肉食法螺吹き軍団・屋外の宴
5年前に誕生した我が草野球チーム「ベアーズ」は当初、ネットでメンバーを募る変則的な募集方法をとってきたので、はじめは全国津々浦々から老若男女を問わず、ジャンジャカジャンジャンとメンバーが集まったため、そのあまりの食いつきのよさに気を良くした我々チームの発起人達は、ヨコハマはツルミの居酒屋「ケムマキくん」(24時間営業)で、真露ウイスキー割りだの、IWハーパーとテキーラを6:4の割合でカクテルした「必殺バカボン」などをあおりつつ、次のような与太話に延々花を咲かせた。「これはもしかすると全国レベルで『ベアーズ名古屋支部』『ベアーズ大阪支部』などを次々に設け、やがては全国あちこちのチーム同士のリーグ戦や対抗戦も開けるやもしれぬ」「そうなるとプロ野球のように各地へ遠征することだって可能だな」「いやいや世界規模で広がる可能性だってある、そんなことも近未来に向けては決して夢じゃない!」「そうか、そうなればW杯を開けるわけだな、やがてはサッカーW杯をも凌駕できるやもしれぬ」「まずは日本国内で着実に天下獲りの足場固めをしよう、合言葉は『打倒ナベツネ、打倒スズキムネオ』だ!」「そうだそうだ、そして来年はキンテツ買収、マツザカ獲得、韓国進出だあ!」「おう!」一同は手元の酒を一気に飲み干し、ゴジラマツイのように火を噴いて、次の瞬間そのまま店の座敷に大の字に倒れこんだ。3時間後、不死鳥のごとく起き上がった我々は、「がぁぁ~、全身に猛毒がぁ~、インリンさまより強力なアセトアルデヒドぉ~!!」「よし、これから5kmのランニングのあと、バッティングセンターで1人100球特打ちをやるぜ!」「誰かオレのアタマをのこぎりで切ってくれえ~」「始発始発、始発の電車は何時かにゃあ・・・?」「サンマーメン食いたい、でもお金ない、おみーに食わせるサンマーミンは、にぃ!」などと口々に勝手なことを叫びつつ、親切な店主に土下座たったの50回で呑み代をツケてもらい、酔い覚ましにとの心優しい配慮から、フライパンを頭の上で叩かれ、尻を蹴飛ばされて店を叩き出されたのであった。・・・とまあ、こんなことが5年前にあったのだが、発足当初のお話はここまで。このように、メンバーの9割が「アンチきょじんファン」で、かつ全員が誇大妄想癖を持つベアーズなのだが、基本的に「目標は非現実的なほど果てしなく高く大きく」をモットーとするベアーズは、当初掲げたスローガンに次第に背丈が追いつかなくなり、現実的に「小さなことからコツコツと」取り組む周りの対戦相手からは、着実におきざりにされていくのであった。そんなこんなで昨日は、近年の不振を吹き飛ばし、秋空の下のアウトドアを満喫するために開催された「法螺吹きバーベキュー大会(於・八景島シーパラダイスの近くの公園)」に顔を出した。拠点が横浜なので、おのずと開催場所は神奈川方面になり、住まいが埼玉との県境の我輩たちにとっては遠い。だがそれでも、遠方から泊りがけでやってくる男は今年も来たし、遠方に住んでた中学生のコは成長して東京の大学に入学していまだに参加している、というありがたい話もあるのだ。ことほどさように、この法螺吹き軍団ベアーズは、不思議な魅力といったものが内在する軍団なのである。帰ったら試験勉強を、と思っていたのだがとんだ誤算で、早朝から出かけて帰宅が夜10時手前。全般的に肉の量が多めで野菜が足りない。幹事の人物3名の平均身長173cm、平均体重102.5kg。「ぎうかく」などに彼らと行くと恐ろしい量の肉を食らう。恐怖の肉食法螺吹き軍団との宴だった。酒とケムリのにほひが全身にまとわりついてしまい、そのまま寝床に潜り込んで「寅さん」を見ているうちに眠ってしまった。たまにはこういう日があってもいいか、と思ったけど、あさっては入試1発目なのだ(ケッケッケ・汗)。