素直じゃなかった
17,8歳の頃の自分を思い出してみると、 ハリネズミみたいだったと思うことがある。他人に知られたくない秘密は誰にもあるだろうけれど、ご多分に漏れず私にも秘密があった。自分にとってそれはとても重大で、決して知られてはならないことに思っていたので、ひと付き合いはぎこちなく不自然な物だったと思う。女子高生は、グループで何をするのも一緒、と言うような人達もいる。そんな、お愛想笑いを貼り付けてへらへらしている子達はお付き合いお断りだった。私の友達はごく少人数だった。仲好しこよしなんて、願い下げだ。話したいことがあるから話す。それが友達になる必要条件だった。欺瞞的な付き合いのトモダチモドキを、たくさん取り巻きにしている人を可哀想と思った物だ。そんなに肩肘張らなくてもなあ、と今なら考えられる。でも、あの頃の私はあんなふうにしかできなかった。人との距離が上手く取れなかった。人のまねをしても上手くはいかない。自分は自分のやり方でしか生きていけない。いまの人はどうなのだろう。案外そんなに変わらないのかもしれない。かつての自分より、大人のように見えたりもするけれど、そんなに大人になり急がなくてもいいのにと思うこともある。そんなに人に気配りしなくていいのに。もっとわがままにやりたいようにやればいいのに。気配りのできない人と、気配りの過ぎる人に2極化しているようだ。力を抜いて楽に生きることができるように、きっとなる。