復活の日はくるか
オールスターも終わり、いよいよ後半戦のスタートとなったプロ野球。今日は車の中で東京ドームのジャイアンツvsタイガースを聴きながら帰ってきたのだけれど、実況アナが、タイガースの井川のことを、「帽子からはみ出た髪が三角形のようになっていて、まるでダースベイダーのようです」と表現しているのには笑った。帰宅してからは、日テレ系でタイガースの試合を、BS1で大阪ドームのオリックスvsホークスを、二画面で楽しんだわけだが、タイガースもホークスも幸先よく勝利。めでたい。しかし、そんな中で、気になる投手がひとりいる。ホークスの抑え投手・三瀬のことだ。久し振りに1軍に昇格してきた今日、5-1とリードした9回裏のマウンドに登ったのだが、1アウトを取っただけで、2人の代打に連続ホームランを浴び、5-3。あっけなく、マウンドを後輩の「現・守護神」馬原に譲ることになってしまった。ああ、今日もダメか。寂しげにマウンドを降りていく三瀬の姿と、王監督の厳しい表情を見ながら、何とも切ない気分になってしまった。ルーキーながら、ホークスの守護神としてパ・リーグのセーブ王と新人王に輝いたのは昨シーズンのこと。今シーズンも、「守護神・三瀬」は健在、のはずだった。その流れが一気に暗転してしまったのは、5月から始まったセ・パ交流戦。タイガース戦で三瀬が金本に投げた一球が頭部死球となり、危険球退場になった、まさに「運命の一球」が、三瀬の歯車を狂わせてしまった。以来、あれだけ強気に攻めていたピッチングが別人のようになり、救援失敗を繰り返すようになった。ある試合では、立ち直りを願う王監督や尾花投手コーチが、滅多打ちにされてもあえて降板させない荒療治に出たこともあった。それでも立ち直る気配すらなく、ついに2軍落ち。今日は、その復活ののろしを上げるべき試合だったはずだが、結局、またもやその願いは叶わなかった。「攻め」の気持ちを失った守護神は、もはや守護神ではない。少しでも「弱気」や「逃げ」が心の中にはびこり出したら最後、ストッパーは存在意義を失ってしまう。どんなに苦しくても、それと真正面から向き合って戦っていかなくてはいけない。そんな厳しい現実の中で戦うことが、「抑え投手」の宿命なのだ。たった一球のデッドボールで失ってしまった「攻め」のピッチングを、三瀬は必死に取り戻そうともがいている。それが手に取るように分かるだけに、投げても投げても結果が出ない姿は痛々しい。三瀬が「鷹の守護神」として復活する日はやってくるだろうか。あの、飄々とした顔で相手の最後の攻撃を封じ込めるピッチングを、もう一度見たいのだが。