「福飴」
「商売繁昌で笹持って来い!」……えべっさんの掛け声です。今年は下の子を連れて、宵戎の9日に近所の戎神社にお参りしましたが、わたしが小さい頃はやはり地元の大阪・堀川戎に行っていました。自営業でしたので、笹を買い、縁起物の「吉兆」を付けてもらって、1年間家に飾っていました。笹のほかに買ったのが、福飴と延命飴です。福飴はお多やんの顔が出る金太郎飴で、福を呼び込むもの、ねじ飴の延命飴は、節分まで置いておいて食べるものでした。このような細工飴は作るのに技術と手間が要るようですが、砂糖(または糖化させた澱粉)だけの単調な味なので、ぱくぱく食べるものでもなく、たいがい溶けかかった頃にセロハンをようようはがして食べ終えるといった具合でした。堀川戎の露店でも、天神橋筋商店街の和菓子屋でも、外側が赤と白の2種類の福飴を売っていましたので、1人あて2本。食べきるのも大変でした(延命飴は赤い筋のと緑の筋の2種類)。ま、行事と割り切って、食べていましたが。さて、近所のえべっさんには福飴は売っておらず、りんご飴やとうもろこし、たこ焼き、いか焼きなど普通の露店ばかりです。5才の子どもには高いものや熱いものはどうかと思い、どんぐり飴を買ってやりました(1ケ30円)。本人が5つと、おじいちゃんの家にお泊まりに行っているお兄ちゃんに2コ。帰りの道々、1つだけ口に入れて、しっかり歩いて帰りました。飴の言われよりも、子どもが満足してなめる飴は、福飴以上に御利益があるかもしれませんよね。