擂茶に隠れたメッセージ 銀針茶知深処
布目潮風さんの「中国名茶紀行」を読むと、茶が、飲み物ではなく、食べ物だった時代から、記述が始まっている。漢字が茶ではなく、「荼(と)」という字を充てている。後漢「僮約」にその初出がある。そこでは、飲み物ではなく、羹(あつもの)、スープだったとある。 【送料無料】中国名茶紀行価格:1,050円(税込、送料別) 日本の抹茶が、中国の唐から宋代の習慣を高僧が持ち帰り、その習慣が、中国ではなく、日本に現存している、との歴史ロマンがある。茶を、煮出したりせず、砕いてそのまま飲むやりかただ。(もっとも抹茶の碾茶方式の場合、当時の茶と現在では茶の製品が異なるので、一概に同じ習慣が残っているとは言い難いのだけれど・・・。) ただ、茶が、栄養摂取だったり、そのまま食べてしまうものという習慣は、後漢の時代からなんらかの形で続いている。 客家の擂茶には、昔のからの中国の習慣が保存されているようだ。同時に、家族のつながりも見え隠れしている。客家語の数字の数え方も、日本に最初に中国語が伝わったころの発音が残っていたりする。(中国語の発音は、地方によっても異なるけど、時代によっても変化が激しい。日本でも江戸時代のお侍言葉はいまは、使わない。) 客家が、擂茶を守り続けているその裏側に、茶の本質が守られている。 「性を養い、友情を深め、礼を示し、情を伝え、先祖を祀り、徳を育み、情操を陶冶し、生活を美しくするという茶の根本用途が守られている。」(東洋の茶 茶道学大系7 淡交社 客家擂茶源流考より) 【送料無料】茶道学大系(第7巻)価格:8,400円(税込、送料別)茶の飲み方は、時代とともに変化している。変化しながら、擂茶が守っている、栄養補給だったり、家族とのつながり維持機能がそこには見え隠れしている。 21世紀は、どんな茶のスタイルが現れてくるのだろうか。ぼくも、コップ茶とか、水筒茶とか、手間をかけない美味しい飲み方をいろいろ試している。道具を揃えて、ゆっくり茶を飲むことが大切なのは分かっているけど、生活スタイルがそうさせない場合がある。だから、手軽に美味しく飲む新しいスタイルをどんどん試して、このブログにも書いていきたい。 【送料無料】中国茶巡礼価格:2,520円(税込、送料別)にほんブログ村