朝青龍と白鵬の対決に思う。
白鵬が朝青龍を下して優勝したが、稽古量の違いが示した結果だ。
ただ、試合を見ると白鵬の方がやはり不利なのだ。
白鵬が一番に張り出したのも、朝青龍を怯ませる作戦なんだろう。
互いに掴むと朝青龍の手が届かないのか、宙ぶらりんになってはいたが、白鵬はそれでも投げられなかった。
片腕だけでも朝青龍は強いのだ。
その時に浮き出た朝青龍の筋肉が底力を物語っているようだ。
それでいて、白鵬はへっぴり腰だった。
これは白鵬負けるんじゃないのかなと思ったが、やはり白鵬も踏ん張っていたのか堪えることが出来たようだ。
それでも朝青龍は何度もあの巨体の白鵬を持ち上げていた。
すげー、やはり恐ろしいなと思った。
最終的に白鵬が土俵際まで追い詰めて朝青龍を宙に舞わせた形で勝ったのだが、努力と時の運だと感じた。
しかし両横綱が外蒙古(モンゴル)出身って、我が国の相撲はどうなっているんだ。
但し、白鵬も朝青龍も見る限り余り仲が宜しくなさそうだ。
勝負の意気込みでも、優勝させてなるものかであり、勝った後でも稽古を積んだか否かの差を強調したりしていた。
朝青龍も同じ蒙古出身の他の力士に対しても毛嫌いしていた、と言うのも聞いたことがある。
蒙古出身同士仲睦まじく振る舞っていると言うことは無いようだ。
外国だから同郷意識があるのだろうと思いきや、蒙古はそうでもない。
大きなものはウルスから小さなものが人まで、超個人主義を貫徹しており、一度離散すると二度とくっつくことはない。
ウルスとは国のこと。
ソ連に分割されたのが外蒙古のハルハ・モンゴル(モンゴル国)で、チャイナにあるのが内蒙古で自治区の位にはなっているが実際は漢化が進んでおり、内蒙古族も漢名を名乗り、喋る言葉も北京語だ。
先日来日した凸凹コンビのちっちゃい方は内蒙古族だが名前も漢字で文章も漢字だ。
独立国モンゴルは縦書きを廃止してキリル文字を採用し、国民もまた、名前をロシア風のПётр(ピョートル)やИван(イワン)とかにしているようだ。
そして、ロシア連邦内にもモンゴルはあるのだが、こちらも完全にロシア化が進んでいるのである。
トゥーワ、ブリヤート、そしてカスピ海側のカルムィキヤ。
ロシア内モンゴルの大統領は汎蒙古主義を掲げていたが、これも余り聞かなくなったな。
実は中央アジアもモンゴル系なのだが、仏教ではなくイスラム教を信奉している。
カザフ、キルギス、トルクメン、ウズベク…。
しかし、東方正教会も信奉しているから、余計複雑になってしまっている。
そういえば、相撲は蒙古勢だけじゃないもんな。
旧ソ連諸国もやっているし。
確かに、ロシア及び周辺も格闘技に於いて、サンボやレスリング、柔道等が盛んである。
今度は相撲に手を出し始めたか。
ヨーロッパは殴り合いのボクシングやK-1(一部だが)が主流だ。
そういえば、露鵬とか黒海とか把瑠都とかどうしたんだろう?
一時期名が出ていた大関の琴欧洲もナリを潜めてしまったなあ。
琴欧洲は相撲では最西国の勃牙利(ブルガーリャ)だったが、名前が大雑把だ。
もしもフランスやイタリアとかスペインからも来たらどうするんだろう?
しかしまあ、ブルガリア生まれだから、早速スポンサーに明治ブルガリアヨーグルトがついてしまったか。
琴欧洲はイケメンだから注目も集まったけど、黒海は…。