口呼吸と鼻呼吸
寒くなってきたので呼吸の話をしましょう。口呼吸はよくないというのを聞いたことがある方もいるでしょう。本来口は消化器であり、呼吸器ではないのです。食物を硬い歯で噛み砕き、唾液中の消化酵素と混ぜ合わせ、下部の消化器に送るのが口の役目です。もちろん激しい運動のあとなど大量の酸素を必要とする時は、呼吸器の役割も果たします。でも呼吸の中心はやはり鼻なのです。鼻の内部には毛や天然のフィルターである粘膜があります。これにより空気とともに外部から侵入しようとする細菌やウイルス,あるいはほこりなども体内への侵入を遮ることができます。さらに吸い込まれた空気は、鼻腔内で温められ、適度な湿気を与えられた上で、喉へと送られます。もし、常に口で呼吸をしていれば、どうなるでしょうか?外部の冷たい乾いた、しかも細菌やウイルスを含んだ空気が直接扁桃腺に当たります。扁桃腺は免疫の最前線です。細菌やウイルスが体内に入り込まないように戦います。しかしさずがの扁桃腺も、常に闘っていると疲れてしまいます。人間も疲れるとミスが増えるように、扁桃腺が疲れてくると、免疫システムに異常が起こりやすくなります。これもアレルギーや虚弱体質の原因の一つです。最近、とくに若い人の間で、口呼吸が増えているように思います。実は光る堂でも、アトピーや虚弱体質の方20名にアンケートをとってみました。驚いたことに20名とも口呼吸ということが判明しました。中には自分では口で呼吸をしている意識がなく、はじめは否定していたものの、言われてみると。。と言う感じで気付いた方も何名かいました。口呼吸になる原因は、小さいころ離乳食が早かったり、おしゃぶりを無理にはずしたりといったことも言われていますが、顎の力が弱ってきたことも関係あるように思います。肩の力を抜いて腹式で呼吸すれば、けっこう楽に出来ますよ。一度意識してやってみてはいかがでしょうか?