野の花も日々あれこれ考える

[散歩] カテゴリの記事

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  散る桜　残る桜も散る桜

  伊勢の桜の名所と言えば宮川の桜並木だが、私の住む二見町の桜の名所というと音無山の桜だろう。桜の季節が近づくと、山頂への登山道は日没頃から夜９時までライトアップされ、幻想的な桜の美しさが楽しめる。本当はもう桜は盛りを過ぎて、残り少ない花のついた枝を捜して写真を撮ったのだが、少しの風でもはらはらと舞う花びらが、本当に美しかった。田舎の小さな山だが、元々たくさんのヤマザクラが植わっていて、平成４年ごろから桜の季節のライトアップが始まったらしい。その後、ソメイヨシノもきれいなので植えて欲しいという希望が多くあり、中部電力の協力を得て平成５年に２００本、１２年に５０本のソメイヨシノが植えられたそうだ。（このデータは花子が４年生の時に、地元のことを勉強する授業で、役場へ出向いて調べてきたものを無断で拝借した。）桜の時期に伊勢・二見方面を訪れる機会があったなら、ぜひこの音無山の桜も楽しまれてはいかがだろうか。

  2007年04月11日

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  朔日餅を買いに行く

  ５時前に起きた。まだ外はもちろん真っ暗。殿と二人、眠い目をこすりこすり暖かい服装に着替えて、車に乗り込む。赤福の朔日餅（ついたちもち）を買うために内宮前のおはらい町へ行くのだ。赤福といえばもちろん伊勢の名物なのだが、その赤福で毎月一日にはその月に合わせた特別なお餅を販売することは、県外の人々にはあまり知られていないだろうと思う。私は大阪にいた頃、阪神百貨店の赤福売り場で「朔日餅　予約承ります。」と書かれた貼り紙を一度だけ見たことがあるが、実物は知らなかったし、周りの人からも聞いたことも無かった。こちらに住むようになってからは、朔日餅を毎月買いに行くと言う殿の友人にちょくちょくいただいた。でも、自分で暗いうちに出かけて、行列を作って買うというのは、実は初めてなのだった。画像は５時半ごろ、まだ真っ暗な中で写した河原の灯りと赤福本店。長い長い行列の最後尾を探すと「御案内」と書かれた提灯を持った男性が誘導してくれた。橋の上は寒くて、鼻と耳が痛くなる。15分くらい並んで目的のお餅を買うことができた。一時間以上並ぶ時もあるらしい。12月は雪餅。中に入っている説明書きには「暦の上で十二月は、大雪。そこで、雪餅。ときびの牛皮は地面の黒土をあらわし、その上に氷餅で薄化粧の雪を降らせました。」と書かれている。朔日餅はパッケージも毎月違った、季節の伊勢千代紙で包まれ、朔日餅と書かれた袋にいれてくれる。今月は師走らしく「火の用心」。火の用心の貼り紙のおまけつきだ。目的が達成されたら、いっそう寒さが感じられてきて、伊勢萬の軒にぶら下げられた「甘酒」の文字についふらふらと引き寄せられた。赤福本店と目と鼻の先。伊勢萬の店先。伊勢萬は赤福の系列会社で、焼酎「ステラ」を作っている会社である。おはらい町の赤福関係の店舗や、赤福の子会社が運営するおかげ横丁は、毎月一日はみな５時頃から店を開けるのだそうだ。おかげ横丁の入り口。鮮魚や惣菜や野菜、おやつなどの朝市が立っていた。朝食を出す店の共同のお品書きの立て看板。海老丸で帆立とあおさの雑炊を食べたかったのだが、早く帰って子供達を起こさなくてはならないので、涙を飲んで歩を進める。すし久の冬至粥にも心魅かれ、後ろ髪を引かれる思い。懐かしいおもちゃを売る「孫の店　三太」駄菓子屋さん時間があったらゆっくり冷やかしたいところだが、６時半には家に戻らなくてはいけない。殿は早足でどんどん先を行く。「殿～！ちょっと待ってよー！朝ごはん、買っていこう！！」と呼び止めて、「松阪牛入りにくまん」４個と「てんむす」一包みを買う。おかげ横丁の一番奥、「灯りの店」。（確かカメヤマローソクのショップだったと思う）かわいくて美しいキャンドルやお香がたくさん売られている、大好きなお店である。あぁーゆっくり覗きたい…。でも、肉まんが冷めるので、帰りを急ぐ（涙）。寒くて、おいしくて、楽しい散歩だった。でも今度は、７月の竹流し水羊羹か、８月の八朔粟餅の、早朝に並ぶのが辛くない季節に行きたい。

  2006年12月01日

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  「伊勢ヨイ夜ナ」へぶらぶらと…

  内宮の参道一帯で開催されている「伊勢ヨイ夜ナ」というイベントに行ってきた。これはブログをリンクさせていただいているemasさんの日記（伊勢志摩の記事と写真が盛りだくさんの楽しいお散歩日記。伊勢志摩地方を訪れる計画のある方はぜひご覧いただきたい。）に書かれていて、「あ、そうだ！今年もやってるんだった！」と思い出し、ちょっと覗きにいってみたのだ。伊勢神宮の周辺は、夕方はやい時間に閉店する店舗がほとんどで、いつもの夜はひっそりとしているのだが、おはらいまちの若い衆や自治体が協力して、夜の内宮周辺と五十鈴川河川敷を楽しめるイベントを、ということで最近始まった試みだと聞いている。昨年はまだあまりPRされていなかったこともあって、そんなに混みあっている感じはなかったのだが、今年は大道芸あり、街角ライブあり、伊勢音頭の披露ありと、そぞろ歩きを楽しめる企画がうんと増えていて、ずいぶんと賑わっていた。また河川敷一帯と街じゅうに敷き詰められたキャンドルのライトアップがとても幻想的で美しく、それを楽しみに訪れる人も多かったようだ。そういえば以前、ちょくちょくお邪魔しているmoeuhanenatuさんのブログに載っていた、三重県産の漢方薬（？）の古めかしい看板が目にとまったので、写真を撮ってみた。「百毒」という響きの恐ろしさと「下し」という言葉から連想される悲劇が怖くてまだ飲んだことはない。通りのずっと奥、内宮さんのちょっと手前のお店で、おいしいサイダーを飲んだ。ラベルのデザインがすごく気に入っている。味はサイダーと言うよりもラムネに近い感じ。二胡のライブもあって、楽しいひと時だった。

  2006年10月29日

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  花子と散歩

  運動会の振り替え休日。娘と私と、ふたりでのんびりできるのは、なんだか久しぶりのような気がする。二人とも運動会で頑張りすぎて、一晩眠ってもまだヘロヘロしていたが、せっかく良いお天気なのでちょっと散歩に出かけようということになった。運動会のお弁当にサンドイッチを作ったので、パンの耳がたくさん余っていた。花子がビニール袋に入れて、好きなＣＤを持って車に乗り込む。目的地は車で５分くらいのところにある大きな公園。小さい頃はよくお弁当をもって、家族で遊びに来た。ちょっとしたボール遊びもできるし、大きな池の周りの遊歩道はたくさんの花に囲まれていて、ぶらりと歩くにもちょうど良い。太郎も花子も、ここで自転車の練習をして、乗れるようになった。花子と公園の奥のほうまでぶらぶらと歩き、池の近くまで行けるところで、パンの耳を鯉にやり始めた。はじめはなにもいないように見えた水面にパンをちぎって投げると、たちまち赤や白や金色の大きな鯉たちが集まり始める。バシャン！と音を立てて跳ねながら、大きな口でパンを飲み込む鯉たち。特に赤と白の模様の鯉が、すぐに近くまで寄ってきてパンをねだるようにこちらに大きな口をあけて待っていてかわいい。しばらくパンをやっていると、小さな小さな透き通ったエビや、めだかくらいの黒いお魚も寄ってきて、鯉のおこぼれをつついているのが見えた。花子が「小さいお魚さん、すっごくすばしっこいねぇ」なんて感心していると、ずいぶん向こうのほうの水面からなにか黒くて小さいものがこちらに向かってすごいスピードで向かってくるのが見えた。それはちょうど人の親指のようなかたちで、明らかに意思を持ってこちらに泳いでくる。一つではない。ふたつ…みっつ…。「あれ、なんだろうねぇ」と花子と話しているうちにもどんどん近づいてきて、そして水面に浮かんだパン切れをパクッと食べた！そしてまだまだこちらへ向かってくる。黒い親指のようなものの正体は、かめさんの頭の部分だった。亀は動きがのろいとよく言われるが、あれはウソだと思う。彼らはずっと向こうの岸から鯉が餌をもらっているのを見つけ、かなりのスピードで一目散に泳いできたのだ。花子はものすごい食欲の鯉たちや亀たちに圧倒されながら、必死にパンをちぎっては投げ、投げてはちぎり、あっと言う間に食パン２斤分のパンの耳を全部投げてしまった。「あーー、なんか楽しかったというより、忙しかったよ…」と言う花子。涼しい風が吹いているにもかかわらず、額とハナの頭にはうっすらと汗をかいていた。向こうの方に小さく写っているお城は、江戸ワンダーランド（旧伊勢戦国時代村）の安土城せっかくの振り替え休日を、公園への散歩だけで終わってしまった私たちだったが、とてものんびりできて満足だった。芝生の上を歩く花子の後姿を見ていると、ほんとに大きくなっちゃったなぁと改めて思った。

  2006年09月25日

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  お土産を買うのも楽しいのにね

  うちの殿は、お土産を買うのが大嫌いだ。買うこと自体には文句を言ったりはしないが、「ぶらぶらと買い物をする」という行為が好きではないらしい。でも、せっかくの一泊旅行なのだから、私と子供達はおみやげ物をゆっくりと見たかった。そこで私たちは、３人で売店に出かけるチャンスをずっと待っていた。すると、そのチャンスは意外と簡単にやってきた。朝食の時、先に食べ終わった殿は「先に部屋に帰ってのんびりしたい」と言い出したのだ。にやりとしたのは太郎。花子が「じゃ、もうちょっと食べたら行くからね」と殿に声をかける。「ゆっくり食べておいで」と殿。よし。これでのんびり買い物ができる。本当に「近所」という感覚のリゾート地なので、見たこともないような珍しいものはないのだが、子供達は楽しそうにお菓子や雑貨を眺めていた。買う買わないは別として、こういう時間もけっこう良い思い出になるものだと思う。花子が「これ、おいしいんだよー。買っていこうよ。」と言ったのはこれ。鳥羽に泊まっているのに、松阪牛せんべい…。まあいいか。私が絶対に買いたかったのはこれ。このとうがらし梅茶は、この付近のお土産屋さんでよく見かけるもので、ちょくちょく買っては飲んでいる。昆布茶に梅ととうがらしが入っているもので、とてもおいしく、湯飲みに一杯飲むだけで、体がポカポカして汗がじんわりと出てくるのだ。パッケージには「今、話題のカプサイシン」の文字が。ひょっとしてダイエット効果があるのか？！という淡い期待も、必ず買ってしまう理由のひとつなのだ。この他にも、カスタード餡のお饅頭やチョコレートケーキなどを買った。赤福はさすがに買わなかった（家のすぐ近くにもお店があって、しょっちゅう食べているので）が、地元のお土産を物色するっていうのもなかなか楽しかった。どっさりとお土産を抱えて部屋に帰ると、殿が「あ、お土産買ってきたのか！あのさ、俺、○○さんと△△さんにあげたいんだけど、二人分、余分ある？」なんて言っている。はいはい、ちゃーんと買ってありますよ。こうして私たちのこの夏の一泊旅行は幕を閉じた。帰り道、車の中で子供達が「楽しかった～」と何度も言っていたのが嬉しかった。

  2006年08月13日

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  家族で一泊旅行

  今年もお盆に家族で出かける予定はなかったのだが、殿が突然「鳥羽に一泊旅行に出かけよう」と言い出して、家から車で30分ほどの場所にある会員制のリゾートホテルに、家族で出かけることになった。本当はこの日、このホテルで殿の小学校の同窓会が開かれる予定だった。遠方から里帰りしてくる同級生も多く、幹事の誰かのコネでここのスイートを数部屋押さえてあったのだ。しかし、今年はこの日に都合のつかなくなるメンバーが多数出たため、同窓会は延期になった。それで、殿が「せっかく押さえたのだから」と、幹事から押さえたうちの一部屋と、家族分の夕食の権利を譲ってもらったらしい。子供達は、ホテルでのんびりと読書をしたいと言い、お気に入りのＣＤ数枚と本を鞄に詰め、私は家族の着替えとおやつを詰め、殿はテニスコートの予約を入れて、みんなのラケットを積み込んだ。準備開始から完了までわずか20分。久々の「家族でお泊り」へ出発した。前日の予報では、かなりお天気は悪くなるとのことだったのだが、実際には少し雲がある程度で、返って心地よいくらいのお天気だった。部屋からの眺め部屋は眺めの良いセミスイートで、家族四人がのんびりするのにちょうど良い広さだった。一時間ほど部屋でゴロゴロして本を読み、それからテニスコートに出かけた。殿は若い頃テニスが好きだったらしく、よく近くの空き地で太郎と簡単なラリーをしたりはしていたが、ちゃんとしたコートで太郎と手合わせするのは今回が初めて。勝つ気マンマンの殿だったが、実際にはこてんぱんにやられたようだった。テニスが終わって、みんなで温泉につかって、いよいよ晩ご飯。夕食はバイキングだった。↑これは、太郎が始めに取ってきたお料理のお皿。「まずはオードブル」と自分できれいに盛り付けたお皿を片手に、嬉しそうにしている。バイキングの盛り付けには性格が出ると思う。↑こちらはバイキング初体験の花子のお皿。まるで好き嫌いの激しい子供用のお子様ランチみたいだ。本人の楽しそうな笑顔に、仕方なくその場では黙っていたが、個人的には、スパゲティの隣にドーナツというのはいかがなものかと思う。「お母さん、このお皿のテーマはねぇ…」というので「『花子の好きなもの』でしょ？」と言うと「うわー、なんで分かったんかなあ！？」なんて言っている。ふん、そんなことくらい分からいでか。彼らはこの後、テーブルの中央にちょっとしたタワーを思わせるほどの皿を積み上げた。とにかく食べる食べる。また、ここのホテルのお料理はおいしいと評判なだけあって、なにを食べても決してハズレがない。特に目の前でどんどん焼かれるステーキやバーベキューは本当に楽しくておいしかった。みんなおなかが張り裂けそうになるくらいたくさん食べた。感心したのは、子供達がとても行儀良くきれいに食べ、食べ残しができるような取り方をしていなかったことだ。いつのまにか二人とも大人になったんだなぁ…なんてちょっと感慨にふけったりしながら、殿とビールを飲む。私は今までバイキングって少し苦手だったのだが、子供達がこんなに楽しんできちんと食べられるのなら、これも悪くないなあと思ったのだった。この後、もう一度みんなで温泉に浸かり、私と花子は露天風呂のジャグジーで夜空を見上げながら「明日帰るの、なんかもったいないね。」なんていい合った。明日につづく

  2006年08月12日

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  一人でランチ。

  殿とランチの約束をしていたのだが、急なトラブルで戻ってこられなくなったらしい。うちでお茶漬けでも食べようかと思ったが、ごはんがなかった。それならサンドイッチでも作ろうかと思ったが、卵もハムもない。そういえば、今朝、腹ペコの子供達がハムエッグでごはんを食べたのだった。じゃ、一人で予定通りランチに行こうか…とぶらぶら海岸沿いの堤防を歩いて家から徒歩３分のリゾートホテルへ。最上階にある眺めの良い中華レストランで一人、のんびりと海など見ながらのランチとなった。ここのランチは何を食べても本当においしい。しかもボリュームたっぷり。メインのお料理と点心とデザートを、自分で選んで組み合わせる。今日私が選んだのは、牛肉とピーマンの炒め物、ふかひれ蒸し餃子。これにスープ、蒸し鶏、サラダ、フリッター、ごはんが付いている。一人で外食、私は昔から好きだった。だいたい、一人の時間が好きなほうなので、あれこれ考えごとをしながら一人でごはんを食べるのはとても楽しいのだ。普段、思いつかなかった良いアイデアが浮かんだり、ちょっと自分を見つめなおしたり。そしてもちろん、おいしいものを食べているのだから、レシピをいろいろ探ったりも。おいしいものを食べると、家族にもおいしいご飯を作ってあげようという気持ちが湧いてくる。そんなことを考えているうちに、食事はデザートへ。殿がここの常連なので、デザートはちょっとおまけを付けてくれた。うれしい。デザートまで含めて1,000円也。おいしかった。お昼からはいつもよりちょっと頑張って家事をするとしよう。いや、今日はもう一つ書きたい記事があるのだが…さて、どうしたものか（悩）

  2006年06月20日

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  海へ

  久しぶりに家族で海岸へ散歩に出かけた。空も海も青くて、ちょっと暑くなった砂を裸足で踏むのが気持ちよかった。家から徒歩３分で海に着く。子供達がもっと小さい頃は、家で水着に着替えて、バスタオルだけ羽織ってよく来たものだった。岩場の潮溜まりで、子供達がイソギンチャクをたくさん見つけた。亀の手と、「イソモノ」と呼ばれる巻貝。どちらもゆでると食べられる。亀の手の肉は、蟹の脚肉に似た味がする。イソモノというのは、貝と言うよりはカタツムリに近い気がする。きれいな模様や色の石たち。こんなに様々な色があるとは思わなかったので、ちょっと驚いた。かわいい貝殻たち。ちょっと見るだけでも、すぐにたくさんのきれいな貝殻が集まる。今日見つけた中で、一番きれいな貝殻。浜辺の植物達。強い風にも負けないように、砂浜にへばりついてたくましく生きている。あしたばハマヒルガオハマボウフウムラサキハナナ？でも葉っぱが違うような…花子の貝殻コレクション。帽子の中が砂だらけになるのもおかまいなし。「この貝殻で何を作ろうかな」と楽しそうだ。海水浴シーズンになると観光客でごった返し、とたんにゴミだらけになってしまう海岸。それまでに、もう一度くらいはみんなで遊びに来ようと思った。

  2006年05月05日

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  外宮周辺散歩

  せっかくの休日だから、お昼はどこかで食べようと言うことになった。殿の提案で、外宮から徒歩２～３分のところに先月の末にオープンしたばかりのイタリアンレストランに行くことになった。そのお店は、以前みそ・しょうゆの醸造蔵だったものを改造してレストランにしたものらしい。私たちが到着すると、お店はもうすでにランチのお客さんで賑わっていた。少し待ち時間があるようなので、予約を入れて近くをブラブラすることに。レトロなお風呂やさんを見つけた。動物がたくさん描かれた暖簾がかわいい。今度は開いている時間に来よう。お風呂屋さんの向かい側のおうちの塀からは満開のコデマリがはみ出していた。カッコイイ蔵の窓東邸と書かれた石碑が。「古今伝授創始者を祖に持ち…」調べてみたが、よくわからん。これが東邸の外観老舗らしさの感じられる看板これが店舗私は業務用の濃縮だしを買った。業務用の食材を各種扱っているが、もちろん様々なみそやしょうゆも売っていて、眺めているだけでも楽しかった。このお店がイタリアンレストランも経営しているのだ。先日、日記に書いた新しく見つけたパン屋さんもこのすぐそばにある。私たちはパン屋に寄り、バゲットやエピやクロワッサン、自家製ブルーベリージャムなどを買った。殿はランチが待ちきれずに、アプリコットのデニッシュとジョーカーのジュースをおやつにした。その後、おかきやさんに寄っておかきやあられを買い、レストランへ戻った。これがお目当ての、蔵を改造したレストラン。パスタはとてもおいしかったが、あまりに賑わっていて、私たちの後にもずいぶんたくさんの人が待っているのが見えて、ちょっと落ちつかなかった。デザートを食べたかったが、殿が「まだたくさんの人が待ってるから、もう帰ろう。」と言ったので、ジェラートは次回のお楽しみに取っておくことになった。もうちょっと落ち着いたら、またゆっくりと来ようと思った。実はこの駅周辺は、ここ数年どんどんさびれてきていて、観光客はもとより地元の人間もあまり魅力を感じられるエリアではなくなっていた。駅前にあったスーパーが撤退し、百貨店が閉店し、商店街はシャッターだらけになった。私が嫁いで来た頃には、しゃれた雑貨や洋服を売る店がけっこうあったのに、今はほとんど無くなってしまった。地域の住民は、このエリアに二つある大手スーパーの大型ショッピングセンターと近所のスーパーで買い物をするスタイルに落ち着いてしまい、駅前は新しくできた本屋でさえ数年で撤退するようなありさまとなった。しかし、そこから少し離れた場所には、こうしておいしいパン屋ができたり、しゃれたレストランができたりして、新しいまちの芽が出始めている。ぶらぶらと街歩きをする楽しさを皆が思い出せるような街ができれば良いなぁと、少し期待がふくらむ楽しい散歩だった。

  2006年05月03日

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  外宮散歩

  久しぶりに外宮さんへ出かけた。周辺に観光客向けの施設がたくさん集まる内宮に比べて、外宮は普段は本当に静かでひっそりとしている。神様のお馬さんすぐそばまで寄って「これ、本物？」なんて言っている、子供づれの若いお父さんがいたが、天下の伊勢神宮でプラスチックの作りものの神馬など置いていたら笑いものである。正真正銘本物の、由緒正しきお馬さんなのだ。外宮の御正宮（ごしょうぐう）は、天照大御神の大御饌（食事）を司る「豊受大御神（とようけのおおみかみ）」で、衣食住や全ての産業を守る神様なのだそうだ。江戸時代の国学者、本居宣長は「朝宵にもの食ふごとに豊受の神の恵みを思へ世の人」と歌っているという。（江戸時代の日本人の食事は一日二回であったと言われている）正殿の千木の様子千木とは社殿の屋上にＸ型に取り付けられた木のことである。この千木の先端部分の切り方が垂直の「外削ぎ」か水平の「内削ぎ」かで、その神様が男の神様か女の神様かが分かるのだという。外宮さんの本殿の千木は垂直に切った「男千木」と呼ばれる形状のもので、豊受大御神は男の神様であるらしい。小学校の修学旅行で、私は伊勢鳥羽一泊二日の旅に来たのだが、学校に戻ってからの図工の時間に「外宮・内宮のお社の絵を描きなさい」という、どう考えても小学６年生の子供には無理と思われるような課題が出たのを、今もはっきり覚えている。当時、一応本式の参拝の順番にのっとって外宮・内宮と両方訪れたような気がするが、その頃（普通の小学生はそうであると思うが）建築様式になどこれっぽっちも興味の無かった私は、砂利を踏む足音が気持ちよくて下ばかり見て歩いて、屋根などただの一度も見た覚えはなかった。だから先生の「さあ、外宮と内宮では大きな違いがありましたね？よ～く思い出して描きましょう。」の意味がさっぱり分からなかった。そんなの誰も覚えているわけ無いと高を括っていたら、クラスのほとんどの子供がでかでかと神宮の屋根を描き始めたのには焦った。どうやら引率の教師は、小学６年生の子供にも分かるように、神宮の千木の説明をしていたものと思われる。なーんにも説明を聞かずにジャリジャリと足元を鳴らしていたのは私だけだったのだ。しかし画用紙いっぱいに砂利を書くわけにも行かず、仕方なくクラスメートの真似をして屋根のようなものを書いてみるが、「唯一神明造」と呼ばれる独特の神宮の様式は、想像などでは到底描けるようなものではなく、私はその図工の課題が終わるまでの二日間に渡って、こっぴどく叱られた。この出来事はトラウマとなり、それ以来私は「伊勢」とか「神宮」とかいう言葉を聞くと胸の中になにか黒くて重たいものが渦巻くようになったのだった。しかし、結婚が決まってしょっちゅう近鉄特急に乗るようになったら、見るもの見るもの全てに「伊勢」とか「神宮」とか書かれていて、強制的に目が慣らされてしまう状態が幸いしてトラウマはすっかり克服された。あの頃、まさか大人になった私がこの地で暮らすことになろうとは思いもしなかったが、あの思い出があるからこそ、近くに住んでいても、神宮への散歩はいつも懐かしく遠い記憶をよみがえらせて、いつまでも観光客気分を味わうことができるのだと思う。ああ、今なら千木も堅魚木もちゃーんと描けるのになぁと、図工の時間のない大人の今を、ちょっと残念に思う。（遅いにも程があるが。）本殿とは別の建物の屋根の造形神楽殿本当に美しいと思う。タイムマシンがあったら、小学生の私をつれてきてこと細かくどこがどう美しいか話して聞かせるのに…。本殿前にあった立て札この立て札の矢印の先に、次のご遷宮で新しい本殿が建てられる用地があるのだ。外宮を示す道しるべ外宮と書かれた下にＧekuと書かれているのが見えるだろうか。外宮は「げくう」、内宮は「ないくう」と濁らずに読む。私の叔母は長年小学校の教師をしていたので、伊勢神宮には修学旅行生を散々引率してきたはずなのに、いまだに「げぐう・ないぐう」というので呆れた。ないぐうはまだしも、げぐうは言いにくいと思うのだが…。同じ道しるべの裏側「外宮周辺の散歩」へつづく。

  2006年05月03日

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