しています。海外から帰るたびに、日本の町並みのお粗末さを思い知らされます。家を建てる時の、ポイントはたくさんあると思うけど、たくさんの重要なポイントの一つに、「町並みを意識する」ことがあると思います。多くの人が『自分の家の中と外』ばかりに目が行って、周囲の環境とのマッチングを気にする人はほとんどいないのではないでしょうか?だから、美しい山々と田んぼに囲まれたところに突然、『屋根も壁も色とりどりの輸入住宅もどきな家』が出現したりするのです。ドライブをしていて、よくそういう光景を見かけます。街中には街中の、山間部には山間部の、海辺には海辺の、『美しい町並み』があるはずです。そしてその町並みを構成する重要なファクターが『家』だと思うのです。もっと、町全体としての美しさを意識する人が増えるといいなと思います。家には、周囲の環境に対する『責任』があるはずですから。