酒は人
おいしい酒を選ぶコツは「人」。金賞受賞倉とか、酒の名前で飲む酒を選んだことがない。酒もワインと同じで毎年違う。それを一定の味にするのは人の仕事。だれが美味しい酒を作っているかを今も探している。きのうの花の舞は「土田一仁」さん。若き杜氏が醸す、今を映す銘酒若々しい土田さんだが、「毎年、昨年よりはいい酒を造るという気持ちで蔵に入っています」と自信のほどをうかがわせる。蔵にジャズやポップスが流れているものの、酒造りの基本姿勢は昔となんら変わらない。「酒という生き物を扱っている以上、どんなに設備が新しくなっても人の手が大事。子どもを育てるように愛情で酒を造っています。熱が出れば熱冷ましを飲ませ、凍えたら抱いて添い寝する、それと同じ酒造りですよ杜氏として若い蔵人をまとめあげ、全国新酒鑑評会で好成績をあげているのは、彼の酒に対する愛情と酒造りへの妥協のない努力の結果であろう。 山田錦研究会レポート 土田杜氏は花の舞と静岡山田錦研究会との出会いからその後の歴史を振り返り、「いい関係が構築でき、優れた山田錦をつくってもらえるようになった」と感謝を述べました。 「花の舞」花の舞酒造株式会社(浜北市)花の舞を、静岡県を代表する銘柄に育て上げたのは現社長の高田和夫さんだ。昭和48年、急死した先代の跡を継いだ26歳の高田さんは旧体質の家業の大胆な構造改革に挑む。灘の大手ブランドよりも酒質を上げようと本醸造酒主体に転換し、さらに吟醸造りのノウハウを極め、昭和60年に「秘づくり花の舞大吟醸」を発売。