大阪都構想は否決・・・
昨日の日曜日に大阪で実施された住民投票の結果、大阪都構想に賛成が694,844票、反対が705,585票となり、反対票が上回りました。 この結果、大阪維新の会の橋下徹氏が提唱していた大阪都構想は否決され、今まで通り大阪市が存続することになりました。 大阪都構想の否決を受けて橋下氏は政界を引退することを表明しています。 大阪都構想ですが、大阪は大阪府と大阪市で二重行政となっており、そこには多くの無駄があるということで、大阪市を廃止して、東京都に23区があるのと同じような形にしようとしたものと思われます。 無駄を省くという点では良い案だったかもしれませんが、大阪市民にとっては、自分たちの生活がどうなるかという点にもっとも関心があるはずなのですが、その点がはっきりしなかったように思います。 人間は誰しも現状を否定することは得意ではなく、従来どおり、今までどおりに月日が過ぎていくことを好みます。 大阪市民にとって、大阪都になったら、今までよりも生活が豊かになるということが実感できなかったため、大阪都構想は否決されたのではないかと思います。 また、大阪都構想を住民投票によるという戦法を取ったこともどうかと思います。先ほど書いたように、人間は変化することに対して、慎重です。 仮に明治維新を実行するかどうかを住民投票で決めるとしたら、当時の町民は従来どおりの生活ができなくなるため、また商人は武士に貸し付けたおカネが戻ってこない可能性が高いため、明治維新に反対しただろうと思います。 橋下氏は、自分に人気があるため、大衆を相手に住民投票という戦法に打って出たものと思われますが、やはり、議会の中で地道に自分の党の議員を増やして、議会で決着する方法を取ったほうが良かったのではないかと思います。 なお、橋下氏は政界を引退するとしていますが、維新の党は国会にも議員を送り込んでいるので、簡単に引退することは責任回避とも言われかねません。 従って、橋下氏の動向には、引き続き注目する必要があると思われます。ただ、橋下氏は政治家を辞めても、また芸能界に復帰すれば良いので、今後の生活の心配はなさそうですね。 なお、東京地方の日曜日のTVのニュースのトップは大阪都構想ではなく、川崎の簡易宿泊所の火事でしたが、東京では大阪都構想への関心が低いとはいえ、このようなTV局の扱いは、いかがなものかと思います。