脱税する人の気持ち・・・
銀座で多くのビルを所有する丸源グループという会社があるらしいのですが、その経営者が脱税容疑で逮捕されたそうです。逮捕された経営者は、現在81歳、結婚しておらず、従って子供もいないそうですが、所有資産は莫大なものがあるらしいです。 なお、この経営者ですが、北九州市で生まれ、慶応大を中退して家業の呉服店を継いだ後、貸しビル業に転身し、都心の一等地に次々と不動産を購入し、一代で財を築いたとのことです。 最近はお金に執着しなくなったと言っていたそうですが、一方では節税には努力を惜しまず、節税はゲームみたいなものだとも言っているようです。節税が嵩じて、脱税にまで進んでしまったのでしょうか? ところで、税金を納めるというのは、これはこれで結構面倒です。僕のようなサラリーマンは、原則として給料から天引きされるので、税金を納めるということに対する苦痛というものを感じないのですが、たまに自分で納税をすることがあります。 僕の場合は、数年前に勤務先が一定の資格を満たす社員にストックオプションを給付したことがあります。ストックオプションとは、自社の株式を一定の金額で売ることを約束するものです。 簡単に言えば、社員に1株を500円売る権利を与えておき、社員は株式市場における株価が500円よりも高く、たとえば1,000円になったら、会社から1株500円で買って、株式市場で1,000円で売れば、差引500円の儲けとなります。 この儲けの500円分について、確定申告をしなければならないのですが、その書面の作り方が良く分からないし、実に面倒でした。申告しないで黙っていても分からないかもしれないから、そのまま申告しないでおこうかという誘惑に駆られましたが、その誘惑を断ち切って税務署にまで出かけて、係の人にいろいろと聞きながら、ようやく書面を完成したという経験があります。 こういう申告って、面倒な思いをして、なおかつお金を取られるという、非常に理不尽な行為ですよね。こんな面倒な手続きをするくらいなら、いっそのこと脱税してしまおうか・・・と考える人がいてもおかしくないと思いました。 今回の脱税の事件を聞いて、改めて思ったのですが、税金を納めることは大切なことであるからこそ、気持ち良く納めさせて欲しいものです。