鈴木ツタ「この世 異聞」4巻5巻
「家を守る」という祖母の策略により、守り神のクラヨリ様に嫁入りした高校生の紡。その事に不満を持つクラヨリ様に対して、紡の「守り神」に対する想いは、実はとても真剣なものだった。そんな二人の気持ちはいつまで経っても平行線を辿る一方で…!? 大人気「この世」シリーズ、遂に待望の第4弾!! ショート描き下ろしあり 貧乏だった家を守って貰うためにクラヨリ様と仮初の夫婦になった男子高校生の紡。実は幼い時から紡はクラヨリ様一筋。そんな紡の一途な想いに絆されつつあるクラヨリ様だったが、ある日、二人の前に何かの目的で神社を荒らしながら「骨」を集める青年が現れて…!?大人気「この世」シリーズ『クラヨリ様と紡編』新章スタート!!いきなりの舞台チェンジにえ、え?ええ???となりつつも、これはこれで楽しみかも~と思った3巻から引き続き、狐さんと「嫁」話。初期カップルが(というかセツが)大好きな私はちょっと物足りないなぁと思っておりましたが、途中から昔の知り合いだったということで参戦して下さりなんとも眼福!が、えろろーんなシーンが皆無ではありませんか!いやーまあ、そういう描写がないほうが興奮するようになってきた最近の私ではありますが、しかし甘甘いちゃいちゃ大好きで、攻様の独占欲もりもりの描写とか大好きなのでね。こうまですっきりないとさすがに物足りないような、惜しいような。まあ、要するに喰らいついてがっついてるセツが見たかったという希望です。はい。(一応、5巻にてちらっとそういうシーンはあります。ありますが、え、お前らか!そんな関係でなくてもいいやん!と思う二人だったので食指は動かず…)なんでか骨になっていて、なんでか骨から出てきて、なんでか家を守ってくれる不思議な存在というふわふわした存在だったセツとクラヨリ様。ここにきて彼らは元は人間で、術を使って妖と交じり合って…と、彼らの生前(でよいのか?)の話も出てきて読み応え度はアップです。そして、同じ術を使って骨になって休息をとる妖や、その骨を捜す怪しい妖……ああ、不穏な空気!新キャラの青年と妖の少年コンビの、この妖の方がなんともタチが悪いようで、一気に今後の展開が心配になります。心底邪悪そうなんだわーあーもう!幸せなラブラブカップル(人外)が見たいのに!ちなみに……セツがクラヨリ様に、人間に戻る方法ないかな…と相談するのです。昭雄と一緒に時を過ごしたいのだな!昭雄を最後にしたいのだな!と酷く萌えではあるのですが……ほら、混じった時点で一応人としては終了しているので……人間の肉体に戻った途端に、そもそもの肉体の状態に戻ったり、妖として重ねてきた時間を一気に背負ったりして、 人間に戻れました→消滅という展開になるんじゃないかとヒヤヒヤするのですがいかがでしょうか。由貴香織里さんの「ルードヴィッヒ革命」の茨姫みたいに、切なさ満点の展開になりませんように。