うじ虫の同定作業 identify
我々の仕事には、駆除を行う業務以外に、駆除対象物の正体を知る作業もあります。こんな昆虫が涌くのだけれども・・・・・どうしたらいいのか?そんな質問のときの、「こんな」を「何なのか」定める作業です。皆さんが病院へ行かれると、ポピュラーな病気なら、「はい、風邪ですね」なんて、気が抜けるほどあっさり診断されたりしますが、これも、我々の同定と同じことです。今日の写真は、とある住宅。天井裏から、ポツリポツリと、写真の虫が落ちてくるということで、伺いました。今の若い人は知らないのでしょうか。僕らが子供時分には、川釣りにいつも買っていた、「ウジ虫」です。住んでいる人は、嫌な気持ちですよね。天井から、フローリングにうじ虫が落ちてくるのですから。何だか、ホラー映画のような、背筋が寒くなる気持ちだったとおっしゃっていました。こういうケースの時に考えられるのは、何か原因が天井裏にあるということです。では、更に診断する為に、このうじ虫が、どの昆虫の幼虫なのかを、同定させなくてはなりません。結果、この幼虫が、「センチニクバエ」というハエの幼虫であることを突き止めるのですが、センチニクバエは、雪隠肉蝿と漢字で表すように、動物性のたんぱく質を幼虫のベッドにして、繁殖する蝿なのです。と、いうことは、天井裏には、何かの死骸があると想像できるわけです。今日の作業はここで終了しましたが、このような同定のお仕事も、私の重要なビジネスです。ちなみに、持ち込まれる検体を、数日の間で同定する作業では、通常価格は7,000円頂いています。困難なものになればなるほど、高くなりますが。しかし、昨日NHKニュースで、ノロウイルス特集を観ましたが、「大発生の理由は?」とのアナウンサーの質問に「そんなことは判らない」と応える保健所の幹部職員の姿に、真剣さが無いように感じたのは、私だけでしょうか。それを言っちゃあ、お終いよ・・・・車寅次郎さんの台詞ですが、無責任時代を象徴するような、役人の姿でした。