Progress
昨夜、いつものようにNHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」を見た。今回は、現在、空間プロデュースの世界でも注目されている左官職人・挟土(はさど)秀平さん。この人のキーワードは「臆病」。どんな仕事でも、「大丈夫かな」が口癖。正に「石橋を叩きに叩いて渡る」丁寧な仕事ぶり。「自信過剰になれば、必ず落とし穴に落ちる。常に不安を抱えることで、感覚が研ぎ澄まされ、良い仕事ができる」という言葉が印象に残った。思い起こせば、トリノ五輪。大会前に自信満々なことを口にしていた選手ほど、失敗した。それは自信過剰による失敗ともいえるけれど、それを口に出す選手ほど、実は本当の自信を持ち合わせていないのだということに気づかされた。逆に、慎重な発言をするベテラン選手ほど、いい結果を残した。一見、無欲のように受け取れる言葉は、「揺るぎない自信」という裏付けがあるのだ、ということを教えられた。必要とあれば、立ち止まることも後戻りすることも恐れない挟土さんの仕事ぶり。躊躇なく立ち止まれるのは、ここまで積み上げてきたものに対する「絶対的な信念」があるからなのだろうな、と思う。足元がグラグラしていたら、立ち止まることもできない。ところで、この番組のテーマ曲「Progress」という歌がとても気に入っている。音楽ユニット「kokua」の曲で、ヴォーカルを務めるスガ シカオの詩と歌声が、とてもいい感じなのだ。Progressぼくらは位置について 横一列でスタートをきったつまずいている あいつのことを見て本当はシメシメと思っていた誰かを許せたり 大切な人を守れたりいまだ何一つ サマになっていやしない相変わらず あの日のダメな ぼくずっと探していた 理想の自分ってもうちょっとカッコよかったけれどぼくが歩いてきた 日々と道のりをほんとは“ジブン”っていうらしい世界中にあふれているため息と君とぼくの甘酸っぱい挫折に捧ぐ…“あと一歩だけ、前に 進もう”曲タイトルに貼ったリンク先でサビの部分だけ試聴できるので、ぜひお聴きあれ。