ハトの屈伸運動
ウォーキングの道すがら、ドバトがタクシーにはねられるのに出くわした。飛ぶことのできる鳥が車にはねられるのを見るのは、これで2回目である。はじめて見たのは今から10数年前。先輩が運転する社用車が小雨の中で高速を走行していたところ、フロントガラスにスズメがぶつかってきて、ボンネットの上で死んじゃった。心優しい先輩は、SAで土を掘ってお墓を作り、スズメを葬ってあげた。今朝見かけたドバトは、ぼんやりと道路の上をつついていたところをタクシーが通りかかったのであわてて飛び立とうとしたのだけれど、間に合わなかったのだ。残念!トロくさい奴だなあと思ったのだが、考えてみればそこは速度制限30kmのスクールゾーンであり、タクシーは見る限り60kmは出していたように見えたから、もしかしたら、「オレはただいつものとおり地面に落ちてるパンくずを探してて、車の制限速度にタイミングあわせて飛ぼうとしただけなのにポー」というハトのいい分のほうが正しかったのかもしれない。ハトは死んだのかと思ってタクシーに近づいて見てみたところ、車の後ろからパタパタと羽ばたく姿が見えた。運よく車台の下に身体を入れ、タイヤもやりすごしたらしい。ホッとした。タクシーはそのまま走り去ってしまったが、運転手がバックミラーでハトの無事を確認できたのかどうかはわからない。できなかったとしたら、彼の今日1日はどんよりとした気分のものになっちゃうのだろう。ハトはそのまま上へ舞い上がり、目の前の電線に止まった。だけど、いささか身体を地面に打ったらしく、身体のバランスがおかしくなっているようだった。すると、ハトは腰(?)を屈曲して、尾羽を前方へクイックイッと張り出す妙な動きをはじめたではないか。ハトが屈伸運動をするのは生まれて初めて見た。まるでイセエビのようだ。なんだかヘンテコものを見る朝である。帰ってTVをつけてみると、みのもんたがTBSのニュース番組に出て、北朝鮮の話題に口角泡を飛ばしていた。夕べ、「報道ステーション」のゲストで古館伊知郎としゃべっていたのに、もう今朝テレビに出ている。夕べは赤坂プリンスにでも宿泊したのだろうか。この人は毎日平均2本以上のTV番組の司会をやって、毎晩12時に寝て3時に起きるそうである。いかに仕事が楽しいとはいえ、その体力と気力にはほとほと恐れ入る。たぶん、「仕事場で死ねれば本望」という覚悟が出来てるんだろうなあ。強い人だよなあ。